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F町の地下にて ♯1

 AM3:00、F町の薬局の地下。スナックやバーが立ち並ぶ、ひっそりと、しかしながら艶やかに眠らない場所。通称、『地下』。地下にいる人々は酒を酌み交わしながら非日常に浸っている。
 このエッセイは、19歳という若さでその地下に足を踏み入れ、今では頻繁に通っている彩田の日記である。

 彼がホストだと聞いた時、驚きはしなかった。安心できる笑いかたと話し方、心地よい間の取り方、あざとい、という言葉がぴたりとハマるおどけ方。全てが女心を本能的に刺激するもので、まあ何となくそのような感じの仕事をしているのだろうとは予想がついていた。

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