苦手な水泳なのにリレー選手になってしまった話
季節外れではありますが……。みなさん、泳ぎは得意ですか?
(*´▽`*) < えー?ぜんぜん泳げないよー、せいぜい50mくらいかなー?
ですって?
Σ(゚Д゚) < そんなことを言う口には、ビート板を突っ込んでやる!!
わたしは、泳げますよ?
そうですね……たぶん……5メートルぐらいは。
そもそも、クロールで息継ぎができません。顔を水面に出せないんですよね~。
それで、無呼吸で進める距離が、たぶん5メートルぐらいかな?という話なんです。
中学時代の水泳大会でリレー選手になってしまった
リレーって、運動会なんかでも、わりと花形の種目ですよね。クラスの選抜が、その速さを競うわけですから。
普通はね。
わたしのクラスの女子の人数は12人。たしかリレーに出るのは、そのうちの10人だか8人だか……。(ごめんなさい、忘れました)
水泳の苦手さにかけてクラスで一二を争うわたしは、もちろん、リレーなんか出る予定はありません。
とりあえず、ひとり1種目は必ず出なくてはいけない「水泳大会」。
自分の出番さえ我慢すれば、あとは何もすることがないと踏んでいた、その水泳大会で悲劇が起きました。
リレーに出るはずだったクラスメイトの体調の関係で、わたしが繰り上がって選手になってしまったのです。
リレー選手に。
5メートルぐらいしか泳げないのに。息継ぎできないのに。飛び込みできないのに。
目の前が真っ白になりました。
感情のメーターが振り切ってしまって、そこに漂うのは「無」でした。
最初で最後の水泳リレー
わたしも体調不良になればよかった。しかし、よりによって健康体のわたしは、リレーに出ざるを得ませんでした。仮病を使えるほど、ズルくもなれませんでした。
本番で、何番目に泳いだのかすら、覚えておりません。
緊張したかと言うと、「無」でした。
そもそも、緊張するのは、「自分をよく見せよう」という見栄があるから。
あるいは、うまくやれる可能性があるからだと思うのです。
うまくやれる可能性なんか、皆無のわたし。恥も外聞もありません。緊張するような次元の話ではありませんでした。
時間はすぎ、本番がやって来ました。もう、やるしかないのです。
前の泳ぎ手が、どんどん近づいてきます。
わたしが立っている飛び込み台に、どんどん近づいてくるのです。刻一刻と、わたしが泳ぐ順番が近づいてくる……。
前の泳ぎ手が、わたしの立っている飛び込み台の下にタッチします。来た!
迷っている場合ではない。
わたしは、その瞬間、飛び込みました。
足からドボンです。足ドボン。大切なことなので、2回、言いました。
そこから、手を前に突き出して泳ぎだしました。形だけはクロールですよ、クロール。ただし息継ぎができません。立って呼吸をするしかありません。
とにかく始まったら終わる
当時の、わたしが知っていることで、自分にできることは、ただ一つだけでした。
ゴールに向かって泳ぎ続けることです。
わたしが前に進めば、ゴールは必ず近づいてくる。始まれば、必ず終わるのです。
当たり前のことですが、わたしは、それだけを考えて、立っては泳ぎ、泳いでは、また立ちを繰り返しました。
その時でした。プールサイドから「頑張れー!」の声が。
ひとつや、ふたつではありません。
たくさんの「頑張れー!」の声が、繰り返し、繰り返し、聞こえてきました。
わたしは、しょうじき、誰に向かって、誰が言っているのか、分かりませんでした。
でも、「頑張れー」のシャワーを浴びながら、ただゴールだけを睨んで、泳ぎました。
不器用でへたくそでカッコ悪くても
あの日、飛び込み台に立ったわたしを励ましてくれたものは、「始まれば必ず終わる」という、ゆるぎない事実でした。
この経験は、わたしにとって黒歴史でも何でもありません。あの時、逃げなくて良かったと思っています。
ちょっとずつでも、進めばゴールにたどり着くことが出来るという経験になりました。
思えば、すごくカッコ悪い姿だったでしょう。
どうして、あんな泳げない子がリレーに出てるの?って思われたでしょうね。しょうがないんですよ。メンバーがいなかったんですから。わたしだって、出なくて済むなら、出たくなかったです。泣いて済むんなら泣いてました。
へたくそな水泳をしながらも、カッコ悪い自分を恥ずかしがったり、照れ笑いを浮かべたりはしませんでした。
そっちのほうがカッコ悪い気がしましたので。
そこは、わたしなりの、プライドの表現だったのかもしれません。今になって思えば、ちょっとロックですね。
大人になって振り返ってみると
もしも、あの「頑張れ」のシャワーが、わたしに向けて浴びせられたものだったのだとしたら。下手でも泳げなくても、ひたむきにゴールだけを目指す姿が、人の心を動かしたことになります。
もう確認する術がありませんから、良い方向に想像する方が良いでしょう。
この時の経験が土台になった考え方だと思うのですが……「うまくやれなくても、とりあえず、やってみる」。
思いもよらぬ楽しい経験もあった
数年前、ミュージックビデオにエキストラとして参加させて頂いたことがあるのですが、集合した当日に、いきなりダンスの振り付けを教わって、ぶっつけで撮影するというものでした。
自慢ではありませんが、ダンスも得意ではありません。
へたくそでも、とにかくバンドメンバーさんのためだと思って、一生懸命に、恥ずかしがらずに、楽しんでやりました。
「出来ないことが恥ずかしい」のではなく、「一生懸命にやらないことが恥ずかしい」のです!
そしたら、エキストラとして出ていた別の方から、「舞台か何かされてるんですか?どうして、そんなに出来るんですか?」と、嬉しいお言葉を頂きました。
ちっとも、出来ていたとは思わないんですが、出来たように見せることが出来たようなのです。とっても不思議な体験でした。
記念に貼り付けておきます。何回か映っています。(いや、お前の顔しらんしwwって)
こんな面白い経験、何度でもやりたいです。あー面白かった!一瞬、表情が固くなっているシーンがあるのですが、ギタリスト先輩が近くにいて緊張したんですよね。(≧▽≦)あはは(だから、顔を知らんし)
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