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kintone(キントーン)を活用した保育関連業務の改善に取り組んでいます

(タイトル画像は「筋斗雲」で出てきました)
昨年度から保育所関係の業務に携わっておりますが、役所の業務はまだまだアナログな部分も多く、大いに改善の余地があると感じています。

与えられた業務をこなすことも重要ではありますが、行政に携わる身としてはいかに業務を効率化し、他の業務の質を向上させるかも重要な課題です。

ジブン株式会社を経営するという視点からも、いかに自分の仕事を高付加価値なものとして提供できるかを考えなければなりません。

そこで先週あたりからkintone(キントーン)を用いた業務改善に取り組み始めましたので、その経過を御報告したいと思います。まだまだすべてを理解しているとは言えない状態ですが、kintone初心者である人間なりの理解の過程を共有していけたらと思っています。

ちなみに今月の目標にしています。


概要説明

○kintoneとは

業務改善の詳細に入る前に、「そもそもkintoneって何?」というところからご説明したいと思います。

ホームページなどでは「業務アプリをノーコードでつくれる」とあるのですが、これだけだと「何のこっちゃ?」となる方も多いかもしれません。

個人的な解釈としては「他の人と必要な情報だけ共有できるデータベースを作れるサービス」と理解しています。

例えば業務で関係先(私であれば保育施設)の名称や所在地、担当者の電話番号やメールアドレスなどをエクセルで管理している方も多いと思います。kintoneでもエクセルと同じような感覚でデータベースを作成することができますが、それに加えて「自分の部署以外の人には担当者名やアドレスは伏せておこう」といった特殊仕様にすることもできる点が優れものです。

○どんな業務で使おうとしているのか

保育関連の業務で時折発生するのが、「認定時間の変更」や「保育料の変更」です。

保育所を利用している方であればピンとくる方も多いと思いますが、保育所はその利用を必要とする事情によって、利用できる時間数が変わります。具体的には「標準時間」と「短時間」という2分類です(この分類そのものの是非も検討に値するのですが、ここではおいておきます)。

例えば転職で勤務時間が短くなった、とか、介護が必要な家族が増えたといった場合に両者の入れ替わりがあったりします。単に時間が変わりました、だけならいいのですが、利用者によっては延長料金が発生したり、保育料そのものが変わったりします。

この変化がリアルタイムで保育施設と共有できればいいのですが、役所の業務システムは個人情報を取り扱うため、外部との接続は厳禁。ということで上記のような変更が発生するたびに、毎回電話などでお知らせをしてきました。

昨年度はここの作業をメールに置き換え、変更が発生するたびにエクセルファイルを更新して送るという形に改善しました。が、これだけでは関連先ごとにエクセルファイルを作成し、送り間違えないようにメール発出前に複数人でチェックする、という手間が発生していました。

ここからさらに進んで、kintoneを活用することで「他の人と必要な情報だけ共有できるデータベース」が構築できれば、毎度毎度のアナログな情報共有をしなくて済むのではないか、と考えたわけです。同じデータベースに各保育施設がアクセスしながらも、それぞれの保育施設が閲覧できる情報は自身の施設利用者のみ、という形が実現すれば、入力側は一つのデータベースファイルに情報を入れるだけで、閲覧側が気になったときにいつでも自分の施設の状況を知ることができるようになります。

具体的な手順

手順①:保育施設のデータベース作成

ということでデジタルツールを取り扱っている部門にも相談に行ったところOKとのことでしたので、さっそくアプリ作成に取り掛かりました。

普段エクセルでデータベースを作成する際、最初の行に「通し番号」とか「会社名」、「部署名」、「職員番号」といった見出しを付けることが多いかと思います。kintoneではこの部分をドラッグ&ドロップで落とし込みながら作成できるようになっています。また、その内容に「日付」とか「数値」とか「リンク」といった性質を持たせることができるので、文字列にしたかったのに勝手に数値設定された、というエクセルならではのお節介の影響を受けることもありません。

このあとの手順②とも関連するのですが、私は施設名とメールアドレスとを入れ込んだデータベースアプリを作成しました。

手順②:施設ごとの情報入力用アプリの構築

さらに、このデータベースアプリそのものを他のkitoneアプリとも連携させられるので、入力データをそのデータベースから引っ張ってくれば、自動的に連絡先等が入力されるといった仕組みも構築可能です。この辺はルックアップ関数でも可能ですが、kintoneはアプリ間の連携ができるのが優れもの。

これにより「施設名入力→メールアドレス自動入力」という仕組みができました。なぜメールアドレスが必要かという点については手順③で説明します。

他にも毎回毎回施設名等を入力する手間を省略するため、データベース内部に「テーブル」という形で表を入れ込み、「これは施設Aについてのものですよ」といった縛りを付けることも可能になっています。うっかり同じ施設で複数のデータベースを作ってしまうことの無いように、「値の重複を禁止する」ということもできるので、複数人が同時にデータベースに入力してもバージョン事故を起こすことがありません。

手順③:閲覧可能なデータの設定

ここから先はkintone単独ではできない作業になります。具体的にはトヨクモという会社が提供するサービスのひとつ、「kViewer」というアプリを使用する必要があります。

ここで大切な働きをしてくれるのがメールアドレス。kViewerでは「このデータを閲覧できるのは○○というメールアドレスでログインした人のみ」という設定を行うことが可能なのです。これを活用すれば各保育施設が同じデータベースにアクセスしつつも、他の保育施設に関する情報にアクセスすることはできません。よって入力者側は一つのデータベースに情報を入れるだけで、各施設が必要な情報のみにアクセスできるようになる仕組みができあがることになります。

まとめ

以上のとおり、

  1. データベースアプリ作成

  2. 施設別の情報入力アプリの作成(テーブルを入れ込んだ形)

  3. kViewerによる閲覧制限設定

という順番でご説明いたしました。実際のローンチはエラーチェックを終えてからになるのでもう少し先ですが、これで業務改善が進むことが期待できそうです。

保育施設との情報共有に苦慮されている担当者の参考になれば幸いです。

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