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役所への効果的なクレーム3選
「お役所仕事」と聞くとネガティブなイメージを持つ人も多くないと思います。前例踏襲、ささいな例外も認めない、むずかしい用語を使う、等(「等」も多用されますね)。
福祉の窓口について記事をアップしたところ、先日こんなコメントをいただきました。
確かに、現状のやり方に対して「もっとこうなったらやりやすいのに」と心の中で念じているだけで、直接行政の方に申し立てたことはありませんでした。
「この行政職員も上の人に言われて仕方なくやっているのかな・・・」と勝手に諦めていた部分があったのだと思います。
役所、行政に対して「こうなったらいいのに」という思いを持っている方は少なくないと思います。今日は「役所を上手に動かすにはどうすればいいか」についてまとめてみました。
うまくいかないパターン
あくまでこれまでの経験ではありますが、これだと本当の意味で役所にいい仕事をさせる結果にはならないだろうなというパターンを御紹介します。
①感情をぶつける
何かしらのトラブルがあったときに、ある程度感情的になってしまうのは仕方ないと思います。提出した書類に不備があったときや自分の期待どおりの成果が得られなかったとき、人は誰でも落胆してしまうもの。
だからと言って怒りの感情にまかせて窓口に怒鳴り込んできても、それに対応する職員としては「なだめる」ことが主な目的になってしまいます。役所の側に落ち度があったのであればそれは真摯に謝罪すべきことですが、「職員に謝罪させる」ことで目的達成、となると「役所を動かす」までには至りません。
②「上を呼べ」
最近はこういう人も減りましたが、今から15~20年位前までは「お前では話にならん!もっと上のものを呼べ!」と言ってくる人は時々いました。私が過去働いていた部署では管理職の異動初日に隣の担当から怒号が飛んできて、「これを聞いた人たちは『とんでもないところに来た』って思ってるかも」と申し訳ない気持ちになったことを覚えています。それだけクレーマーも若かったのかもしれませんが。
少し話がそれましたが、「上を呼べ」に対して役所では「簡単に上を出すな」と研修で教えられています(※誤解のないように言っておくと、本当に上が対処すべきときは対応しています)。相手の要求を簡単にのむと、相手の要求はエスカレートするので。
「上を呼べ」→「呼ばない」、の繰り返しで話は進みませんし、これも①と同様で本来解決をすべき問題に立ち向かう手前でエネルギーを消費してしまうので、個人的に得策とは思えません。上の人間に謝罪させて満足感を得たい、というのであればそれでいいのかもしれませんが。
③具体的な解決策がない
「なんとかしてほしい」で終わるクレームも多く経験しました。リアルな話はここでは控えますが、とある地域振興策でトップが方針転換をした際、最初からその方針だったら手を挙げていたのに、というクレームをいただいたことがありました。気づいたときは時すでに遅しで、その方は締め切りまでに手を挙げなかったので、権利を得られなかったんですね。それがクレームのきっかけでした。
「後から方針を変えるな、なんとかしろ」という趣旨のクレームでしたが、住民のためによりよい判断としてトップが方針を変えることは現実にあります。裁量のない人間であれば「決まったことだから」で方針を変えることはありませんが、ある意味リーダーシップを発揮したとも考えられるのでこのことの善悪は判断しづらいところです。
効果的なクレームとは
こうやって「うまくいかないパターン」を考えると、その反対のことをすれば効果的なのでは、と考えています。
①感情よりも「証拠」
説明の不備、はどこまで役所の責任があるのかなんとも言えません。役所の側がきちんと説明をしたつもりでも、受け取る側がたくさんの情報を全て把握できているという保証はありません。
「言った、言わない」でもめたとき、最後に力を発揮するのは「書いてあるもの」。必要書類や期限について、書いてあることと違っていたらそれは100%役所側のミスですし、誤解を生むような表現だったときは同様のトラブルをこれ以上起こさないために役所側も早急に改善しようという心理が働きます。
②正しいルートに乗せる
「上を呼べ」が効果的でないのは研修で言われているからと書きましたが、他にも役所に対する意見を伝える窓口があるから、ということもあります。呼び名はいろいろありますが「市民の声」と呼ばれるような広聴施策はどの市区町村にも存在するので、そこに意見を伝えるほうが効果的です。
「市民の声」はかなり上まで回議・供覧されます。自治体によっては特別職まで回ることがあるかもしれません。住民からの貴重な意見として担当部署を通過していくので、窓口で上の人間を1人呼ぶよりも効果的です。
ただし、「どうにかしろ」だとせっかくの機会を有効活用できずに終わってしまうので、ぜひとも具体的な提案も一緒に回したいところです。
③具体的な提案をする
役所もそれなりに考えて各種施策を実施しているので、頭ごなしに否定してもいい結果にはつながりにくいもの。なので役所に意見する際は具体的な提案もセットで伝えると効果的です。ですが、「もっと周知してほしい」だと「すでにやってます。」で終わってしまうので、他の自治体を例に挙げるのが効果的だと思っています。
「○○市ではやっている」と見聞きしたときに、「よそはよそ、うちはうち」で済ませる政治家はほぼいないと思います。当然ながら予算の制約はありますが、文書のレイアウトを工夫するとかなら予算は不要ですし、今ならSNSをもっと活用してもらうという対策もあると思います。
④何よりも効果的なのは、、、
「3選」と書きましたが、おまけです。
一番効果的なのは「称賛」です!詳しくはこちらをお聞きください。ぜひ購入してお聞きいただきたい内容です!
「○○市の施策は分かりやすいです。できればこういう形でしてもらえるとより良いと思います。」という形で御意見をいただければ、誰も嫌な思いをせず、役所もより良い施策実現に向けて動いていくので、ぜひとも称賛戦術で役所を動かしていきましょう!
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