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【良い小説良い哲学】~「良い小説」と「いい話」を峻別しよう党

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いい話が世の中溢れています。それはとても良いことだと思います。でもいい話と良い小説は違うのです。いい話は勧善懲悪の水戸黄門です。小説とは美を表現するもの。きれいな小説でもない。じ…
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#短編小説

【短編】しろいくすり

「あれ? まだ飲んでないの? 早く飲みなさい」  食後のお茶だけが残されたテーブルの上に…

ふくりと
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【短編】 あかいくすり

 みんな出かけてしまって誰もいないリビングに入った僕は、いつものようにローテーブルの上に…

ふくりと
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【ホラー短編】妻の呼び声

僕の妻はとても愛らしい習慣を持っていた。 夜、寝る時には必ず 「寝ますよあなた。こちらへ…

【短編小説】友達について真面目に考えてみた 第15話(最終回)

   第15話  昼休みのあと、五、六時間目はやたらと長かった。いつもなら腹がいっぱいで眠…

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【短編小説】友達について真面目に考えてみた 第1話

   第1話   「真の友達というものを作ってみようと思うのだ」  佐々木がそう言ったのは…

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迷ったら、観覧車に乗って。

あらすじ  水を張ったボウルの中でブリのえらをゆすぐ爽の長い指が、時々もてあましてるよう…

【短編】えらばれる

 どんよりと厚い雲の下、ねっとりとまとわりつくこの時期独特の水分と生臭さをたっぷりと含んだ空気の中で、僕はこの町のシンボルである桜の木を見上げていた。  花の季節はとっくに終わった桜の木。もったりとした風に揺られサワサワと揺れる葉を纏う桜の木は、彼と一緒に見たあの軽やかな花で埋め尽くされていた木と同じものだとは思えない。そう感じるのはこの空気のせいなのか。色のせいなのか。密度のせいなのか。それとも今、僕の隣に彼がいないからなのか。 「今年は誰が選ばれるんだろうね」  あ

【ホラー短編】テレポーター

A男には愛する恋人がいた。 美人で謎めいた雰囲気を持ちながら、気は優しく申し分ない女性だ…

【短編】この家に

「私はさ、多分この家に来るとおもうんだよね」  僕の部屋で夜眠りに落ちる前、彼女は暗い部…

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【ショートショート】ロボット警備員と泥棒

深夜。 ある会社のビルに一人の泥棒が隠れていた。 男は裏社会で犯罪を重ねたプロの泥棒であ…

【ショートショート】素敵な移住先

B子はスーパーのパート店員である。 元来の口下手と人見知りから、30歳を過ぎたが独身で、…

掌編小説「価値観」

学校や子供会の遠足やらで 十数回訪れた場所 当時は何にも思わなかった 池がない砂だけの庭 …

【短編小説】夢幻高速

一人のスピード狂がいた。 彼はバイクが大好きで、いつもバイクに跨がっては猛スピードで疾走…

【短編小説】何でもしてくれる美女AIがくれる、ドキドキな未来♡

素晴らしい家事ロボットが開発された。 従来の家事ロボットは、決められた家事をそつなくこなすのが役目だった。 だが、新開発のモノは違う。 高性能AIが搭載され、日々学習を繰り返しながら働く。 例えば、リビングで掃除機をかける…と単純作業ではなく、庭掃除や水回りの掃除といった複雑なプロセスを要する家事も自律してウェブ検索し、方法を学習する。 さらに試行錯誤して、効果的な手段を模索し、学んでいく。 とことん効率的、合理的に家事をこなしていくのだ。 AIなので恐ろしい速