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【洗脳理論】洗脳文章術の核心について

 さて、段々と終りが近づいてきました講評の洗脳文章術ですが、今回は理論面を解説しましょう。そして合わせて前回予告したビジネスにも使える例を説明して、なぜ洗脳文章術が厳しい結果を求められるビジネスの世界でも有効なのか、いや、厳しい結果を求められるからこそ切り札となるのかを説明いたします。

洗脳文章術の本質は「新しい自分」を発見・手に入れることである


 大切な部分なのであえて迂回路から攻めてみます。

 マイホームを買う人はなぜ数千万から数億円という物件を、一生のローンで買うのでしょうか。

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 住めば都と言いますが、雨露を凌ぐだけだったら普通の家でいいわけですし、いろんな計算方法がありますが結局賃貸マンションの方が資産形成的にもお得だという説もあります。

 それでもサラリーマンの一生の夢としての一戸建てマイホームという神話は崩れません。

 これはつまり、家を買う人は「住む場所」を買っているのではないということを意味します。

 そうではなくて、憧れの田園調布や松濤、関西で言えば奥六甲あたりの閑寂な住宅街のコミュニティーの一員として住む。そして、上モノは必要にして十分な贅沢な広さを持っている。

 衣食住を満たす場所としては、豪華なマイホームはいらないはずですが、それでもマイホーム神話が崩れないのは、「住む場所」を買っているのではなくて、バラ色の「夢」「自分の未来」を買っているわけですね。

 良い家を手に入れると、なんだか自分の人生のステージが上がりそうな気がする、家族との時間がもっと充実したものになる、そういう思い、つまり「夢」「自分の未来」を買っているのです。

ビジネスで洗脳文章術を使うには特に「新しい自分」を意識させる


 上の住宅の例をビジネスに応用すれば、住宅のセールスマンは家のスペックをくどくどと説明してはいけないということが分かります。ハウスダストがどうの、地震強度がどうの、新素材の断熱素材がどうの、これらについえ、その家がいかにスペック的に優れているのかの説明は、はっきり言って余計なことなのです。

 そうではなく、住宅のセールスマンは新築マンションを購入したいと思っているサラリーマンに対してこういう洗脳をしないといけません。

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■ハウスダストはスペックを語るな、誰かの変化した将来を語れ

 お子様が喘息だとお聞きしました。この家であればお子様の健康面での将来もぐっと改善していくと思います。


■地震強度は耐震性能を語るな、人身と資産の安全性が手に入ることを語れ

 南海トラフ巨大地震については当然お考えだと思いますが、当物件はまさに南海トラフ巨大地震を想定してそれでも耐えうる強度を第一に考えられていますので、今住んでいる箇所よりも遥かにご家族の安全性が確保され、建物が倒壊することもほとんどないと断言できますので、せっかく手に入れた資産が将突然ゼロになってしまうこともないと自信を持って言えます。


■新素材の断熱性能を語るな、断熱性能の高さで家計が楽になることを語れ

 このマンションは、新素材の断熱性能を持った素材を壁から天井床までふんだんに使っており、結露が一切生じませんし防虫効果が抜群ですので内装の痛みが何十年断っても出てきませんので、一度購入すればリフォームがまったく必要ありません。

 また、エアコンを入れた時に効き目が抜群なので、夏も冬も光熱費がほとんどかかりませんので、広さは現在の二倍になりますが月々の出費が現在よりも約半分で済みます。

 さらに新素材は防音性にも優れていますので、現在アパートの騒音でご主人さまが悩まされている問題も一気に解決します。また、これからお子様が成長するにつれて屋内で飛び回っても、アパート住まいのときのように下の階からクレームが入ることもまったくありません。

 

 いかがですか。すべて、性能を語っているように見えてカタログに乗っているような性能については一つも語っていません。現状に比べて未来がいかに変わるか、それをイメージ豊かに語っているのです。

 人は、スペックでは洗脳されません。人がセールスマンに洗脳されるのは「新しい自分」を見せられたときなのです。


これまでの洗脳文章術はつねに「新しい自分」を語っていた

 では、これまでの復習をしてみましょう。そこでは実は、常に「新しい自分」が語られていました。だからこそ、登場人物はことごとく洗脳文章術によって洗脳されたのです。

【みこちゃん文章術三段論法】(洗脳バージョン)
大前提:社会人は忙しい
小前提:私は社会人である
結論:にもかかわらず私は忙しくない

⇒「え!なんでなん@@」サボるコツでも知ってるの?

 社会人なのに忙しくない!この話を聞けばその魔法が自分にも手に入るのか?そのヒントがつかめるのか?と期待をさせて洗脳を始めます。


「ねえ、これからどうする。食事をするか、先に海を見に行くか」
「うーん、どっちがいいかしら」
「最初にさくっと早めの食事にすれば、車を飛ばして後で港で夜景が見れるよ」
「最初に海に行けば、後で落ち着いて豪華なコース料理でも食べられるね」「いずれにしても君の思う通りにするよ」
「なんだったら、海の夜景が見えるホテルのラウンジで食事もいいね…。予約を入れようか」

 選択肢という現在を料理して、まったく新しいこれから始まる夕方の未来を予感させることで洗脳しています。

「本当のお前は思いやりのない子なんかじゃない。今はうれしくてたくさん注文して、たまたまお腹がいっぱいなだけだ。その証拠にお前はこの間、学校でいじめられている友達を助けてあげたじゃないか」

 本来の自分、本当の自分という、誤解された偽物の自分ではなく、新しい真実の自分を手に入れられたから、子供は洗脳によって機嫌が直ったのです。


⇒学力がないと言うよりは、負け癖が付きすぎていて勉強ができない受験生にカリスマ塾講師が洗脳する

「たとえ最初は何もできない状態だったとしても、私が必ず灘中学に合格させてみせるつもりだ」

 これもずばり、難関中学に合格させるという新しい自分を手に入れることを予感させて洗脳しています。


彼氏もまたゴルフの練習がもっと楽しくなり、しめしめみこちゃんをゴルフ信者にしたぞと上機嫌で「そろそろコース大丈夫だから連れて行ってあげるよ」とか言うでしょう。

 もちろんこの時のセリフは「ええ!?コースなんて私が出てもいいのかな(できるかな)」です。

 彼女のゴルフコースデビューで、ますます彼女が自分の好きな、得意なゴルフにハマることは間違いなし。コースで華やかにプレーする自分をもっともっとかっこいいな、と尊敬するだろうしデートコースにゴルフ場が加わるという未来が手に入りますね。

 すべて、洗脳する側は限りない、そしてさりげない愛を以て人を「新しい自分」へと導いていっていますね。

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【まとめ】人は論証では説得されず、洗脳のすべては変化した自分に関係する


 現状困っている人、現状に満足していない人、現状の理不尽な誤解や境遇に苦しんでいる人。いますよね、あたなの周りにも。

 その人を手を引いて、一緒に未来へと誘い、新しい自分を見せてあげること。これが洗脳文章術の本質です。

 そして手を引いた自分も一緒に成長して変わっていく。これが、みこちゃんのいう洗脳文章術の本質なのでした。

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洗脳文章術シリーズ


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