関西圏の幹線道路を地図上でなぞってみた
以前、東京圏の鉄道網を地図に書き込んでみるという記事を投稿した。
JR山手線や中央本線、京急線など個々の路線の名前を聞いたことはあっても、それらが全体でどのように展開しているのか、いまいちイメージがつかかった。
地図に鉄道路線を書き込んで一望してみると、いろいろ気づくことがあった。それについては、上記の記事を参照していただきたい。
鉄道網と来れば、今度は道路網がどのように広がっているのか、気になってくる。そこでまた、地図上でなぞってみることにした。
今回は、僕の出身でもある関西地方を主に取り上げた。使用する地図は前回と同じく、国土地理院の20万分の1地勢図である。
上の図は、大阪湾とその周辺である。
赤い線は高速道路、青い線は一般道路を表している。一般道路は基本的に国道を取り上げたが、一部、府道や県道(旧国道1号、京都外環状線、阪奈道路など)も対象にしている。
また、20万分の1地勢図の多くは、2012年前後に発行されている。それ以降も、道路は当然ながらつくられている。たとえば、新名神高速道路の神戸ジャンクション〜高槻ジャンクション間は、2018年3月に開通している。
【参考】NEXCO西日本 | E1A 新名神高速道路 | 道路の概要
こうした新しい道路は20万分の1地勢図には反映されていないため、自分で一つずつ調べて地図に書き足していった。
なお、僕は道路マニアではないので、道路の種別の厳密な区別はしていない。本記事でいう「幹線道路」についても、何となく交通量の多そうな道路、その地域のメインストリートっぽいものという、ふわっとした意味で使っている。その辺はご了承いただきたい。
こちらは、大阪の幹線道路である。
大阪には内環状線(国道479号)、中央環状線(府道2号)、外環状線(国道170号、171号)といった道路が走っている。これらは概略図などで見たことはあるのだが、その規模については、概略図ではピンと来なかった。しかし、こうして地形図でなぞっていくと、実際の位置関係や距離感がはっきりとわかる。
阪神高速1号環状線の規模が、思ったほど大きくないというのも、新たな発見だ。
こちらは、淡路島の部分を拡大したもの。
淡路島は全体的に平地が少ないせいか、島の幹線道路である国道28号や県道31号は、海岸沿いを走っている。島の南西部には平野があるため、両者は途中から内陸に入り、平野で合流する。
神戸淡路鳴門自動車道は、緩やかなカーブを描きながら、島の内陸を縦断している。
こちらは、大阪府北部~京都府南部~滋賀県南部にかけての部分。
名神高速、新名神高速、中国自動車道、京滋バイパス、第二京阪道路といった主要な高速道路が通る。
こちらは、大阪~名古屋間の幹線道路である。鈴鹿山脈をどう越えるかで、それぞれルートが分かれている。主なものとしては、関ヶ原経由と亀山経由がある(上の地図では関ヶ原方面は見切れているので、あしからず)。
関ヶ原経由:国道8号~国道21号
亀山経由:国道1号、名阪国道(国道25号)
鈴鹿山脈を超える主要なルートは、この二つのようだ。鈴鹿山脈は全体的に険しい山脈だが、関ヶ原と亀山の二ヶ所は比較的通り抜けやすいのだろうか。名神高速や新名神高速も、これらのルートをほぼ踏襲している。
他にも、国道421号(近江八幡~桑名間)のような、鈴鹿山脈を真横に突っ切る道路があるが、メインのルートではなさそうだ。
余談だが、「三重県は近畿なのか東海なのか?」というのをたまに耳にする。こういう話は、都道府県の枠組みで考えるから出てくるように思える。
地形図で見る限り、三重県は鈴鹿山脈で東西に分割した方が良いのではという気がする。この山脈を境にして文化圏も分かれているように見える。
あくまで地図上での話であるが。
おわりに
今回は、主に関西圏の幹線道路を地図上でなぞってみた。
前回の記事でも触れたが、地図は自分で手を動かしていろいろ書き込んでみると、格段に面白くなる。
紙の地図への書き込みは地味に面倒で、根気のいる作業である。一方で紙の場合は、地図同士を繋ぎ合わせていけば、縮尺を変えずに広範囲を一望することができる。この爽快感は、ネットの地図では決して味わえないものだ。
今回は関西圏の道路を取り上げたが、東京圏の道路についても、いずれ地図上でなぞっていきたい。鉄道網はずいぶんと複雑な姿を見せてくれたが、道路網の方は果たしてどうだろうか。