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小説

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書いたやつはとりあえずここに放り込んでます。少し読みにくいと思われますが、まとまった量ができた話から別途まとめる予定です。 ※新しいものが上に来ています。思いついて書いたものをど…
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歩くたび、ザクザクと音が鳴った。積もるのは雪か灰か、よくわからない。彼もまた、背中に1本の棒があった。それが彼の宿命なのだ。「いつまで、こうだろう」「これをあるべきところに収めるまで、だろ」「そっか」現状が好ましくないのは勿論そうだが、彼は良い奴だ。なので悪い気はしなかった。

「危ないか」「危ないよ、死んでるっぽいけど、わからないし」彼の言う事はもっともなので、俺は立ち上がり、死骸(推定)を蹴飛ばした。重量感のありそうな塊が紙くずのようにすっ飛んでいく。「うわぁ」「命の重み、相当あったんだな」二人でしばらく飛んでいった先を見つめた後、徐に歩き出した。

今しがた死骸となった何かに腰掛け、俺は空を見上げた。雲が多少あるが、晴れている。俺の心に似ている。今の俺はあらゆる事象に自己を投影しうる。銃弾は残り少ない。近くにコンビニがあったと思う。背中には赤錆の目立つ物々しい剣――これは俺の宿命だ。「そこ、危なくない?」右から遠慮がちな声。

(俺はふとしたきっかけでみずからの運命を知ることとなった。緑と黄色と赤とで言えばそれまでだらだらと緑がつけっぱなしになっていたのがとつ然黄色になり、あっという間に赤になったのだ。運命という名の押ボタンが押されたのだ。都会でも田舎でもない街はその景色を変え、冒険が始まった――)

(ここから別の話)

【おわり】

あの巨大生物は恐らく自然物ではないだろう。何らかの目的で作られたのだ。「なぜつくられた、か」相棒の深く考える癖がうつったか。「……やめやめ、何も思いつかんな」一応思案してみたが、さっぱりだ。俺は考えるのをやめ、日を跨いでなお灯る街の灯に誘われるまま歩みを進めた。

「俺はいいと思う。バランスが良い」「そりゃどうも」互いのグラスが空き、それとなく終わりの合図となる。「じゃあ、結果次第でな」「おう、またな」呑気なものだ。この街は海上に浮かぶ人工島だ。もし奴らが海上に来たら?ひとたまりもないだろう。だが俺も含めて皆、そんなこと考えていない。

「それなりの、ねぇ」「お前にとっては金になる以上の意味はないな」「よくわかってるな」「お前はシンプルだからな。怪獣を倒す、それだけだ」「仰る通りで」そうだ。俺は海底に眠る都市よりもロボットに乗って巨大生物と戦うことにロマンを感じている。相棒とは目指したロマンが違うだけだ。

「なら、話すが」相棒は前を向いたまま話す。俺は右隣だ。「あの建物は沈む前提で建てられていた。でなければとうに崩れているだろ?」「そうだな」実際、今まで見てきたものは大体が地下シェルターだけが健在な場合が多かったのだ。「それであれだけ大事に抱えていたのだ、それなりのものでないとな」