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「どうせやるなら、いいことしよう」は、教師と生徒の合言葉
「どうせやるなら、いいことしよう」という言葉や雰囲気が流れると良い学年になっていく。
学年打ち合わせで発せられた60代の先輩教師の言葉に納得した。
話の発端は、掃除
掃除を雑にする生徒が一定数いる。すぐに終わらせて下校したがったり、部活に行きたがったりする。汚いものには触りたくない。一生懸命にしようと思わない。当番だから仕方なくやっているという感覚だ。
廊下の隅にほこりが残っていること、便器が磨かれていないことなど 掃除が甘いことを指摘すると、「ちゃんと掃除しましたよ」と言葉が返ってくるみたいだ。
通常 公立中学校の掃除は、当番制で行われる。特定の生徒だけがする係ではない。全生徒が生活している場所だから全生徒で輪番で掃除をしよう ということである。このシステムなのは、昔から変わらない。掃除は、どの生徒もしなければならないことなのだ。
「しっかり隅々まで掃除をしなさい!」と先生が指導すると、教室や廊下がきれいになるという結果は得られる。しかし、支配的な指導によって生徒の心は育たない。その生徒はどうなるか。
在学中であれば、その先生が不在のときに手を抜く。
卒業後の進路先では、雑用や当番の仕事で手を抜く。
しなければならないものは、「少ない時間でできるだけラクをして終わらせたい。」という発想に切り替わっていくのだ。
学年打ち合わせの最中に、金の卵(望む結果)を産むガチョウ(結果を生み出す真の資産)の話が頭によぎった。
金の卵が欲しいばかりに、ガチョウの腹を引き裂く男の話だ。ガチョウの腹を引き裂くと、すぐに金の卵を得られるが、ガチョウは死んでしまい、二度と金の卵を得ることができなくなる。
反対にガチョウの世話を心を込めて行うと、永続的に金の卵を手に入れることができる。
合言葉
だから「どうせやるなら、いいことしよう」というキャッチフレーズが気に入った。生徒自身が「まあ、きれいにするか」と思ってくれたら嬉しい。
彼らが「どうせやるなら、いいことしよう」と思うようになったら目に見える結果(教室、廊下、トイレが綺麗になること)も手に入る。この指導には根気がいるが、それが教師の仕事だろう。
未来ある12~15歳の子供を相手にする中学校教師の仕事は、金の卵(結果)を求めることではなく、ガチョウ(結果を生み出すもの) , つまり生徒自身を育てることである。
目に見える結果ではなく生徒の心に目を向けると、教師の発する言葉も変わってくるはずだ。公務員である教員は、どれだけ努力しても給料は上がらない。でも、どうせやるなら、いいことしよう。
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