エイプリルフール
エイプリルフールとは、毎年4月1日に嘘をついても良いという風習のこと。イギリスではオークアップルデーに倣い、嘘をつけるのは正午までとされているが、それ以外の地域ではその日一日とされている。僕もこれまで、友人らからの「嘘!?」との反応を楽しむためにくだらない嘘をひねり出してきた。有名人が治療の予約を入れたとか宝くじが当たったとか。それを「嘘!?」と笑い合える関係は尊い。あまりにもリアルに過ぎる嘘もナンセンスだし、必ず、誰も傷つけず損をしない、それは嘘でなければならない。
僕も歳を重ねれば当然僕の周囲の友人や人々も歳を重ねている。気が付けば思いもよらないほど頑固になってしまった人もいて、冗談を楽しむのにも気を遣うようになった。それこそ嘘であって欲しいと思いたくなるぐらい、話すことすら難しくなるほど人が変わってしまったと残念に思う会話もでてきた。こういう僕もまた頑固になったと言うことでもある。これは嘘であって欲しいが、自分の頑固さを認めない訳には行かない言動行動は増えている。やれやれ。
何はともあれ今日はエイプリルフール。利用しない手はない。次は365日後になってしまうのだ。そこで僕はこう考えた。僕が僕に嘘をつけばいいのだと。
今日はエイプリルフールでもあるが年度初めでもある。今年の元旦は能登半島地震が発生し、目標や願望を立て抱くことを行えなかった。利己を抑え利他を膨らませなければと思った。結局は無力感しか覚えることはできなかったのだが。そこで改めて、残り9か月ではあるが、今年の目標や願望を立て抱きたいと思う。今日一日をかけて。そしてそれがエイプリルフールに立て抱いたものであるなら、それが果たせず叶えられなかったとしても、僕が僕に嘘をついただけのことだったと言い訳が立つ。嘘と言い訳ができる目標や願望なら少しぐらい大きなものであってもいいのではないだろうかと思える。嘘と可能性は同義なのかもしれない。何だか愉快だ。嘘から出た実が違った意味を僕に与えてくる。僕にとってエイプリルフールがここにきてとても愉快な一日に思えて仕方がない。これは本当だ。
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