森 晶麿

虚構家、小説家ってWikipediaに書いてあったのでたぶんそう

詩学探偵フロマージュ、事件以外 3日目:初依頼とフラミンゴ

よっこらせ、とその年寄りは言った。 「このオフィスは以前はわしのものだった」 「そうなんですか」  事務所の片付けをしていたら、突然現れたのだ。  何の前触れもなく...

詩学探偵フロマージュ、事件以外 2日目:依頼人を探せと依頼人は言った(後編)

私は言われたとおりカメラを構え、  電話機を映した。  何の変哲もない電話機の写真が撮れただけだ。 「写真には、依頼人の姿は映っていない。なぜだ?」  ケムリさんは...

詩学探偵フロマージュ、事件以外 2日目:依頼人を探せと依頼人は言った(前編)

二日目の勤務は、掃除から始まった。  草堀ケムリさんはといえばソファで寝ており、 「起こすまで起こすな」とのメモがある。  まあそれは構わない。  まず取り掛かった...

詩学探偵フロマージュ、事件以外 1日目:モルグ街虫食い事件(後編)

「……ええと、あ、わかりました。  『黄金虫』ですね?  〈mor〉を含む単語なら、ほかにもあるわけです。  それをあえて〈mordorer〉に変えたとなれば、  もう間違い...

詩学探偵フロマージュ、事件以外 1日目:モルグ街虫食い事件(前編)

「行間で読ませるのが詩、行間を読むのが探偵。 すなわち、探偵の詩学というのは成り立ちうる」  草堀ケムリさんは本を逆さに読んでいる。  読んだふりではない。  読ん...

リンゴリラ #8(最終回)

月島神社前    覆い茂った杜の手前に、片脚の男が立っている。  季節外れの黒いロングコート。  だが、薄闇の中では、違和感はあまりない。  ウォンの生首は、今はコ...