コミュ障はテキストコミュ強になれば人生ラクになる
2年前に「仕事がやめたいと思ったらやること」というテーマで取材をさせていただいたワンキャリアの寺口浩大さんと久しぶりにお会いした。
きっかけは、以前たまたま同じお店にいることがわかって、じゃあ今度はふたりで行きましょうよ、と声をかけていただいたのだ。
わたしは基本的に「自分から誘う」というのをあまりせずに生きてきた。
誰かを誘うことには慣れていないので、「ごめん、仕事なんだ!」と言われるだけでしょんぼりしてしまう。
自分が仕事のときは「ごめん、仕事なんだ!」と言って断っているはずなのにおかしな話である。
だからこそ、寺口さんのほうから誘ってくださったのはとてもありがたかった。なんせわたしたちは「今度ごはん食べましょうね!」と言ってから2年も何もせずに過ごしてしまったから…。
そんなわけで、久しぶりに会っていろんな話をした。そのなかで印象的だったのは、彼もなかなかのインドア派だということだ。休日は特に予定がなければ家にいるという。意外だ。ものすごくアクティブなイメージがあったから。
では、そんなインドア派の彼がどうしてわたしを誘ってくれたのかというと、「誘う練習」をしているからなのだそうだ。
コロナ禍を経て、基本的にいつも誘われている側だということに気付いたそうで、最近では自分から動くようにしているという。
いや、めっちゃわかる。
コロナ禍で飲み会の誘いがなくなり、気づいたのは自分はものすごく受け身だということだ。友だちからの誘いには喜んでついていくくせに、自分から誘うことはあまりしない。それなのに「誘われなくて寂しいなぁ」と言っている。もっとこちらからコミュニケーションを取れという話なのである。
しかし、そんなわたしでも最近初めてTwitterでナンパをしたことがある。
Twitterでたまたま見つけたライターさん。取材ジャンルも興味がある分野で、何より文章がすごくいい。そして、ふだんのTwitterからなんとなく感じる「仲間感」…
これ…絶対に仲良くなれる人やん…
…と気づいたら長文DMを送っていた。ありったけの「好き」と「会いたい」を込めて。
そんな彼女とは初回で意気投合して3時間カフェに居座り、今では月1のペースで会っているほど気の合う友だちになった。
顔も知らないまま、わたしたちは文章によって出会ったのだ。
「文章から人柄がわかるから、仲良くなれるかどうかもわかるよね」と寺口さんは言う。Twitterやnoteを見ているといろんなことがわかる。
どんなことを考えているか、大事にしているものはなにか、どんなものが好きでなにが嫌いなのか。
そして、それを垂れ流していると、それに共感する人たちが集まってきてつながっていく。
文章を書くことは、コミュ障の生存戦略のひとつだ。
こちらから何もしなくても、こうして誘ってもらえるし、事前に「仲良くなれそう」がわかるから誘いやすい。
会う頻度が低くても、文章を見ているだけで仲が深まる気がするし、こちらから愛を伝えることもできる。
「平安時代みたいだね」という話をした。まさにそれだ。文章を書けば人となりを伝えられる。何もしなくても好きになってもらえる。
今はオフラインのイベントが少ないので、新しい出会いを作るのが難しい。でも、書くことでこうしてひっそりと繋がりを作っていける。
新しい輪に飛び込んでいくのがむずかしいのなら、手紙を書いて待っていよう。がんばらずに人と出会える今の時代にいれて、わたしは嬉しい。
(ちなみに毎週オフラインで会っている声優レッスンでは全然友だちができなくて笑う)
処女作『書く習慣』発売中です。
誰でもなんでもネットで自由に自分の思いを吐露できる時代。
「なにを書いたらいいのかわからない」「人に見せるのが怖い」という人に向けて、「書くことが好きになる」本を書きました。
書くことへのハードルをうんと下げて、皆さんの一歩を後押しします。
ぜひお手に取っていただけたら嬉しいです!
サポートは牛乳ぷりん貯金しましゅ