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里帰りの日に感じたこと

5月3日~5日の予定で、妻の実家がある広島県に里帰りしています。その中で感じたことをつらつらと書いてみました。書いていく中で感じたこととしては、何も変わっていないように見えて、実はいろんなものが変わり続けているということでした。

こどもとの関係

新幹線に乗るまでに感じたこと

私には中学2年生になる息子がいるのですが、コロナのときを除いてほぼ毎年、GWには里帰りをしていました。広島に向かう道中、ターミナル駅のデパートでお土産を買って、新幹線に乗り込むのが定番のスタイルです。

こどもがまだまだ小さく、ベビーカーを使用していた頃は、混雑を避けるために日をずらして里帰りをしていました。デパートでの買い物も、こどもの手をつなぎながら急かされるように終え、おむつを替えないといけないかを気にしたりしながら新幹線に乗り込んだものです。

が、さすがに中学生にもなるとほうっておいても迷子になることはないため、こういった道中の動きが大変楽になりました。ありがたいことです。それに加えて行きの車内で、私が自分の仕事について今年度はどういう展開をしていきたいか等、守秘義務には配慮しながら自らのビジョンを話したりもしました。

「こういう話をできるようになったのか」と、これまでの成長をひしひしと感じた瞬間でした。普段の生活の中では特に変化のない日々だと思っていましたが、こうやって定点観測的に同じことをしていると、こどもの成長という変化を感じることができて面白かったです。

あと何回あるのかなあ

この「定点観測」、いつまでも変わらずに続くわけではありません。いつかこどもは巣立っていくものだから。

現在中学2年生の息子、5年後には大学生。ひょっとしたら大阪を離れて暮らしているかもしれません。もしもそうなったら、一緒に里帰りをするのって、GWでいえばあと5回でしょうか。これに年末年始とお盆とを加えても最大で15回。人生のカウントダウンは着実に進んでいるようです。

人生の7割は予告編で
残りの命 数えたときに本編が始まる
(THE YELLOW MONKEY)

「ホテルニュートリノ」

君が足を止めて蹲(うずくま)っても時間の流れは止まってくれない。共に寄り添って悲しんではくれない
(煉獄杏寿郎)

「鬼滅の刃」

現地の光景

変わることのない中山間地の風景

現地到着後は天気も良かったこともあり、みんなでお墓参りに行ってきました。お墓は裏山の中腹にあり、山を少し登ると遠くまで見渡せる景色が心地よかったです。こういった何気ない景色って、地元の人からすれば特に価値を感じないかもしれませんが、その地域を離れた人にとっては心が落ち着く景色のようです。「何もない」が価値を生むというのはこういうことかもしれません。

昔からある墓地なので水道も通っておらず、お墓を掃除するには大きなペットボトル数本分の水を持って山を登る必要があり、高齢者がこの作業をするには車が必須だろうなと思われました。と同時にお墓までの道のりをきちんと手入れする人がいないと、この生活は成り立たないだろうと懸念されました。

こういう生活も変化なく続いていくのかとも思いきや、あちこちで目にしたものは、中山間地がだんだんと限界集落に変化しつつあることを感じさせるものでした。

少しずつ手入れされなくなる山道

結婚して約20年になりますが、20年前は裏山に続く道も地域のメンバーで維持管理されており(今でもされているようですが)、時にはみんなで車道を補修したりもしていました。

が、今回見た景色はそれとは少し変わってきており、コンクリート舗装された道ではあるものの落ち葉で埋め尽くされ、普段人が通ることがなくなっていました。新緑の季節なのに落ち葉で道が見えないという事は、それだけの期間人が通っていないという事。人口減少に伴って、中山間地に広がったスプロールの先端が縮小しつつあることを実感しました。

自然に帰っていく思い出の地

お墓参りの帰り道、妻がこんなことを言いました。

「昔はここら辺にうちの畑があって、こどもの頃よく祖父母について行ってきょうだいで遊んだわ」と。

いわゆる耕作放棄地になるわけですが、おそらく団塊の世代のさらに親の世代が現役だった頃、田んぼや畑として活用されていた土地が手付かずになり、開墾前の状態に帰っていく場所が日本のあちこちにあるのだろうと推測された一言でした。

朽ちていく空き家

妻の実家周辺には家が数軒建っていますが、人が住まなくなって何年も経つ家が複数あります。すでに屋根には穴が開いており、里帰りをするたびに少しずつ、着実に朽ちていっています。「特定空き家」として解体してもいいのでは?とも思いますが、おそらく相続人不明ということで自治体も放置せざるを得ないのでしょう。景観もよろしくないし、放火等の危険性もあるため、早急に対策が必要な課題ですが、どうなることやら。

まとめ

こんな感じで瞬間を切り取ると何も変わっていない印象を受けるものも、よくよく観察してみると着実に変化していることがわかりました。こういった地域の持続可能性をどこまで維持できるのか、将来議員をめざす者にとって注視していきたい課題です。

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