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閉業温泉の記憶 内牧温泉 田町温泉

かつてあった、温泉の記憶をたどっていきます。
ここは熊本県阿蘇。内牧温泉という温泉地です。
とはいうものの、温泉街という雰囲気はあまりなく、広い地域に温泉が点在しています。
大きなホテルや旅館もそれなりにあるのですが、昔ながらの共同湯もいくつかあります。数はだんだん少なくなってきているようですが…。

その中でも2012年2月末で廃業してしまったのが、この田町温泉です。
こことの出会いは九州温泉道でした。知らない地域の温泉を回る時、九州温泉道は非常に助かりました。
阿蘇の町湯の中でも、唯一指定されていたのがこの田町温泉でした。
地域の方が使う温泉なので、たしか夕方からしかオープンしていないんですね。長崎に住んでいる私が入ろうとすれば、阿蘇に泊まるか、オープンを待ってすぐに入って帰路につくか。の2択になります。

そのためなかなか訪問する機会がなかったのですが、たまたまタイミングが合い、入浴することができました。
もう、この入り口の路地だけで最強ですよね。

田町温泉全景。小屋ですね…

ただ、ブロックを積み上げただけの温泉です。
トタンで囲まれているし…。何年ここにあったのでしょうか。

入り口

入り口に他の町湯の案内も掲示されていました。
温泉を盛り上げていこうという気持ちが伝わってきますね

番台

番台は無人でした。お金は箱に入れるシステムになっていました。

脱衣場より浴室を見る

ブロック塀むき出しの浴場はなかなか見たことがないです。
何人か地元の方が入られていましたが、ちょうど最初のお客さんが入れ替わりの時間だったようで、無人になりました。
なんというありがたいことでしょう。温泉を独り占めです。

内湯

浴槽は2つに分かれていて、湯が注ぎ込まれている方が上湯、奥の方が下湯という分け方をしていました。最初に体を洗うのが下湯、上湯は上がり湯という使い方をしているようです。
昔から大切に温泉を使っていることが本当によくわかります。
ありがたく入らせていただきました。

お湯はわずかに黄色を帯びた透明で、若干とろみがありました。
湯口はなんの変哲もない塩化ビニールのパイプでしたが、温泉成分の付着で洗い場は赤茶色に染まっています。
湯加減は若干ぬるめ。冬はちょっと寒かったのではないでしょうか。
匂いは阿蘇独特の鉄系の香りで、ここは阿蘇だなぁ…。という湯でした。
また入りたかったのになぁ…。残念です。

■田町温泉(2012年2月廃業)
下の地図のあたりにありました。
現在は確か更地になっているはずです


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