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李家に生まれて #6

割引あり

学校のテストは100点を取らなければならない
男に負けるな
食事はできるだけ早く食べろ
学校から帰ったら遊びに行ってはいけない
友達のお家にお呼ばれしても断るべし
20時からは机に向かわないといけない
一度の説明で理解できないといけない
友達はいない、競争相手と思え
勉強以外のことはしなくていい
嘘はつかない
感情が昂っても泣いてはいけない

これが当時の親から言われた言葉の一部。
暴力はもちろん、外に強制的に出されたこともある。
小学校時代、生存の危機が常にあった。
手を上げられることがしばしばだったので、
受験が終わっても、父が腕を上げるしぐさをすると
私はびくっとする反応が続いた。一種のトラウマだ。

勉強へのモチベーションがすでに低下していた私に
さらに追い討ちだったのは
中学受験で失敗したらパン屋で働け
という通告だった。
勉強しないのであれば手に職をつけ、ということらしい。
当時の私には義務で行けるはずの中学にも普通に行けないのか
という恐怖でしかなかった。

無力、この理不尽に従うしかない。
愛情とはひとかけらも思えなくなっていた。
ただただひたすらに受験本番まで勉強した。

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