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フリーランス、ひとりで『できない』もん!

「これからは、全部ひとりでやっていくんだなぁ」

2019年3月、勤めていた新R25編集部の仲間にあたたかく見送られ、色紙を抱えてタクシーに揺られながら思った。

文章を書くことが大好きで、誰に言われるでもなくあくまで趣味として、ずっと書き続けてきた。

そんな未経験の私を拾ってくれた場所だった。

そこから自ら旅立とうと思ったのは、もっと新しい世界を見てみたかったからに他ならない。一度諦めた夢にもう一度挑戦したかったし、ひとりでどこまでできるのか、試してみたかったからだ。

安定志向のわたしは、会社員をやりながら、早起きコミュニティ『朝渋』を始めとする複数のコミュニティに所属し、副業でもライティングをしていたので、辞職する段階で、副業収入が本業収入と並んでいた。

「もしかしたら、今ならできるかもしれない」

そう思って、独立を決めたのだった。

フリーランスにのしかかる「責任感」

でも、フリーランスになってからの2ヶ月は、心がきゅっと萎むような感覚がずっと消えなかった。仕事がなくなったらどうしよう。路頭に迷ったらどうしよう。そんな不安がとめどなく湧いて来るのだ。

フリーランス、つまり個人事業主は、すべての責任を自分で背負わなくてはいけない。仕事を受けるか受けないか、ひとつの仕事にどれだけの時間をかけるか。費用対効果はあっているか。毎日のスケジュールから進捗管理から、納品クオリティまで、すべて自分にかかっている。

そう考えると、くらくらとした。

相手から信頼を得られるかどうかがひとつひとつの仕事で試されているような気がして、怖くて休日を作ることは愚か、パソコンを家に置いて出かけることなんてできなかった。

実際、フィジーでの旅行中にも観光を諦めてプールを眺めながら必死でキーボードを叩いていたくらいだ。

「ひとりで生きていかなきゃ」

「自分の力で自分を食わせていかなきゃ」

私にとって、フリーランスになってからの日々は、サバイバルだった。

お願いされた仕事は基本的に断らずに「私に任せてもらえるのなら」と全部受けて、毎月収支計算をしながらほっと胸を撫で下ろして、仕事をこなしながら自分の発信も同時並行で続け、将来のために積立投資も考えて…。

本当に目まぐるしい1年間だった。

「立ち止まったら死ぬ」と本気で思っていた。

「ひとりでやりきる」というこだわり

先日、母からLINEが送られてきた。

「私の本の部屋のヒーターの隙間から、ゆきのあやとりの本が出てきて、パパが大笑いしてたよ。そういえば、ゆき、得意げに早業あやとりを披露してたよね。ずーっとやってたよ。一輪車も、お絵描きも、やり始めるとずーーっとやっているのは、昔からだね」

「私が暇になって『ゆきちゃん遊ぼうよ〜』って言っても、『今忙しいの!』とか言ってひとりで何かやってるんだよね」

ハッとした。

思えば、私の趣味は基本的にひとりで完結できるものばかりで、それが自分の本質を物語っているよなぁと思っている。

でも、もしかしたら母は寂しかったんじゃないか。

独立してから、「協力できることがあれば言ってね」とか「何かあれば力になるよ」と言ってくれる人はたくさんいたはずなのに、「ありがとう」と言って終わらせてしまう自分がいた。

そこには2つの理由があって、ひとつは「頼ることで迷惑をかけてしまうかも」というもの、もうひとつは「自分で何がなんでもやり切りたい」という頑固さやプライドから来るものだった。

会社員時代もそうだ。1記事書くとしたら、サムネイル作成から写真撮影から、入稿まで全部ひとりでやりたがった。

でも、見渡してみれば、ひとりでできることは限りなく少ないのだ。

しかも、「ひとりで頑張ってやっている」つもりでも、結局のところ、実際はひとりで生きているわけじゃない。誰かから仕事をもらっているし、誰かの手によって生かされている。

ひとりで生きているつもりになって、サバイバルしているのはわたしだけだったのだ。

「ひとり」で生きていく必要なんてない

2020年4月、隣を見れば、一緒に働く仲間が2人に増えていた。

ひとりは、わたしが苦手な数字まわりを全部巻き取ってくれている。そしてもうひとりは、わたしと考え方が180度違う。

わたしは小説を読み、彼はビジネス書を読む。

わたしは文字に強く、彼は数字に強い。

わたしは感情的で、彼は論理的に考える。

わたしはグラレコができて、彼は図解ができる。

わたしは喋って、彼は聞く。

一見デコボコなのだが、「自分のできないことを任せても良い」相手を見つけたのだ。

そして、「得意」を掛け合わせて、合同会社を立ち上げた。

「これ、どうしたらいいかなぁ」

そんな相談ができることが、どれだけ大きいか。苦手な分析や数字まわりのことをお願いできるのがどれだけありがたいか。自分の得意なことに専念できることが、どれほど幸せか。

「ひとり」で生きていく必要なんてなかったんだ。

フリーランスとして独立する人は、きっと責任感の強い人なんだと思う。自分のやりたいことを実現するために、スキルを一生懸命身につけて、結果を出していく人だろう。「ひとりで頑張らなくちゃ」と無茶もしてしまうだろう。

でも、フリーランスは「独立した個人」ではあっても、同じ「独立した個人」と繋がっていいのだ。頼っていいのだ。一緒にやっていいのだ。

会社から去ることで失う所属欲求は、大量の仕事で埋めるのではなく、手をつないで満たしていけばいい。

それが、わたしから伝えたい言葉であり、これからの自分に送る言葉だ。

最後に、わたしにできること

最後に、わたしのことを知らない人のために。

フリーランスでライターをやっている「ゆぴ」と申します。取材を中心に「働き方」や「生き方」にまつわる記事を執筆しています。自分で言うのも何ですが、「わかりやすくやさしい」を大切に文章を書いています。

また、とにかく「言葉を紡ぐこと」が好きで、イベント・セミナーを言葉と絵で可視化するグラフィックレコーディングや、企業VPのナレーションなども請け負っております。

ご興味のある方、ぜひ一緒にお仕事しましょう!

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本企画、「 #個の時代の入春式 」は、ミレニアル世代のフリーランスがお互いの想いを知ることで同志と繋がり、高めあえたらと企画されたものです。

自粛ムードのこのタイミングだからこそ、ポジティブな明るいエネルギーで社会を前向きに導いていきたいです。

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