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生産者来日イベント「ジョバンニ・ロッソ」

イタリア・ピエモンテから来日されたワイン生産者のテイスティングイベントに行ってきました。

生産者来日イベントとは

海外のワイン生産者が来日された際に、ワインを取り扱ってるレストランやワインショップなどで、生産者から直接話を聞きながらワインをテイスティング(試飲)するイベントのことです。

この日は、世界中のワイン愛好家を虜にしてやまないワイン銘醸地、イタリア・ピエモンテから生産者が来日されました。

生産者紹介 : ジョバンニ・ロッソ


オーナー兼ワインメーカーのダヴィデ・ロッソ氏が来日。
イタリアを代表するワインの銘醸地、11の村からなるバローロの中でも5大産地のひとつとして知られるセッラルンガ・ダルバ村を拠点としています。

代々受け継いできた歴史ある畑では栽培から醸造までを伝統的な方法で、25年以上に渡り、ワイン造りを行っている生産者です。

彼らのワイナリーで大切にしてることのひとつに「ワインはテロワールのコピーでならなくてはならない」というモットーがあります。

そのため、ぶどう畑での作業はナチュラルな手法を取り入れ、化学肥料なども不使用で、ダヴィデさんのお人柄からもうかがえる、自然にやさしいワイン造りをされていることが伝わってきました。

当日のワインリスト

1 2022 ロエロ・アルネイス

ぶどう品種:アルネイス

ピエモンテの土着品種から造られるこちらの白ワインは、石灰質土壌に砂質も含まれていることからミネラル感を感じ、フルーティでバランスの良いワインに仕上がっています。

プレスを繊細に、熟成は4~6ヶ月ステンレスタンク、バトナージュも行ない複雑みも感じられるユニークなワインでした。

透明感のある可憐な香りの中には、花梨・紅茶・白い花・微かな柑橘・フレッシュなはちみつを取ることができ、適度な酸があり、様々な魚料理と合わせやすいのではないかと思いました。
また、香りの可憐な印象とは相反するドライな余韻が特徴的でした。 

バトナージュとは
白ワインは醸造工程の中で、発酵用に添加した酵母が役目を終えて澱(おり)となってタンクの底に沈んでいきます。その澱を、バトン(Baton)を用いて、熟成期間中にワインと一緒に攪拌することをバトナージュと言います。
平たく言えば、バトンでタンクの中のワインと澱をかき混ぜる作業のことを言い、ワインに旨みを溶け込ませるために必要な作業のひとつです。

https://wsommelier.com/note/2020/09/16/post-2599/

2 2021 バルーベラ・ダルバ・ドンナ・マルゲリータ

ぶどう品種:バルベーラ

樹齢20-30年の複数の畑からとれたぶどうをブレンドして造られた赤ワイン。
ステンレスタンクでルモンタージュ(パンピングオーバー)の後、15日ほど発酵。その後、大樽で約6ヶ月熟成させています。

エノロジストでもある生産者が、ワインのバランスや成熟感を大切に、柔らかい発酵過程を意識されているとのことでした。

華やかでエレガント、ナチュラルで、ラズベリーの香り。余韻に酵母の香りを感じる、様々な料理に合わせやすい印象の赤ワインでした。

ルモンタージュ(パンピングオーバー)とは
タンクの下から液を抜いて、パイプでつなぎポンプでタンクの上から抜いた液体を振りかけて循環させること。赤ワインを発酵する際に、発酵を十分に行うためにワインにしっかりと酸素を送るために撹拌をします。また、混ぜ合わせることで、果皮などからタンニンや色素の抽出が促進され、ワインに色、質感、渋味をもたらします。

https://wsommelier.com/note/2020/11/12/post-2748/

3 2021 ランゲ・ネッビオーロ

ぶどう品種:ネッビオーロ

生産者が「ベビーバローロ」と呼ばれていたのが印象的な赤ワイン。
若樹のネッビオーロから造られるこのワインは、コンクリートタンクで15日発酵し、ルモンタージュ(パンピングオーバー)を経て6ヶ月ほど大樽熟成することで、素晴らしいワインに仕上がっています。

「バローロほど値段も高くないし、楽しみやすい。これからバローロの世界を知っていく方に適したワイン」と仰られていたことが印象的でした。

素直においしい!と思ったピュアな果実味、スミレや紅茶の香りが感じられる赤ワインでした。

4 2019 バローロ

ぶどう品種:ネッビオーロ

クラシックなスタイルのバローロは複数の村の畑からなるぶどうを組み合わせることで印象的な味わいに仕上がっています。

セッラルンガ・ダルバ村からは「タンニン」
カスティリオーネ・ファッレット村からは「フローラルさ」
そして、バローロ村からは「フィネス」や「エレガンス」。 

コンクリートタンクにてランゲよりも長く発酵し、ル紋が(パンピングオーバー)、デレスタージュ(澱抜き)を経て、3年ほど大樽で熟成されます。

ランゲに妖艶さがプラスされ、香りの迫力を感じました。
余韻に繊細なタンニンを感じられる美しいワインでした。

5 2019 バローロ・デル・コムーネ・ディ・セッラルンガ・ダルバ

ぶどう品種:ネッビオーロ

バローロでもっとも重要な村にて、標高の真ん中よりも高いところで収穫されたぶどうから造られる赤ワイン。

25年前から作っているワインのひとつだが、当時はセッラルンガ・ダルバにこだわったワインも少なかった、とのこと。最近では認知が高まってきてうれしいと仰られていました。

石灰質を多く含みミネラル感が豊富なワインは、これから十数年は熟成できるポテンシャルの高さを感じられる、若さからの青さや、ミント、
針葉樹などの香りが顕著でした。今後の期待が大きいワインです。

6 2019 バローロ・セッラ

ぶどう品種:ネッビオーロ

テロワールが特徴的で、標高が他の畑よりもさらに高く、見た目からありありとわかるほどの真っ白の石灰質の土壌だそう。

約25日のコンクリートタンク発酵の後、3年間大樽のフレンチオークにて熟成されます。ミネラルたっぷりでピュアさも感じられますが、30~40年は熟成が可能な将来が楽しみなワインです。

セッラにある畑は大変小さく、およそ1haの畑から造られるワインは、年間わずかに7000本とのことです。

まとめ

イタリア・ピエモンテ地方のバローロの中でも、セッラルンガはテロワールが特徴的。石灰質が豊富でミネラル感がしっかりと感じられるワインでした。

ワインの造り方にもよるものですが、ピュアな印象を感じたワインが多く、自然を大切に、テロワールを美しく表現されていることが伝わってきた、素晴らしいワインとの出会いに感謝です。

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