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【意外】就職予備校だった海外MBA

こんにちは、イギリスMBAを卒業した、みりん(@milin_study)です。
MBAってどんなところと疑問に思っている方向けに、本記事では私が感じた海外MBAスクールの印象を紹介します。
注:すべての学校が同じとは限らないのでご注意ください。

MBAはキャリアチェンジ&アップのための学校だった

最初に結論を述べます。
海外MBAスクールは就職予備校です。
少なくとも私が通った学校は。

生徒はMBAをきっかけにして、キャリアチェンジや年収アップを目指している人が多いです。

「私のように留学をきっかけに海外就職を考えている人も多いですが、昨今ビザの発給が厳しくなっているので、そのまま留学先の国にとどまったり外国で働く人はかなり少なく、多くが本国に戻って就職しています。」

学校側も、MBA修了後に生徒がどんな職業につき、どれだけ年収をアップさせることができたかをひとつの指標としているため、入学直後から就職活動を頑張れとせかされます。
週に1時間は少なくとも、就職課の授業があるほどです。

「社費留学生の多くは、この就職課の授業は欠席している人も多かったですが、多くの学生は私費留学。就職活動の話題は、常にクラスメイトの間で人気のトピックでした。」


従って、MBAで学問を究めるぞ!という意気込みで来ると、なんだ就職活動に力を入れていて俗っぽいなと違和感を感じるかもしれません。
そのぐらい、MBAでは就職活動が非常に重視されます。

毎週講義!就職活動のイロハを入学直後から教育

私もビックリしたのですが、MBAに留学したらすぐに夏休みのインターンや就職先のことを考えるよう、学校の就職課から推奨されます。
毎週のように就職活動に関するクラスがあり、英文履歴書の書き方、海外での就職活動には必須のツールLinkedInアカウント作りなどを、行いました。

さらに就職課からは、入学してすぐに志望業界の人脈作り(ネットワーキング)を始めるようにと指示されます。
ネットワーキングというとカッコいいですが、要はコネ作り。
同じ学校の卒業生などに会いに行き、その業界の動向を教えてもらったり、なんなら機会があったら社内リフェラルをお願いする、というネットワーキングをやりなさいと、MBAの期間中ずっと言われました。

「海外は日本以上のコネ社会。卒業生に会いに行って知り合いを作り、就職したい業界や企業の情報をしながらコネづくりに勤しむことになります」

とはいっても、本当にネットワーキングをやっていたのは一部の学生。
半分の学生は何もしていなかったと思います。
でも、真剣な人はやっていたので、やれば差がつく部分です。

「やり手の学生はナント入学前から、コネづくりをしていました。そのやり手の彼は、みんなが羨む一流投資銀行に就職しました」

私もネットワーキングづくりはどちらかというとやりたくない派。
誰だって、見知らぬ人に会いに行って教えて下さいって頭下げるなんてやりたくないですよね。

ですが、海外就職の夢を実現するためには仕方がないと腹をくくり、毎週金曜日は留学先の大学の卒業生に会いに行っていました。時には、アメリカまで行って、卒業生や知人に会いまくるという武者修行も行っていました。

「私のクラスメイトは私のことを「ネットワーキングの鬼」と呼んでいたようです。就職課が言っていたことを信じて、バカ正直に行動していただけですけどね」

やりすぎだったかなとは思いますが、それでも学生の頃しかできないことだったので、今となってはあのときに、色々な人と会ってお話をさせてもらって、良い経験になったと本気で思います。

さらに、卒業が近くなると、本格的な就職活動が開始。
ただでさえ大変な学校の勉強もこなしながら就職活動は大変です。
しかし、この頃になると、就職活動を優先するためグループワークには出ないという輩が出てきて、何回かチーム内で険悪な雰囲気になりました。

「しかし、就職活動はやっぱり大事。就職活動があると言われたら、やっぱりそちらを優先してと言わざるを得ませんでした」

同級生の間でも、誰がどの会社に内定したという噂がすごい速さで流れるので、私費留学生の場合は特に気持ちが落ち着かない状況が続きます。

「他のクラスメイトがA社に内定したという情報を聞くと、めちゃくちゃ気持ちが焦りました」

インターンが就職の登竜門

1年以上のプログラムの場合は、夏休み等の長期休みがあります。
その長期休みは、多くの学生は、きたる就職活動のためにインターンを行います。
インターンを行って経験を積み、本番の就職活動でアピールするネタ作り、さらにはコネ作りのためにインターンを行います。

「夏休みだからといって休んでいいのは、社費留学生だけです(笑)」

私は、留学後は海外就職を目指していたので、インターンはイギリス企業を第一志望に考えました。

私は純ドメ育ちで英語も怪しい。ですが、ここは遠慮してはいられません

「応募するのは無料です」

イギリス企業のインターン募集に手当たりしだいに応募していきました。

英語も怪しい私ですが、英文履歴書だけはネイティブチェックも済ませ、かなり磨き上げた状態でしたので、さほど経歴と離れていない場合には面接のお誘いをいただきました。

英文履歴書の書き方を紹介した記事はこちら

海外インターンの面接は、企業によって違いますが、2〜3回の面接が行われます。
最初はHRと電話面接。次にHiring Managerと電話面接。さらに、対面面接といった具合に進められました。

私は、英語が苦手だとわかっているので、電話面接の前にはある程度の原稿をまとめて電話面接に望みました、が、電話面接が通らない…。
せめて、対面ならば、ジェスチャーも交えてもっとコミュニケーションが取れるのですが、電話面接は声だけ。非常に厳しかったです。

英語が下手な私には、海外就職なんて夢のまた夢かな、と諦めかけていました。

そんな中、ある外資系企業のインターン募集を発見。
当たれば八卦ぐらいの気持ちで応募しました。
順調に書類選考を突破。さらには奇跡的に電話面接も突破!
なんと最終面接まで進むことができました。

めちゃくちゃ準備して、(要求されてもいないのに)プレゼン資料まで用意して望んだ最終面接ですが、残念ながら結果はバツ。

やっぱりダメかぁと落ち込んでいたら…

その後、個別に連絡が来て、その面接官が推薦してくださったのか、同じ外資系企業内の他のチームでインターンをしませんかという案内を頂きました。

再度、電話面接を行い、めでたく夏休みにはロンドンにあるその外資系の銀行でインターンをする機会に恵まれました。

これは私の人生で起きた奇跡のひとつです

なんとインターン期間(2ヶ月間)の給与は100万円以上。
職場の上司も親切な人が多く、他の部署の人たちも色々と親切に教えてくれて、職場のカフェテリアも美味しくて、最高でした。

「イギリス人の先輩に言われて気づいたのですが、有名企業でのインターンは履歴書にも箔がつくし、転職活動で有利だよと言われました」

はじめてのイギリスでの就労経験でしたが、思っていたよりも自分は海外で働けるなと感じました。
日本で関連した経験をしていたこともありますが、多少の英語がわからなくても、経験でその状況を理解することができたことが大きいと思います。

海外インターンを獲得したノウハウをすべて紹介した記事はこちら

やっぱり海外就職は難しかった、が…?

インターンはギリギリのところで獲得できましたが、就職活動は思っていた以上に難航しました。

留学先のイギリス、さらに交換留学でアメリカに住み、両国を比べたときにアメリカに住みたいと感じたので、アメリカでの就職に狙いを定めました。
が、コネもなく、就労ビザサポートも必要だったので、本当に難航しました。

アメリカもコネ社会であることは交換留学で学んだので、イギリスに住んでいながら、週末を利用してアメリカに何度か飛行機で飛びました。
会ったこともない大学の先輩にメールを出して、会ってくれませんかと依頼、快諾をしてくれた方に会いに行っていました。
お金も時間も投資して、アメリカでのコネづくりを必死に行っていました。
それでも、なかなか決まらない…。

履歴書はアメリカ企業50社以上に出したと思います。
しかし、面接の案内がきたのは数社だけ。
イギリスに住んでいると書かれているのが悪いのか、ビザサポートが必要だと申請したのが悪いのかはわかりませんが、本当に面接の案内さえも来ない、そんな日々でした。

もうこのまま日本に帰って、日本の外資系企業で働きながら、本社への異動を狙って海外移住を実現しようかと思っていたのですが、最後の最後に大逆転。

またも奇跡が起きました!

前職の同僚で、たまに連絡をとっていたアメリカ人の友人から、アメリカ支社でビザサポートありのポジションがある情報を入手。
履歴書を提出、電話面接を受けて合格、そのままアメリカ就職という流れになりました。

振り返ってみたら、MBAの就職課は、就職に必要な知識のトレーニングや、面接の練習、就職案件の紹介はしてくれるものの、最後は自分の努力。

特に私のように海外にコネがない場合は、どれだけ自分のプライドを捨てて、小さなチャンスを掴んでいくかが大事だと思いました。

まとめ

色々難航はしましたが、結果的には良縁に恵まれて、現在はアメリカ西海岸で働いています。
アメリカ勤務歴は約10年。いまだに英語は苦手です。
英語が苦手なのになぜ海外で働いている?と自分につっこみながら、悪戦苦闘する毎日です。

華やかにみえる海外就職ですが、実際は大変です。
所詮、海外ではマイノリティーなので、日本で感じるマジョリティ感はありません。
アメリカ人同僚たちが、スラングバリバリで冗談を言っていても、全く笑えません。(英語がわからない、もしくは英語がわかってもそのおかしさが共感できない)
たまに英語が伝わらなくて聞き返されたり、眉をひそめられたりもします。
日本語ならもっと賢く話せるぞってもどかしかったりもします。
正直、日本で働いたほうがずっと楽だと感じることもあります。

しかし、アメリカで自分の専門を極めながら、全く違う環境の中で新しい経験をすることは楽しいし、日本とは全く違う人生の過ごし方をしていると感じます。

日本では同僚との競争の中で生きていましたが、今はもっと違う視点から自分の仕事を捉えることができているし、自分がしたいことのための時間も確保することができています。

自分の中では、日本もアメリカもいいところがあるので、どちらが良いとは一概には言えませんが、あと何年かはアメリカで頑張って、将来はやっぱり自分の国「日本」に帰りたいと思っています。

海外MBAを含めた留学や留学に関する奨学金の情報を中心に記事を書いています。私の記事一覧はこちら↓


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