いくらでも間違えていい。すぐになおせるのなら。
サイバーエージェントの採用基準として「素直な人」が挙げられる。
これは、サイバーに限らず、他の企業でもそうだと思う。
では、素直な人とは何なのかと言うと、わたしは「とりあえずやってみる」人だと思う。
オリラジのあっちゃんが「Just do itでしかない」とよく言っているが、まさにそのとおりで、活躍している人と、そうでない人の違いは能力の差ではなく、「やるかやらないか」でしかない。
やったあとに、能力が勝手についてくるのだと思う。
そして、声優業界でも同じく「素直な人」が好まれる。声優業界における「素直な人」というのは、「音響監督の言うことが聞ける人」だ。
それは、何の意思も持たずにウンウンと言われるものをやるのではなく、相手のやりたいことを汲み取る力でもある。
たとえば、自分の解釈と、監督の解釈の異なるものがあったとする。
自分は主人公は「悲しい気持ち」だと思っていたけど、監督的には「嬉しい気持ち」だったとか、そういうことだ。
そういうときに、「いや、でも自分のなかでは悲しいから、悲壮感たっぷりに演じます」と言うのは違う。それは変なこだわりを持ったKYにすぎない。
作品は、自分のものでもあるけれど、自分だけのものではない。
そこで、声優に求められるスキルのひとつとして重要なのが、「間違いをすぐに正せる力」だ。
解釈も、アクセントも、いくら間違えたって言い。ただ、間違っていると指摘されたのなら、瞬時にそこで修正していくこと。
間違いは、その場でなおせたのなら、間違いにはならない。
そして、その場で「とりあえずやってみよう」となおせるのは、素直な人だけだ。
「素直になる」って、プライドを捨てることなんじゃなくて、まずは相手の気持ちを汲んでやってみること。そういうことなんだと思う。
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