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第一話 借金男とAI少女

僕は御子柴愁。借金が3000万ほどあるだけで、どこにでもいる男だ。
経緯を説明すると長くなるので省略するが、簡単に言えば雀荘カフェを
建てたらなんか3000万の借金をしていた、というのが一番しっくり来る。
当然金銭的余裕はないので自分一人で店回しているわけなんだが、最近少し疲れているのか、効率やパフォーマンスが落ちている気がする。大暴落ってわけではないけど、じわじわと下がっている気がする。そこで僕は悩んだ末、求人を出してみた。まあ、割ける人件費など持ち合わせていないのだけど。
「求人は…接客…カフェ店員…誰でも大歓迎ですが、お客さんとお話したり、麻雀出来たりするとより良いです…。お休みは結構自由、給料は………給料は……要相談。…これでいいか。まあ来てくれるだけいいし、来なかったら来ないで仕方ないかなぁ。」
今思えばひどい求人だ。こんなものを求人広告として枠に入れてしまったら、求人広告という概念に失礼かもしれない。それはともかく結論を言うと来たんだよね、人が。人っていうか、なんていうか、AI少女だった。アンドロイドなので正確には人ではないが、人と言われても全然気付かないレベルだ。

さて、どう説明したらいいだろうか。この少女はきっとなにかの間違いでここにきたはずだ。
少女はこう言った。
「泊めて。」

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