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014 | プロレスは人生の縮図

福岡で商業デザインを本業としながら、Webマガジン『ミッケ!フクオカ』の編集長でもあるおしけんです。note投稿14回目。唐突に空気感の違うタイトルで始めてみる。

いきなりですがプロレス見ますか?好きですか?僕はもうずっと昔から見てる。見だした頃はまだアントニオ猪木が現役で、長州・藤波はバリバリで、武藤・橋本・蝶野の闘魂三銃士が若手の頃。一時期見られない期間もありましたが、今また楽しみのひとつになっている。

色々なものを人生に例えることがあるけれど、他でもないプロレスもそのひとつだと思っている。

例えば、レスラーが鋼のような肉体を鍛えて作り上げていること。あれは相手を投げたり倒すためでもあるけど、本質は相手の技から逃げずに、ケガせず受け抜くため。僕たちの生活も、日々様々な環境でストレスや、思い通りにいかないことの悩みなどダメージを受けることがある。これらを乗り切るためには、様々な耐性や予測、切り返す引き出しや能力を身につけなければならない。そのためには行動やチャレンジをして、失敗することで糧にしていくことも大事。

よく『ロープに投げられて、何で走って戻ってくるの?』とか『あんなの避けられるじゃん』のような野暮なことを言う人がいる。綺麗に言ってしまえば、相手の技(良さ)を引き出すため、そして逃げずに受け止める勇気。普通に考えたら、僕ら一般人が受けたら逆水平1発で即打撲…下手したら骨折するような打撃を受けるとわかってて向かっていく。怖くないですか?それを試合中に何発・何十発も、しかもあらゆる技を受けられる体を作っている。

それがなく一方的に相手を負かせてしまっては、試合としてはつまらない。相手のいい所、得意な技やムーブなどを出させては返し、出させては返しの末に、勝つときもあれば負けるときもある。仕事上でも他の業界でも、『俺は・私はこうだから』の一点張りで突っ切っても、なかなかどうして上手くいかないことの方が多いわけで。時にはあえて勝ちを譲ったり、わざと反則負けをしたりすることも必要で、関係性や状況を俯瞰視できなければ、自分が選択できる手がどんどん減っていくだけだ。

それこそチャンピオンとして光を一身に浴びる時期もあれば、タイトルのかからない試合できっちりとパフォーマンスをすることも、ケガでリハビリが必要な時期もある。相手や状況に応じて、ベビーターンとヒールターンをしたりもする。様々な要素で人生という興行が成り立つわけだ。

そして何より大事なことは、プロレスは1人では決してできない。相手がいてはじめて成立する。相手や置かれている状況に応じて、タッグを組んだり敵対したりしながら、自分の得意技(スキルや能力)で世間と勝負していくことになる。そこにレフェリー(上司や恩師)や、応援してくれる観客(友人や仲間)が加わって、一つのコミュニティになっていく。

みんながみんなチャンピオンクラスの最強にならなくてもいい。でも、置かれている環境や所属している団体のせいにして嘆いていても始まらない。それぞれの個性を活かし、状況を活かし、時には移籍やパートナーを変えながら、取り巻く環境の中でベストなパフォーマンスを続けていれば、最終的に周りから必要とされる近道となっていく。

最後に。日本のプロレスは5カウントまで反則OK。でも致命的な反則は一発アウト。この辺も人生と一緒だ。知らない人にはわからないだろうけど、僕は矢野通を応援しています。