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書籍『 #書く習慣』ができるまで

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2021.08.31に発売した処女作『 #書く習慣 』。 お声がけいただいてから、実際に執筆し、みなさまに届けてから届けたあとまでのお話をまとめました。
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#文章を書く

「書くこと」を好きになりたい人のための本ができました。

あれは2020年の5月のことでした。 それまで取材にイベントに駆けまわるような日々を過ごしていた駆け出しフリーランスのわたしの生活は、外出自粛によって一変しました。 いつものように「書くべき」仕事の原稿が手元にない。突然ぽっかりと空いたスケジュールを見つめながら、ううむ、この有り余る時間をどうしようかしらと悩みました。 ずーっと家に引きこもったまま過ごす、代わり映えのない毎日。唯一の楽しみは、せいぜい凝った食事を作って食べることか、アニメや漫画などの娯楽に浸ること。

私が毎日noteを書いていないのに、毎日書いているように見られる理由

たまにTwitter上で絡んでいる人たちと会う機会があるのだが、そのときに必ず決まって言われる言葉がある。 それが、「毎日更新していて本当にすごいです!」 …という言葉。これに対してわたしは「えへへぇ」と返す。えへへぇではない。だってわたし、別に毎日更新しているわけじゃないんですよ。 特に今年の夏は書籍の執筆に追われていたので、「いや無理っす、書けないっす」と自主的におやすみをしていたし、長いときだと2週間ぐらいドロンしていたときもある。 冷静に考えて、毎日ひとつのこ

今のことを書いて、未来の自分を救おう

これはわたしが貯金が苦手だからこそ思うのかもしれないけど。 貯金をするのに有効なのは、月のはじめにあらかじめお金を引いておく方法だと思う。「あまったら貯金しよう」方式では何度か失敗したことがあるから、事前に引いておいたほうがいい。 でもそのうち、引いたことも忘れてそのままにしてしまう。 そしてある日突然、引き出しを掃除しているときに、奥のほうにしまい込んでおいた茶封筒を見つけて喜ぶ。 お金を銀行から引き出すのと、引き出しの奥からお金を見つけるの。同じ「お金を得ること」

真面目に本を執筆していた私が編集さんから言われた衝撃の一言

やっと書籍の目次が決まって、「さぁ、書こう!」となったとき。 「ゆーても書籍なわけで、TSUTAYAさんとか有隣堂さんとかに並ぶわけでしょう。じゃあしっかり書かないとダメでしょう!」 …という先入観があったので、初稿はとっても真面目な文章を書いていた。それこそツッコミどころがないくらい、キッチリしていたはず。 「です」「ます」は徹底しているし、へんちくりんな…「へんちくりん」みたいなふざけた言葉は使わないようにしていた。 帰り道にぶらぶら歩きながら更新できるお手軽no

10年前の自分のへっぽこブログから読み解く「読まれる」コツ

友だちが「10年前の自分が書いた文章と今の自分が書いた文章を比較してみる」というのをやっていたので、面白そうだと思い、10年前のブログを掘り起こしてみた。 これはひどい。 要約すると「部屋を片付けたよ!さて、マイメロは何匹いるでしょう?」という中身もクソもないブログなわけだが、このブログには賞賛ポイントが3つある。 ひとつは、「このしょうもない文章を全世界に公開した勇気」である。 しかもこの記事に限らず、当時のブログを読み返してみると全部この調子で書いている。 基本的

なぜ私はフォロワー7000人で書籍が出版できたのか。勝手に紐解いてみた

フォロワー7000人という多いんだか少ないんだかのわたしが書籍を出版するってイッツァミラクル以外の何でもないと思う。というかたぶん依頼してもらったときはもっと少なかったんじゃないかな。 もしも自分が出版社側の人間だとしたら、「フォロワー」というわかりやすい指標は、上に提案するときの材料にもなるし、ある程度は購入してもらえるという保証にもなるので、まぁまぁなフォロワー数を求めてしまう気がする。 一方で、「フォロワーが多い=いい本が書ける」というものでもない。このあたりは日頃

求めよ、さらば与えられん。本を届けるために恥を捨てたこと

さて、Amazonレビュー事件(いつまで引きずるねん)を経て、気付いたことがひとつある。 それは、本は「届けるまでが本」ということ。 わたしは、一冊の本を書き終えて「ふう!」と一息ついていたわけだが、編集者さんからの一声で目が覚めた。 「ゆぴさん、献本したい人います?」 献本……したい人ぉ…? そう、通常本というのは献本用の本というのが20冊ぐらいあるそうで、それをメディアや個人に献本して記事にしてもらったりする。 すっかりパワーを出し尽くして抜け殻になっていたわ

"愛"がある発信は無益でも受け取ってもらえる

ラブレターをもらったのでお返事を書こうと思います。えへへ。 繭さんは有益!と思える記事よりも、わたしのアニメの感想とか、私生活が垣間見える記事が好きだと言ってくれていて、そこもわたしがすごく大事にしているところだったので、今日は「"愛"のある発信」について書きます。 そもそも「愛のある発信」って何じゃらほい、ということなんだけど(笑)。要は、「この記事有益じゃろ〜」というものじゃなくて、「有益かは知らんけどわたしが書きたいんじゃ」というものです。 有益な発信は伸びます。