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心のバリアをフリーにすること

昨日はLAMP5日目。ミャンマープログラムの最終日でした。
社会起業家3名から出されたミッションに各チームに分かれて挑む、その成果を見せる日。

このプログラムは、日本・ミャンマー・バングラデシュの若者が参加し、共に各国を巡りながら社会課題の本質に触れ、共に《Learn Make Act》していくプログラムです。

このLAMPになぜ、日本人だけではなく、ミャンマーそしてバングラデシュの3カ国の若者が参加しているのか、そこには協働によって新しい何かを生まなければならないという課題があるからだと私は思っています。

社会課題はとても複雑で、1つの側面からだけでは解決ができないことは自明のことかと思います。国籍はもちろん、生まれ育った背景が、バックグラウンドが全く異なる人たちが本当の「仲間」として一つの課題に向かったら、どんな化学反応が起こるんだろう。そんな風にわくわくしてこのプログラムに参加しました。

チームメンバー、中原さん(中央)と


一つ、このプログラムの生まれた背景には「ロヒンギャ問題」というとてもセンシティブな課題があります。

これはミャンマーだけの問題でも、バングラデシュだけの課題でもなく、日本を含む全世界が目を背けてはならない問題です。これはプログラム中にある教授がおっしゃっていた言葉です。
ミャンマーとバングラデシュの国境沿いに国籍を持たずして迫害されている人々が今この瞬間も70万人を超えると言われています。

私にはその問題を語るにはどうしても知識が乏しすぎる。ここでは、ロヒンギャ問題を語るのではなく、私がこの問題を決して他人事ではないと思えた時のことを書きたいなと思います。
そしてこれは、新しい時代が幕を開けた今日という日に考えたいことでもあります。

新しい時代に考えたいこと

あるミャンマー人の参加者が「ロヒンギャの人々に対するイメージが全く変わった」と言っていました。
あるバングラデシュ人の参加者は「ミャンマーに対するイメージは偏っていて、ここに来たことで間違っていたとわかった」と言っていました。

こんなことは、きっと誰にでも起こりうると思います。
「中国人は声が大きくて目障りだ。無礼だし、好きか嫌いかって言われたら、決して好きとは言えないな」
「日本の若者は韓国の文化が大好きだけれど、韓国は日本を恨んでいるだろう。自分が嫌われているのに、そんな相手を好きにはなれないや」

でも、中国人の大好きな友達ができたことで自分はなんて偏った硬い頭を持っていたのだろうと気がつきました。
学生寮で中国人のルームメイトと出会って、彼女は私の中国への偏見を180度変えてくれました。彼女はとても親切で、礼儀正しくて、可愛くて、そしてとても真面目で。尊敬する友人の一人です。
ヨーロッパから帰る飛行機の中で韓国人の女性と仲良くなりました。こんなにも日本を好いてくれている韓国人もいるんだと知って、私が簡単にマスコミに流されていたことを恥じました。「私、日本が大好きなの。日本人の女性って個性を大事にする格好をしていておしゃれよね。日本人の男性もかっこいいわ。でも今度スウェーデン人と結婚するんだけどね。笑」なんて。

私には無意識の差別意識があったことを知りました。
私はステレオタイプに囚われて相手を個として見れていない時があることに気がつきました。

無意識の差別感情がどれだけ酷い人道危機を招いてしまうのか、私たちは知っているはずです。それでも歴史は繰り返されている、そのことを認めなければならないと思うのです。そして、歴史を繰り返さないために教え伝えていかなければいけないと思うのです。

私は、ミャンマーに対してもバングラデシュに対しても、否定的なイメージを持ったことはありません。そもそもどちらの国も、「よく知らない国」でしかなかったのかもしれません。よく知らない国の、よく知らない話を自分事化するのはとても難しい。それでも、ロヒンギャの問題も、同じ「無意識の差別感情」から来ていると思います。
先月行ったアウシュビッツで見たあの歴史と、私は全く同じだと思うのです。

本当のバリアフリーは人の心のなか。
バリアフリーとは、階段をなくすことではなく、階段を上がろうとしているけれど上がれない人に手を差し伸べることだと思います。
見ないふり、気づかないふりが得意すぎる私たち。
世界のどこかで起こっている問題を、自分の足元にある課題を、見ないふり、気づかないふりをしないで生きていきたいと思います。


私の生まれた平成の時代が終わり、いよいよ令和の時代が明けました。新しい時代を生きる私たちがこれから直面する社会は、どうなるのでしょう。

平成という時代が沢山の困難に直面しながらも、戦争のない平和な時代だったことに感謝したいです。そして、どうか新しい時代が美しい調和を奏でる時代でありますように。

Happy New Era, 令和!

team LAMP

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