私が移住したい理由

自己紹介でも少し触れましたが、私が移住したいと思う理由は、主に3つあります。

  1. ロッククライミングを“日常”にしたい

  2. 自然の中で子育てをしたい

  3. 今の仕事に情熱を注げない


1. ロッククライミングを“日常”にしたい


1つ目の理由ですが、これが移住の最大の目的であり、私たち夫婦のかねてよりの夢でもあります。

私と夫は結婚前からお互いの趣味がクライミングで、出会いも県内のクライミングジムでした。

外の岩を登ることが好きな夫の影響で、私もインドアを抜け出し外岩(=ロッククライミング)にどっぷりとハマり、週末になると奥多摩の御岳や山梨県北杜市にある瑞牆山といった岩場へよく一緒に出かけていました。

中でも、瑞牆山は二人とも本当に大好きな岩場です。岩の豊富さや面白さはもちろんなんですが、何より景観が最高なのです。真っ青な空を突き刺す山々。色とりどりの紅葉。そして空気も本当に美味しい。ここに来ると、心が落ち着くような、エネルギーをもらえるような、不思議な気持ちになって満たされるのです。

(勝手に)心の原風景 瑞牆山


しかし、埼玉から瑞牆山までは片道約3時間。中央道は混雑するため、朝5時に出発しても9時頃到着とかはザラにあります。しかも雨で濡れたら岩は登れないので、雨ならキャンセル(週末の天気を死ぬほど気にするのもクライマーあるある)。外岩に行ける日というのは我々にとっては本当に非日常で、特別な時間なのです。

実は結婚後、私の転勤で2年間長野市に住んでいたことがあったのですが、その頃は岩のシーズンは毎週のように瑞牆山に通っていました。長野市からは片道2時間弱の道のりでしたが、それでも埼玉にいた頃よりはずっとアクセスが良かったし、渋滞もなくノーストレスで通うことができて、本当に充実した岩ライフを送っていました。

そんな経験もあり、埼玉に帰ってきた今、やはり気軽に岩場に行けるというのは我々にとって本当に幸せな環境なのだと改めて実感し、外岩が今のような非日常でもなく、長野市のときのような半日常でもなく、思い立ったらすぐ岩場に行けるくらいの日常になるような場所へ行こう!と、夫と共に決意を固めたのでした。


2. 自然の中で子育てをしたい


2つ目の理由は、ありきたりですがこれも大事な理由の一つです。

妊娠がわかったのは、実は長野にいるとき。
埼玉への帰還命令が出る直前のことでした。
そのまま長野に定着して子育てするという選択もあったかもしれないんですが、職場に妊娠を告げた頃にはもう次の配属先が決まってしまっていました。

埼玉の新しい職場に馴染めたと思ったのも束の間、実質わずか4ヶ月の勤務の後産休に入り、昨年の10月に娘が誕生しました。

生まれた直後はもうてんやわんやで移住のことなんか一つも考えられなかったけど、3ヶ月ほど経って落ち着いた頃、日に日に愛おしさが増す娘の姿を見て、やっぱり自然の中でこの子を育てたいなぁ…という気持ちが芽生えてきました。

今いるこの場所も、子育て環境としては決して悪くはありません。市の助産師さんや保健師さんは本当に頼りになるし、公園も児童館もたくさんあります。

だけど、興味のあるものに突進していったり、じっとしてるのが嫌でハイハイで縦横無尽に動き回る娘を毎日見ていると、やっぱり本物の自然の中でのびのびと自由に冒険させてあげたいなぁと思ってしまうのです。

0歳の娘に「どっちがいい?」と聞いても答えはわからないけど、「ここで幼少期を過ごせて良かった」と成長した娘に思ってもらえるよう願うばかりです。
(埼玉が良かったと言われたら、また考えます…)


3. 今の仕事に情熱を注げない


3つ目は、直接の動機とは言えないのですが、仕事が面白ければ移住の決意も揺らいでいたかもしれないので、これも理由の一つかなと思い挙げてみました。

職種は公務員と自己紹介に書きましたが、もう少し具体的に言うと、厚生労働省のとある地方機関に勤めています。

対人業務がメインなのですが、それ自体は面白いんです。お客さんにもいろいろな個性や背景があって、話を聞くのは本当に面白いんだけど、決められた枠の中でしか行動できないのが本当に歯がゆい。

枠というのは全ての概念です。決められた時間の中で、決められた予算配分で、決められたルールに則って業務を遂行しなければならない。組織に属していれば当たり前かもしれないのですが、それが顕著なのが公務員というものです。

本当はもっと一人ひとり丁寧に話を聞きたいんだけど、そんなことやってると業務時間内にお客さんを捌けない。ひたすら窓口を回転させなければならないから、聞くことを決めて頭の中でフローチャートを作ってそれに沿って会話を進めていく。生成AIが窓口にいるのと変わらないんです(下手したら生成AIのほうが賢い)。

お金が絡む窓口にいたときは、法律に則って毅然とした対応をすべきなのは当然なんですが、相手も切実だから感情移入してしまうこともたびたびありました。何とかこの人は助けてあげられないかな…と思って上司に相談しても、返ってくるのはいつも「要領読んだ?」「疑義解釈読んだ?」、つまり「前例はあるの?」ってことなんです。いや今それを作ったらアカンのかい…と何度思ったことか。

いや、上司も一人ひとりは個性的で面白い人もいるんですよね。何というかもう、公務員という組織の風土なんですよね。前と同じことをしていれば何も問題は起きないはずだという信念。自分もあと数年もすれば後輩にこれを説得していかなきゃならないのかと思うと、虚無感でいっぱいになるんですよね…。


…とまあ、あんまりネガティブな動機をエネルギーにして動きたくもないので、移住先では情熱をもってできることを仕事にしたい!と言い換えることにします。

1日8時間勤務、8時間睡眠、残りの8時間はそれ以外とすると、起きている間の人生2分の1は仕事してる時間なんだから、思考停止して寝てるのと同じような時間の使い方してたらもったいないですよね(むしろこのまま今の仕事続けて役職上がれば確実にそのもったいない時間は増えていく)。

情熱を注げる仕事…今のところ、やっぱりクライミング関係かな?

夫と一緒にあれやこれや、日々構想中ですが、自分たちのクライミングライフも仕事も子育ても、うまく両立できる道が見つかるよう頑張っていきたいと思います!


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