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大きな返事ができる指導【卒業式の呼名】『小6と中3の担任の先生へ』

「はい!」

と、卒業式において、担任の先生に名前を呼ばれたとき生徒は返事をします。

この返事を大きな声でできるような指導を紹介します。

胸を張って卒業してほしい。誇り高い姿を保護者に見てもらいなさい。

担任の先生はそんな思いで、生徒に大きい返事をすることを求めます。

でも、自信がない生徒や、恥ずかしがり屋の生徒、元々声が小さい生徒、卒業式がダルいと感じている生徒は、声が出ませんよね。あたりまえです。

なので、呼名指導のゴールは、生徒自身が「精一杯大きな声で返事をした。」と思えること。思えたらそれでOKという前提で記事を書いています。

■大きな返事ができる指導方法

結論。元から大きな声で返事をしている生徒をみんなの前で褒めることです。

これが最も効果的な指導です。

「◎の生徒は5名います。Aくん、Tさん、Oくん、Yさん、Zさんです。」

全体で行う卒業式の呼名練習で、名簿を読みながら名前を呼ぶ際に、1人1人の声の大きさの記録(◎、○、△、×)をつけておきます。

帰りのSTなどで、呼名について振り返りましょう。◎の生徒を名指しで褒めることで、◎の生徒は嬉しいと感じる上に、他の生徒は大きな返事の基準が分かります。

担任の先生の言う”大きな声”のボリュームを感覚的に理解できるのです。

一定数の生徒、とくに◎の生徒の友達は「自分も大きな声で返事をしよう」という気持ちが湧きます。

また、普段は声が小さいし、返事も決して大きいとは言えなかったが、頑張って返事をした生徒も褒めます。もちろんクラスメイトの前で。

「Bさん、前の練習より声出てたやん!GOOD!」

他生徒との比較ではなく、その人自身の上げ幅を認める指導の効果は抜群です。

Bさんの友達や、自分の声が小さいと自覚している生徒は「自分も頑張ろう」という気持ちが湧きます。

Bさんのための言葉でもあり、Bさん以外のクラスメイトの全体指導でもあります。

指導方針をまとめると
❶とにかく褒める。△、×の生徒は口にしない。
❷クラスメイトの前で褒める全体指導を行う。

■NG指導

出席番号1番から順番に1人1人クラス内で呼名の評価を伝えることです。

Aさんは◎、Bさんは〇、Cさんは△、Dさんは△、Eさんは・・・

自分が△、×なんてことは聞きたくないし、クラスメイトに聞かれたくない。説教じみたことを全体の前で行うことはNGです。

生徒の卒業式への思いを一発でなくす方法は説教です。

△、×と言われて、明るい気持ちになる人はいません。テンションが上がってやる気に満ち溢れることは絶対にありません。説教をする人から名前を呼ばれても返事をしたくなくなります。

呼名が小さい生徒(△、×)にどうしても声をかけたいときは、休み時間などにサラっと、笑顔で「返事がんばろうぜ」と伝えるだけでOK。

僕は呼名が小さい生徒に声をかけません。褒めるという全体指導に注力します。

■まとめ


この指導は日本人の民族性に沿った指導だと考えています。

みんな頑張っているから私も頑張る。

同一歩調が日本人の美徳ですよね。みんな頑張っているという現実が人の心を動かします。全員が小さい声の返事では、大きい声を出したくても恥ずかしいと思ってしまいます。

全体指導に注力しましょう。元から大きな返事ができる人、昨日よりも頑張って返事をした人を褒めましょう。

他の生徒も一定数、「頑張ろう」と思えてくる。

頑張ろうという人数を増やすことが、効果的な呼名指導だと思っています。

卒業まであと3日。感動できる卒業式にします。



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