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森晶麿ホラーマガジン

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記事一覧

青春掌篇「永い蜜」

ある秋の、月の明るい晩に、僕と結衣はR村で2ダースほどの殺戮をおこなった。避けられないこ…

森 晶麿
2週間前
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怪奇倒叙掌説「まがとり」

 柳原正一はごく普通のどこにでもいる心優しい高校教師だった。生徒からの人気も高く、保護者…

森 晶麿
1か月前
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怪談「すくらっぷ」

20代の終わりの頃の話だ。 中高の同級生の杉本怜太(仮名)と2年ほどの間に5回くらい酒を飲み…

森 晶麿
3か月前
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ある古美術商への飛び込み営業で本当にあった怖い話

8月の終わりなので怪談噺でも一つ、と思ったのだが、じつを言うとこわい思いというのをあまり…

森 晶麿
4年前
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ホラー掌篇「となりの家の子」

 出勤前の朝のゴミ出しは憂鬱な仕事の一つだが、今日はそうでもなかった。なにしろ、連れがい…

森 晶麿
10か月前
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怪談「しめさば」

 死んだ兄の恋人の香苗に聞いた話である。  故郷を離れて3年、兄はずっと真面目な銀行員だ…

森 晶麿
1年前
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怪談「ねことおおやと祭りの夜」

「もうそんな大きぃなったかぁ、坊主、すごいのう、おじちゃんびっくりや」  大家さんは、我が家に来るたびに僕の年齢を尋ね、大げさにそう言って驚いてみせたものだった。  大きい家と書いて、大家さん。だからだろうか、幼い頃の僕にとって大家さんはものすごく大きな存在だった。滅多に会うわけでもないのに、彼が現れると、家の空気が全体、彼の流儀に従わなければならないような、何とも言えない圧迫感で満たされたものだった。 「流儀」と言ったって、大した流儀があるわけではない。大家さんの獲って

【ショートショート】魔物

「勇敢だな、みずから森に入ろうと志願したんだって?」  老人は酒臭い息を吐きかけながら言…

森 晶麿
2年前
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ホラー掌篇「鵜凪のいる夏」

「まゆみはもう宿題は終わったん?」  篭野のばあやはいつもそう尋ねる。まだ夏休みも始まっ…

森 晶麿
1年前
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【ショートショート】かき氷だった女

「かつて私がかき氷だった頃の話よ」とその女は唐突に語りだした。 知人のパーティーの二次会…

森 晶麿
2年前
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ショートショート『ゴミ置き場の茜ちゃん』

 帰り道に、京子はまた茜を見てしまった。茜は大抵ゴミ置き場にいる。いない日もあればいる日…

森 晶麿
1年前
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