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母乳?ミルク?どっちがどういいの?前半

赤ちゃんの栄養について、母乳とミルクはどっちがどういいのか、どういったメリット・デメリットがあるのかをお伝えできればと思います。


◾️母乳のメリット、デメリット

母乳のメリットとしては、

✔️免疫成分が多く
 赤ちゃんにとって大切で
 赤ちゃんの週数に応じた栄養があり消化が良い

ということが一番のメリットとなります。

免疫成分は、赤ちゃんがお腹にいるときにも胎盤を通してママの免疫が移行されますが、母乳、特に初乳には免疫成分が多く含まれているため赤ちゃんが母乳を飲むことでママの免疫を赤ちゃんに与えることができます

また、正期産(37週以降のいわゆる臨月)に満たない早産でのお産になった場合などはその週数に応じて必要な母乳が出ると言われており、赤ちゃんにとって母乳のメリットはとても大きくなります
母乳は赤ちゃんの消化管にとって優しく、90分ほどで消化をすると言われています。

そのためどうしても頻回に授乳となることが多く、母乳のみであれば1日に少なくとも8回、多くて15回程度の授乳となることもあります。

授乳回数は赤ちゃんの日齢によっても違います。
生後1-3日目あたりはまだ胃が小さく、一回に飲める量も僅かなため毎時間ずっと授乳となるほど頻繁な授乳だったりもします。胃の大きさが大きくなってくると一回に飲める量も増えてくるので徐々に間隔があいてくるようになることが多いです。


☑️デメリットとして
頻回な授乳となることで乳首に傷ができたり痛みが生じたりすることは母乳のデメリットかも知れません。
ただ、授乳の姿勢や咥えさせ方によっては痛みや傷ができにくいこともあるので、これらを産院でしっかり教わって身につけておうちに帰りましょう。


✔️子宮の戻りを促してくれる

他のメリットとして、授乳をすることで子宮の収縮があり(この時の痛みを後陣痛といい経産婦さんによくみられます)子宮が元の大きさに戻るのを促してくれます。
お産の時にこのメカニズムを生かして乳頭刺激をしてお産を促進させることもあります。


✔️授乳をすると将来の子宮体癌のリスクを11%低下、
 卵巣がんや乳がんのリスクを低下する可能性がある

と言われています。癌のリスクを下げてくれるなんて素晴らしいですね。


✔️赤ちゃんを抱っこして密着して授乳することで
  愛着形成が促される

授乳にはオキシトシンといういわゆる「幸せホルモン」が大きく関係しますが授乳で赤ちゃんを愛おしく思ったり、たくさん授乳や抱っこをすることで赤ちゃんとの絆ができ赤ちゃんの将来の自己肯定感にもつながるとも言われています。


✔️赤ちゃんの顎の成長や歯並びが良くなる

授乳でママたちが驚くことの一つですが、赤ちゃんの吸引力は抜群です。舌や顎の筋肉を使い顎の成長や歯並びにも影響すると言われています。

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母乳のメリットはたくさんあるため
母乳で育てたいと思われるのは自然なことだと思いますし、助産師の立場からも母乳育児は推奨しています。

ただ、母乳育児にこだわりが強く、
「絶対に完全母乳で育てるぞ」とお思いの方は、
状況に応じてはママの疲労や産後うつ、
赤ちゃんの脱水状態や低血糖のリスクもある
ことを
頭の片隅に覚えていて欲しいのです。

というのは母乳は出方も赤ちゃんの飲み方も
とっても個人差が大きいことであり、

理想通りにいかないことが大半だからです。

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◾️そもそも母乳のメカニズムって?

母乳とはどういったイメージでしょうか?
赤ちゃんが生まれたらすぐに出てくる?
ピューピューとたくさん出る?

答えはNOです。
赤ちゃんが生まれた当日を0日として2日目ぐらいまでは母乳が出たとしてもじわっとにじむくらいなことが大半で、出ないこともよくあるくらいです。

「じゃあどうしたら出るようになるの?」
と思われると思います。

母乳は、受注生産であり、
注文される分が作られてくると言われています。

注文方法は赤ちゃんが吸うことやマッサージ、
搾乳などによる乳頭への刺激
になります。
赤ちゃんが生まれてなるべく早いタイミングから
授乳やマッサージなどの何らかの刺激がその後の母乳の量を増やすことに繋がります。

さらに、刺激は定期的に行う必要があり、3時間間隔で刺激がされると母乳を作るホルモンの値が高く保たれるので3時間おきに授乳をしましょうというのはこういったことによっても言われています。

ただ、きっちり3時間おきの授乳でそのほかの時間は赤ちゃんが寝ているというとそうではありません。赤ちゃんにも個性があり、よく欲しがる赤ちゃんもいれば眠りがちな赤ちゃんもいます。

授乳は3時間ごとの授乳ではなく、
赤ちゃんが欲しがるだけ授乳を行うことが大切になってきます。 

(ただ産院によっていろんな考え方があり、時間で授乳としているところもあります。)
母乳は受注生産と言いました。赤ちゃんが欲しがるだけ授乳をして注文をするとそれに見合った量が作られていくイメージです。


◾️産後の乳房の変化

産後1週間ほどは乳房の変化が著しい時期です。
産後すぐにはたくさんの母乳は出ませんが、赤ちゃんが欲しがるだけ授乳をして乳頭に刺激がいくと産後3〜8日目頃に母乳を分泌しようとどんどん作られてくる時期となります。
産後2〜5日(個人差あります)ごろに胸が重く温かみが出てきて張ってくる感じがあります。人によっては胸が強く張り痛みと感じる方もいます。ただ胸の張りは一時的なことが多く1〜2日でおさまることが多いです。
張りが落ち着いてくると母乳の量がグッと増えることもありますし、徐々に量が増えていく方もいます。


最初はにじむ程度で量にして1ccほどから量が増えると20〜60cc、それ以上にになることもあります(こちらも個人差あります)。
産後9日目頃からは母乳の分泌を維持しようとする時期となり授乳回数や搾乳量により同量の分泌量を維持するように身体が変化していきます。胸が張らなくてもピューピューと出てくるようになることもあります。
こうして赤ちゃんの欲しがる需要と母乳の量の供給があっていきます


◾️赤ちゃんの飲み方について

授乳は乳房の変化や母乳の出だけで
完結するものではありません。
赤ちゃんがしっかりと吸って母乳を飲み取れるか
というところもとても重要
となります。

赤ちゃんは生まれたてにして個性があります。
泣いておっぱいを欲しがっていてもママの胸元にくると眠ってしまいうまく吸いつけない赤ちゃんや、いつ寝るの?というほどずーっとおっぱいを吸い付いている赤ちゃん。はたまた眠りがちで起こさないと自分で起きてこない赤ちゃん。

生まれた時の体重や週数、お産の経過によっても様々
なので他の赤ちゃんと比較しないことが大切です。

おっぱいを吸うことは赤ちゃんにとってエネルギーを要することです。赤ちゃんがなかなか吸い付かず眠りがちである場合には搾乳やマッサージをして乳頭を刺激し母乳を分泌させていく必要があります。搾乳でとれた母乳は赤ちゃんに与えることができます。
搾乳については別の記事で今後お伝えしていければと思います。


いかがでしたか?前半では母乳のメリットとメカニズム、赤ちゃんの飲み方も大切ということをお話ししました。後半ではミルクについてや母乳育児をどういうふうに行っていきたいかなどをお伝えできればと思います。


mimi*


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