孫は長寿の薬

私の親にとって、長男は初孫。
三姉妹で育ち、親戚も女性ばかりの環境で育った為、長男が生まれる前まではそれはそれは緊張していた。
物心つく前から見渡せば女性ばかり。
父親以外ほぼ女性。
そんな私が男の子を出産して、育てていく想像が出来なかった。

生まれてみたらそんな心配もいらないくらいに可愛く、その気持ちは初めてジジ、ババとなった私の両親も同じだったようだ。

私の父は厳格で、亭主関白。
遊んではくれたものの、昔の時代だった事もあり、子育ては女性の仕事といった様子だった。
お菓子やジュースの類ももちろんダメ。
おもちゃなんて誕生日とクリスマス以外でもらった記憶はない。
それなのに、だ。
孫が生まれてから、表情筋がゆるんでしまったのかと思うくらい目じりを下げ、愛でる愛でる。
母親の私にはどうやったって適わないからと隠れてお菓子をあげようとしたり、ジュースを与えたり。（どれも私に見つかり、未遂で終わる）
おもちゃをあげたり、公園では一緒に遊んでいる。
危険な遊びを注意できず、そのままやらせている事に私が父（ジジ）を怒り、しゅんと小さくなる事もある。
どれも私が幼い時には想像つかない姿ばかりだった。

お酒が大好きで、昔からの口癖が「60まで健康に生きれたら、もうぽっくり死にたいなぁ」だった父が今では「孫たちと飲むまで元気でいられるかなぁ」とよく話す。
そんな父も70を過ぎたが、まだまだ孫がお酒を飲むには時間がかかりそうなのでお酒はほどほどにしてもらいたい。