星純平\みこと治療院

私、星純平が、みこと治療院を営みつつ、人生のさ中で感じたことを忘れないように雑記してい…

星純平\みこと治療院

私、星純平が、みこと治療院を営みつつ、人生のさ中で感じたことを忘れないように雑記しています。私自身、中途失明で全く目が見えませんので、お読みいただく際には、著述の誤字脱字はどうかご容赦ください。よろしくお願いいたします。

最近の記事

じゃがいも掘り

早朝4時半。体を屈めて両手で土を掘り返す。大証様々なじゃがいもが転がり出てきた。大きいものなら、それは茎の周囲で、すでに土から飛び出しているものもあった。じゃがいもの収穫は、まず初めにじゃがいもの茎を引き抜く。茎だけが抜けてしまうようなその土の中からは大きなじゃがいもが収穫できる。茎にいくつかのじゃがいもが付いているようならそこから収穫できるじゃがいもは小ぶりのようだ。同じ土で育てられたじゃがいもなのにどうしてこうまで違うのだろう。種芋が違うものだったのだろうか。中には育って

    • さくらんぼ狩り

      『やまこう紺野果樹園』(福島市飯坂)で、こうして行うサクランボ狩りは、友人知人で集う恒例年行事になった。今年で5度目になる。2020年、コロナウイルス感染防止対策でさくらんぼ狩りに観光客が呼べない事態に。果樹園にとっては死活問題だった。少なくとも、そんな知人の果樹園を仲間たちで何とかしようと始めたさくらんぼ狩りだった。「昨年の猛暑の影響で、今年のさくらんぼは小さいですが、その分甘さは濃いですから、ご賞味ください。」との園主さんからのご挨拶でいよいよ狩り開始。参加者は目移りしな

      • 奇妙な49歳の誕生日 日本代表の一人として

        今日5月29日は僕の誕生日。親や友や妻に感謝したい。それこそ心から。49歳になった。にもなってしまったと自嘲したくもなる年齢でもある。一方で正直言って驚きでもある誕生日になった。この日僕は、羽田空港から飛び立つ。それは、アジア トライアスロン パラ選手権の日本代表の一人として、レースが行われるフィリピンのスービックに向かう事になったからだ。全く奇妙な話しだ。中途で失明し、10年もの間心を閉ざした。引き籠ったと言った方が分かりやすいかもしれない。そんな僕の姿を見かねて盲人マラソ

        • コー茶

          ゴールデンウィーク前だと言うのに真夏日に迫る暑さが続いている。地球の環境変化と一言で片付けてしまえばそうなのかもしれない。地球誕生は45億年前だと言う。人類史は高々2千年を超えたあたり。ここ数十年は温暖化が懸念されているが、地球が凍り付いてしまった時期もあった。とは言え、地球を好き勝手にほじくり返したり積み上げたり、得体のしれない物を空に吐き出したり海にたれ流したり、感心できない看過できない事を人類が行っているのは確かだ。謙虚懸命に人類は生きなければならない。 僕の住む福島県

          サッカー台

          レジで支払いを済ませサッカー台に買い物かごを運んでいく。このサッカー(sacker)とは、スーパーマーケットで客が購入した商品を袋に詰める係りの店員の事だ。今の僕の場合、サッカー台で客自身でサッカーを行っていると言うことになる。あまり考えたことがなかったが、名店で買い物をすると確かに商品が綺麗に収められた袋の取っ手のところを差し出される。客はそこを握って商品を持ち帰るだけでいい。これがサービスの妙と言うところか。 買い物したものはバックパックに入れることが当たり前になった。調

          馬刺し

          「駅のスーパーマーケットはわかるよね。」と、渡辺さんがおもむろに切り出してきた。「西口のですよね。」 僕は答えた。そのスーパーマーケットには僕の妻が勤めていたこともあるから、知っているなどと言うよりも聞かなくてもいいこと知らなくてもいいことまで妻から聞かされていた。働かない同僚やわがままな客。どこにだって気の合わない人はいるし、そんな憤懣はお互いに抱いているのに違いない。だから僕の妻が憤懣を抱いたなら妻に対して憤懣を抱いている人がいると思っておいて間違いないはずだ。完璧な人な

          左右のサイズが違うランニングシューズ

          もう何度目かになる。昨年暮れ、福島市にある『小児難病とその家族を支援する施設『パンダハウス』で施設の清掃と花壇の手入れなどのボランティアをさせてもらった。そこは主に、福島医科大学病院の小児科に入通院する子とその家族とが利用している。先の見えない闘病。それは過酷な砂漠に家族ごと放り出されたかのような孤独と苛立ちと無力感を乱暴に抱かされるようなものではないだろうか。このパンダハウスとは、そのさ中に現れるオアシスのような施設だ。中途で失明した僕にとって、そこへと思いが傾かない訳がな

          左右のサイズが違うランニングシューズ

          エイプリルフール

          エイプリルフールとは、毎年4月1日に嘘をついても良いという風習のこと。イギリスではオークアップルデーに倣い、嘘をつけるのは正午までとされているが、それ以外の地域ではその日一日とされている。僕もこれまで、友人らからの「嘘!?」との反応を楽しむためにくだらない嘘をひねり出してきた。有名人が治療の予約を入れたとか宝くじが当たったとか。それを「嘘!?」と笑い合える関係は尊い。あまりにもリアルに過ぎる嘘もナンセンスだし、必ず、誰も傷つけず損をしない、それは嘘でなければならない。 僕も歳