やりたかった仕事

喜びに打ち震えています、私。

やりたかった仕事を今、まさにさせてもらっているからです。

「やりたかった」のは特定のジャンルとか、著者さんとか、出版社さんとか、媒体とか、そういうことではない。

では何なのか、というと、「編集者さんからビシバシとフィードバックをいただける仕事」である。

ブックライターとして独立して、一年が経った。はじめの頃は、原稿買い切りのお仕事が多かった。見本をいただくまで、いっさい原稿にさわれない。編集者さんや著者さんからの要望もなく、修正作業もなかった。取材から数か月かけて取り組んだ末のライティングの出来がどうだったのかがわからず、この状況はむちゃくちゃ不安だった。

しかし、今回は違う。編集者さんからの感想、要望、提案、アイデアがばしばし返ってくる。それに沿って書き直す。またフィードバックをいただく。また書き直す。

このプロセスをどんなに待ち望んでいたことか。

うまいこといかずに苦しむ時間も当然、ある。何度もフィードバックをしてくださる編集者さんに対して申し訳なくもなる。

それでも、頭を使い、手を使って、最終的に編集者さんが喜んでくださったときの喜びといったら。いい本を作るために、編集者さんと二人三脚で進んでいく感じがする。

こういう仕事がしたかったんだよ! 

と叫びたくなった。

もちろん、多忙きわまりない編集者としては、一発で思い描いた原稿が上がってくるほうがいいに決まってる。内心、イラッとされている可能性もないわけじゃない。そのことを思うと胃が縮む気がする。

それでも、ごめんなさい。私はこういう仕事がしたかったです。そんな機会をくださってありがとうございます、と伝えたい。

〆切までもう少し。少しでも編集者さんのゴールとする原稿のイメージを早くつかみ、お手間を減らしていきたい。そして最終的には著者さんと読者に喜んでもらいたいと思う。