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モーゼスおばあさんの愛した世界
東京・世田谷美術館にて開催中の、グランマ・モーゼス展へ行ってきました。
長い間、農家の家庭を切り盛りしてきた主婦が絵を描き始め、80歳のときに 初めて個展を開いた・・・
そんなグランマ・モーゼスってどんな人なのだろう、どんな絵を描いていたのだろう、と以前から気になっていました。
そしたら偶然にもnoteのおすすめに、展覧会のレポートを書かれた記事が出てきて、拝見した後にこれはもう行くしかない!と即座に決めたのでした。
美術館までの道中や近くの公園でのことも交えて、展覧会へ足を運んだ日のことを綴ってみたいと思います。
いらか道を歩く
東急田園都市線・用賀駅から世田谷美術館までは徒歩で20分ほどです。Googleマップで見た感じですと、首都高沿いに歩いていけば分かりやすそうだなあと思っていました。(ほぼまっすぐ進んで右折するだけ)
でしたが、改札を出ると美術館への道しるべが立っていて、その矢印に従いキョロキョロしながら歩いていると、いらか道という小路に導かれていました。
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紅葉した色鮮やかな並木と、道端の細流に架かるアーチ形の石橋は、どこか京都を彷彿とさせました。足元に目を向けると、所々に和歌が刻まれています。
![画像4](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/67038944/picture_pc_2266b08bc2a8c8d48cd995e32e045993.jpg?width=1200)
細やかで手の込んだ道のおかげで、駅からそこそこの距離がありましたが、楽しみながらあっという間に美術館へ到着したのでした。
たまにはアナログ頼りに歩くのもいいものですね😊
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グランマ・モーゼス展 素敵な100年人生
美術館がある公園の門をくぐると、大きなイチョウの木々が出迎えてくれました。
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![画像8](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/67039391/picture_pc_e6559620e18921d4a501bf04e3cc0d90.jpg?width=1200)
チケットは事前にオンラインで購入しました。当日券もありましたが、時間帯ごとに人数制限が設けられているようでしたので、人数オーバーだとすぐに入れない可能性も。予め購入しておいたほうが確実ですね。
受付にてバーコードを読み取ってもらい、いざ展示場へ参ります。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/67038404/picture_pc_1d9f1c9f92d5b6b60925b78f72f5eae9.jpg?width=1200)
少し明かりが落とされた展示場内は、静かでゆったりとした時間が流れていて、訪れた人は思い思いに作品の世界を楽しんでいるようでした。
展示場は大きく4つのブースに分かれていて
第1章 アンナ・メアリー・ロバートソン・モーゼス
第2章 仕事と幸せと
第3章 季節ごとのお祝い
第4章 美しき世界
第1章はグランマ・モーゼスと縁のある場所を描いた油絵や、絵画を始める前から得意としていた刺繍絵が、それに続く第2章には季節ごとの収穫、結婚式といった、家族や村の人々との素朴な暮らしを描いた絵が展示されています。
第3章では2月頃に始まる砂糖づくり(シュガリング・オフ)や5月のピクニック、ハロウィンにクリスマスにと村の人々とともに祝う季節の行事を描いた作品が、最後の「美しき世界」では、モーゼスが最も大切にしていた自然をテーマにした作品を見ることができます。
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写真は展覧会のチラシから
拝借しています
1860年、ニューヨーク東部に生まれ、長きにわたり農家の主婦として家庭を切り盛りしてきました。70代になり、病気によってそれまで得意としていた刺繍絵が上手くいかなくなったあと、絵を描き始めます。その作品がコレクターの目にとまり、80歳で初の個展を開催。国内外で人気の作家となり、亡くなる数か月前まで筆をとり続け、101歳で生涯の幕を閉じました。
自然とともにある暮らしを描いた数々の作品は牧歌的で、あたたかみを感じました。それと同時に、便利さと引き換えになくなってしまった世界が絵の中にはあり、どこか遠いおとぎ話のようにも見えました。
季節の行事や休日の教会で人々が集うとき、再会を喜び、それまでのニュースを話しながら楽しい時をすごしたそうです。現代と違い、再会までの間にスマホやPCで連絡を取ることもできなかったので、久しぶりに会って顔を合わせるということの喜びは大きなものだったのではないかと思います。
でもよく考えると、このご時世で人との接触が隔たれたことにより、当時のような直接顔を合わせて再会したときの喜びというものを、もしかしたら、少し取り戻しているのかもしれません。
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砂糖づくりをしているところ
自然豊かな場所を訪れると癒されたり、どこか懐かしい気持ちになります。自分が田舎で育ったのもあるかと思いますが、遠い昔、こうして自然とともに生きてきたご先祖様の記憶が残っているからなのではないか・・なんて。
こうした時代から文明が発達し、便利な生活へと移ろいゆく中でグランマ・モーゼスが描き続けた美しいもの、大切にしたい古き良き光景はこうして現代に繋げられて、本来あった人々の姿を教えてくれました。
砧公園 枯葉舞い、木漏れ日が差す
気づいたら入場してから2時間以上も過ぎていました・・。絵の世界の余韻に浸りつつ、世田谷美術館がある砧公園の中を散策してみることにしました。
きぬたって後ろから読んだらたぬきになる~!なんて考えていたら、「きぬた焼き」という、たぬきの焼き印が入った今川焼きが売られていることを、後から知りました。笑
次に行く機会があれば食べてみたいです✨
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美術館から外へ出ると、どこかから弦楽器の音色が聞こえてきました。あたりを見渡してみると、大きなイチョウの木の下でバイオリンの練習をしている方がいらっしゃいました。
イチョウの葉が舞い落ちる中で奏でられる、のびやかなバイオリンの音色。
なんだかもう、胸がいっぱいになってしまいました。なんという、心揺さぶられる光景・・・。
素晴らしいひとときをありがとうございました…✨
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おひさまの光に照らされたイチョウの木々。その一帯は黄金色に輝き、神々しい雰囲気を醸し出す。
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風が吹くとともに、あたりの木々から一斉に舞い落ちる枯れ葉。風の流れにそってすーっと落ちたり、左右に揺られながら緩やかに降下していったり。中には渦を巻くようにくるくると舞い落ちる葉も。
こんなふうにモーゼスおばあさんも、季節ごとに見せる自然の美しさを味わい、移ろいゆく繊細な姿を刮目して絵に残してきたのかなぁ・・と、モーゼスおばあさんが見ていた世界をほんの少し、追体験した気分になりました。
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記念にポストカードを何枚か購入しました。
こちらはいつか、Postcrossingでアート好きな方に当たったときに差し上げたいなと思います😊
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