ギフテッドの苦悩?
「孤独を感じませんか?周りと話が合わなくて。」
とある利用者さんに、そう質問したことがあります。彼は、天才的なコーディングの才能をお持ちで、初めて受験したTOEICのテストで800点台を記録した、規格外の能力者です。
いわゆる「ギフテッド」だと思っています。
そんな彼は、読書家です。精神分析入門や、イタリアの精神科病棟を
廃止したバザーリアについての伝記など、専門家である僕も教えられることがある、とても物知りな一面もお持ちです。
その豊富な知識、複雑でいて鮮やかな論理展開。独創的な発想。これは常人では話を理解するのが難しいと思って、目を丸くして傾聴させていただいています。
彼もまた、僕にとっては先生です。
僕にとって人生のバイブル、「ジョジョの奇妙な冒険」から、主人公”ジョニィ・ジョースター”を導いた先生、ジャイロ・ツェペリ。彼の最後のレッスン。その本質は「遠回りこそ近道」でした。
そんな彼は、先日、僕たちの施設を卒業されました。
最後に、彼=先生に、レッスンを受けました。
「孤独を感じませんか?周りと話が合わなくて。」
僕は、孤独感の強い人間です。視点が独特で、難しい言葉を使う傾向がある。複雑な論理を展開したいし、それは鮮やかでありたい。
1年2か月、憧れ続けた僕の先生に、最後のレッスンとして、質問しました。
「本を読んでいると、対話をしている気がするんですよ」
…なるほど!
確かに、本は素晴らしい。
”京極夏彦”の『絡新婦の理』で、女を知り、
”スティーヴン・キング”の『ショーシャンクの空に』で希望を学び、
”横溝正史”の『八墓村』で、底知れない人間の悪意に気づき、
”ジョジョの奇妙な冒険”で、覚悟と納得を心で理解しました。
先生、いつか、教えてください。
今、あなたは、何を見ていますか?
どこで、何をしていますか?
とても興味があります。
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