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森 晶麿
2020年7月21日 00:40
それは、まだ僕がどんな人だって救うことができると信じていた頃の話だ。 過去十年でもっとも雨の多い夏だった。その頃僕は、板橋区のとある小さな動物園で飼育係のアルバイトをしていた。 いや、これは正確な言い方ではない。厳密に言うならば、それはある事業開発のためのアルバイトだった。僕が所属している戸山大学理工学部でその頃、秘密裡に行われていたのがプティクシアンという物質の研究だった。 21世紀