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さくら倶楽部を作ろうと思ったきっかけ。その2。〜浮気グセの強いポンコツが実はとんでもなくすごいやつだった〜

ここにきっかけその1を記載しているがその連載シリーズ。笑。
元旦那はんには申し訳ないが、プライドが高くてとてもじゃないけど稼ぎたいと思っててもそのメンタルでは稼げるわけないやん。


ということで、お金のことで裏切りを受けた事でもういらん。とサヨナラしたのだが。そのタイミングでタイムリーに出会ったのが、タイトルでいきなりそう呼んでしまったポンコツだった。

彼はプロのスポーツ選手だった。ある事件がっきっかけでしばらく現役を遠ざかっていたのだが、現役復帰を強烈な形でアピールして、復帰した時にスポットで参戦した試合ではとんでもない記録を叩き出し優勝した。

そして、そんな記録を持ち、ある歴史あるチームに所属していたのだが、とにかく発想と発言が人と離れすぎていたせいか、チームにはその意見を受け入れてもらえないことが多かった。

チームは歴史がありファンも多かったが、彼はチームに馴染むことがなく孤立していった。そこで精神的にも辛くなったのか彼は移籍を強く望んだのだ。その時に仕事をしていた関係で彼とは深い関わりがあり、私はそこで彼と出会った。

まあいわゆる職場恋愛みたいなもので、そこで出会った彼から相談を受け、なんとかして才能ある人を救いたいという一心で、彼を移籍させたい。なんとかしなきゃ。とその時から結構必死で移籍についてどうすれば可能なのかということを考えていたのだが。

たまたま移籍に関わることを相談した人が私がお世話になっていたコンパニオン会社のクライアントさんだったのだ。このときばかりはコンパニオンのバイトしててよかったって思った。笑。
(職歴は↑のその1シリーズに少しだけ書いているので参考にしてみてほしい。)

今はコンパニオン、とは言わずレセプタントって呼ぶそうだが、その仕事で企業のパーティーやその企業がご指名で宴会に呼んでくれていたのだ。その時の社長さんがなんと、移籍の段取りをしてくれたのだ。安易に相談した訳でもないが、タイミングを見計らって相談を持ちかけたところ、気分良く移籍についての計らいをしてくれて、移籍の話が水面下で進んだ。

そこで一つ問題が起きた。

そう、私が動いて移籍をさせることが問題だったのだ。

私は彼が所属していた歴史あるチームをサポートする会社で働いていたのだ。移籍を持ちかけた年にはその会社をやめたのだが。私が動いていることがバレたらきっとなにか大人な力が働いて移籍を阻止されるかもしれないと思った。そこで咄嗟に思いついたのが、名前をフルネーム変える作戦。笑。

そう、私は名前を変えて移籍を水面下で進めるという選択をしたのだ。

チームの移籍はとても大変なことだった。縛りがあったり、スポンサーとの関係性があったり。でもそれをすべて承諾してくれて、いざ移籍!と言うまでの交渉はすべて私が行った。彼は、というと実際に移籍をするという事自体全くはじめての事で、何もわからない状態。

当然トップ選手が移籍となると、その業界ではものすごいネタになるわけで。バレちゃいけないということでものすごく慎重に動いた。彼にはとにかく具体的な話はしなかった。話をするとそのシーズンの試合にも大きく関わるかと思ったからだ。

来シーズンに向けての移籍の話にもかかわらず、6月にはその話を進めて何度も何度も密会して交渉した。もちろん誰にも見つからないように競技場には私服で行き、時間を考えて誰にも会わない個室の居酒屋や、カラオケボックスなどでも打ち合わせした。

そして10月。シーズンが終わる頃にようやく話が進み、いざ移籍。となったときに、彼が所属してたチームとご対面することになるのだ。

そう、私が関わってきたチームだ。

私はフルネーム変えてマネージャーとしてフル回転して新しく移籍するチームの裏方さんたちとずっと面談を重ねてきた。そしてフルネーム変えていることも伝えていた。でも、仕事は仕事である、ということで彼らはそれを認めてくれて、私を彼のマネージャーとして認めてくれていたのだ。

仕事としての交渉はどんどん進み、いよいよ年俸の話になり、契約の話になった。契約の話になったときに、新しいチームから、仁義を通したいからこれまでお世話になったチームへ一緒に挨拶に行こう、という話になり、彼がこれまで所属していたチームへ私も一緒に行くことになった。

懐かしい職場に客人として行くのはなんとなく肩身が狭かったが、一緒についてきてくれる新しいチームのスタッフのメンバーとしてこれまでのチームと向かい合って座ったときのあの時の彼らの表情は未だに忘れることはない。

お前・・この野郎裏切りやがって・・という表情で思いっきり睨み倒された。私は物怖じすることは無かった。彼が移籍することで自分の居場所を見つけられる、と思っていることや、私がこれから現場に同行することができるようになる事で仕事がスムーズに進み、試合に集中できるようになると思ってくれていたからだ。

それはそれはすごい罵倒も浴びたし、未だにそこは出禁ではあるが、私の今の生活に支障をきたしている訳ではないので、それはそれで今でも後悔はしていない。

今振り返るとよくそんな大きな仕事をしたなあと思う。

生まれて初めて「愛してる」という言葉を彼から言われ、その言葉で彼のために。というやる気スイッチが入ってしまったからだと思う。やる気スイッチ、恋愛スイッチじゃなく仕事で入っちゃったっていうのがこれまた私らしい。

この移籍、歴史的な移籍だったと今でも言われている。

その業界では長嶋茂雄が阪神に移籍するくらい大変なことだったのだ。

まずありえない、ということはほんのちょっとしたことで起こる。

そんな経験をさせてもらい、とても大きな仕事を任された事で、此処から先私の人生がもっと大きく変わったのだ。まさかこの移籍を機に自分が世界中を回ることになったり、会社の役員をしたりすることになるとは思いもしなかったのだ。

彼は競技上、でたくさんの歴史を塗り替えるくらいすごい人だった。

が、ただひとつポンコツ。と私が呼ぶには理由がある。

そう、彼は女癖が劇的に悪かったのだ。

それさえクリアしていれば、、いや、もしかしたら私がもっと器が大きければあんなことにはならなかったのかもしれない。

その続きはここに記載してみた。なかなかの読み応えw





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