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KUA通信イラストレーションコースの授業内容&成績(1年目)

2023年4月から京都芸術大学 通信教育部 イラストレーションコースで勉強中です。

オンラインで授業を受け、課題のイラストを提出すると成績が出ます。C 60点以上で合格(=単位取得)です。

通信制とはいえいきなり芸大に入学したので、最初はまったく自信がなく、単位を1つも取れないかもしれないと思っていました。でも、どうにかこうにか食らいつき、必死に単位を取得しています。

1年目は11科目を履修し、計16単位を取得できました。

こちらの記事では、1年目に履修して単位を取得した専門科目の成績と課題作品をまとめています(1年間、成績が出るたびに随時更新)。


■春期

レイアウト・構図:C 63点

授業内容
イラストのレイアウトや構図の基本

【課題】映画のワンシーンを分析し、その構図でオリジナルのイラストを制作

【評価】C 63点
理解力:C 表現力:C 造形力:C

光と影の演出や視線誘導などを意識したほうがよい。

授業では基本的なレイアウトや構図の種類を学び、実際にそれが使われているイラストの分析を通して理解を深めました。例としてジブリの映画のワンシーンがたくさん出てきて楽しい授業です。

課題は、指定されたイラストのレイアウト・構図を参考に制作しました。子どもの頃のお絵かきを含めなければ、人生で初めて描いた1枚絵のイラストです!

実は初めての課題ながら厳しい添削講師の方に当たり、いい歳して恥ずかしいですが、コメントにショックを受けて泣きました。評価の点数は妥当だと思うものの、添削が抽象的でどこをどう改善すればいいかも分からず……。

レイアウトや構図についてはあまり掴めた感じがしないので、また別で勉強しようと思っています。

美術解剖学:C 68点

授業内容
人体の構造

【課題】全身骨格図の作成

【評価】C 68点
理解力:B- 表現力:B 造形力:C+

骨格はひと通り描けている。骨同士のサイズ感や位置関係をよく観察しよう。

授業の約8時間分の動画で先生がひたすら骨について語り尽くしていて、専門家の熱量のすごさに感動してしまいました。

授業でひと通り人間の体の骨格や筋肉を学び、課題では男女どちらかを選んで骨格をゼロから描き上げました(私は女性を選択)。

ペイントソフトの対象定規という機能の使用が認められており、実際は骨格の半分しか描いていません。それでも全身の骨を頭からつま先まで描くのは大変で、完成させるだけでもヒーヒー言っていました。

正直こなして終わらせてしまった感もありますが、私はリアルな人間のイラストを描きたいわけではないので、単位を取れただけでひとまずはOKです。

デジタル演習AI:B 78点

授業内容
CLIP STUDIO PAINT PRO(クリスタ)の基本的な使い方

【課題】 クリスタの機能を活用し、写真をトレースしてイラストを制作

【評価】B 78点
理解力:A 表現力:B+ 造形力:A

機能を駆使して質感や色の変化をきれいに表現できている。立体感や内側のディティールにもこだわるとよりよい。

クリスタには入学して初めて触れたましたが、実際に手を動かしながらこの授業を受けたら基本の操作方法がだいぶ理解できたと思います。

課題は難しそうだったので、クリスタの機能を活用して表現できるモチーフ選びにこだわりました。

課題でトレースした写真はこちらです。

パンプスの輪郭を写した後、クリスタの機能を複数活用してラメの質感を表現しました。機能をたくさん使ったところを評価してもらえたようです。

デジタル演習BII:B 77点

授業内容
Illustrator(イラレ)の応用的な使い方

【課題】イラレによるアイコン作成

【評価】 B 77点
理解力:A 表現力:B+ 造形力:B

アンカーポイントが多すぎず、パスが美しい。不要な孤立点と塗りのオープンパスがある。

本来、先に「デジタル演習BI」で基本的な使い方を学んでから受ける授業ですが、とにかくイラレについて勉強したかったので、開講時期の関係によりこちらから取り組むことにしました。

さすが応用的な内容で、「そんなことができるんだ!」という発見ばかりで楽しかったです。

課題では、夏をイメージした女の子のイラストを描きました。難しかったですが、モチーフや色使いを気に入っています。

先生の書籍も購入したので、さらにイラレを極めていきたいです。

クロッキーI(ヌード):C 65点

授業内容
ジェスチャードローイングの基本

【課題】ジェスチャードローイングを行う

【評価】 C 65点
理解力:C+ 表現力:C+ 造形力:C

チャレンジしている姿勢が感じられ、描く中での成長をうかがえる。パーツごとに描いている印象があるため、フローを意識できるとよい。

ジェスチャードローイングとは、モデルを見ながら短時間(30秒から2分くらい)でスケッチする方法です。

やり方を理解すれば、初心者でも人体に見えるものが描けるので驚きました。

授業は、実際に手を動かしてスケッチの練習をしながら進めるスタイルです。先生の声かけが常にポジティブで、やる気と元気が出ます。

課題は紙に色鉛筆で描くのがルールで、スマホのカメラで撮影してまとめたものを提出しました。この作業が大変で、人体を描いた時間の5倍くらいかかっています。

■夏期

メインビジュアル:C 69点

授業内容
メインビジュアル制作方法

【課題】京都芸術大学イラストレーションコース(通信制)のメインビジュアルを依頼された想定でイラストを制作

【評価】C 69点
理解力:A 表現力:C 造形力:C

ラフのバリエーションが幅広くてよい。描いているものに理由があり、テーマがしっかり伝わった。光や影を加えて奥行きを出すと、さらに映える。いちばん見てほしい部分を目立たせよう。

メインビジュアルとは、商品やサービスなどの顔になるイラストのことです。

授業では米山舞先生が実際に描いたイラストレーションコースのメインビジュアルについて、アイディアを出すところからイラストが完成するまでの工程を見せてもらえました。

先生の画力がすごすぎて圧倒されますが、アイデアの出し方や説得力のあるイラストを描くポイントなどはすぐ真似できるので学びが多いです。

実際に、授業で習った方法を使って課題の制作を進めました。キーワードは「和」「インターネット」「イラスト」です。

課題を通して何をどう表現しようか本気で考えてみたら、自分の中にあるたくさんのアイデアを発見できて面白いと思いました。

いろいろ考えた結果、インターネットを表す地球型のアイコンを手毬に見立てるアイデアを採用。

完成版とともに3枚のラフを提出しています(今回選んだのは一番左)。

アイデアをイラストに落とし込む作業にかなり時間がかかりましたが、そのおかげでオリジナリティのある作品ができました。

添削してくださった先生は私なりの意図をかなり汲み取ってくれて、そのうえで良くなるようにアドバイスをくださって嬉しかったです。

キャリア論:B 76点

授業内容
プロのクリエイターのキャリア、仕事観、作風の確立方法

【課題】先生の中から1人を選んで絵柄や表現を研究し、イラストを制作

【評価】B 76点
理解力:B+ 表現力:B+ 造形力:B+

授業内容をよく理解し、リサーチできている。色味がきれいで雰囲気がよい。影とハイライトを入れると、奥行きを出したり視認性を上げたりできる。人物にアクションをつけるとキャラクター性が出る。

授業では複数の先生のインタビュー動画を見て、作風の確立方法やイラストレーターとしての仕事について学びました。いま華々しく活躍しているイラストレーターさんの努力の日々を知ることができ、身が引き締まります。

課題は、先生の作風や表現の特徴を反映したイラストを描くこと。

授業で各先生のイラストの描き方が詳しく解説されるわけではないので、課題を取り組む際は自分なりの研究や分析が必要です。

私は、絵本とゲームの雰囲気が混ざったかわいい世界観が特徴である、ア・メリカ先生を選択しました。

ア・メリカ先生はアメリカのカリフォルニア州に留学経験があるとのこと。アメリカでは独立記念日のお祝いで国旗の柄の服を着てパレードする習慣があるらしく、先生がパレードに参加しているイメージのイラストを描きました。

ア・メリカ先生の場合、まるでこの授業のために書かれたような書籍を出版されていて参考になりました。

デジタル演習BI:B 79点

授業内容
Illustrator(イラレ)の基本的な使い方

【課題】Illustrator(イラレ)による名刺作成

【評価】B 79点
理解力:B 表現力:A+ 造形力:A+

文字組みやレイアウトが魅力的で見やすい。サブレイヤーの名称を変更すると、誰にとっても分かりやすいデータになる。

Adobe Illustrator(イラレ)の基本的な使い方を学ぶ授業ですが、かなり細かい操作方法の解説もあって情報量が多いです。

私は個人的に興味があって大学入学前からイラレを独学していましたが、それでも新しく知る機能がたくさんありました。

課題の名刺は、かわいさと大人っぽさの両立を目指してデザインしました。女の子のイラストは、春期にデジタル演習BIIで作ったアイコンをブラッシュアップしたものです。

■秋期

色彩基礎:B 73点

授業内容
色彩の基礎知識

【課題】参考作品の配色を分析し、分析内容を反映したイラストを制作

【評価】B 73点
理解力:B 表現力:B+ 造形力:B-

参考作品の色を活かして自分の作品に昇華できている。影をもっと大胆に入れると立体感が出るが、シンプルなイラストが持ち味なので無理にそうする必要はない。

色に関する基本が詰め込まれていてすごく勉強になる分、理解するのが難しかった授業です。

真剣にノートを取って授業の動画を2周したら理論はなんとなく理解できた気がしますが、実際にイラストに反映するのはまだ難しいと感じています。

課題では、講師のしまざきジョゼ先生のイラストの配色を分析してイラストを描きました。

私が分析したイラストはこちらです。

テーマカラー、色相、トーンの分析に加え、任意でライティングと色のイメージについて分析しました。

実は、決まった色でイラストを描くのに苦戦し、春期からの持ち越しでようやく提出できました。単位を取れてホッとしています。

もとのイラストの色の使い方を忠実に再現しなければと思っていましたが、コメントや講評を見ると、もっと柔軟に考えてよかったのかもしれないと感じました。

■冬期

世界観表現・コンセプトアート:B 74点

授業内容
世界観を伝えるイラストの描き方・コンセプトアーティストの仕事内容

【課題】世界観を設定して資料を集め、コンセプトアートを制作

【評価】B 74点
理解力:A 表現力:B 造形力:B-

詳細な設定と資料集めにより世界観や時代背景に説得力がある。空間をよく表現できている。少し単調なので、果物・葉っぱの形に変化をつけるとよい。木の根元・足元を見せたほうがすっきり見える。

授業ではゲームの制作の流れ、役割分担、世界観の作り方などを学びました。

ゲームにあまり馴染みがないせいで最初はとっつきにくかったものの、世界観を考えたり、資料を集めたりしてイラストを描くのが本当に楽しかったです。

課題のイラストのテーマは「食料需給の変化」にしました。ちょっと長いですが、根拠となる世界観をこのとおり細かく設定しています。

2050年には世界の人口増加、異常気象の増頻発、水資源の制約などから食料需給が逼迫すると予測されている。食料の再分配や合理化が徹底され、工場で加工された完全栄養食が基本の食事となるという説もある。そこで、一般のスーパーマーケットでは無加工の食品が販売されなくなり、フルーツを手に入れてそのまま食べる行為は贅沢になると考えた。農家は「フルーツバスケットの木」で貴重な各種のフルーツをまとめて生産している。農業のITC化や大規模化により効率的に食料を生産できる時代だが、そのように組織的に生産された食料は完全栄養食の生産のためにすべて使用されている。そのため、そのまま食べるためのフルーツを個人の農家が生産する需要があると言える。従来の手作業による栽培や収穫をしているが、鳥型ロボットの活用により効率化も図っている。

本当にありそうな世界観にしたくて、なるべく事実に基づく設定にしました。たとえば、複数の種類の実がなる木や鳥型ロボットはすでに実在しているそうです。

この授業を通してイラストに説得力をもたせる方法が分かったので、これからの制作にも活かしていきたいと思います。

クロッキーII(着⾐):C 67点

授業内容
ジェスチャードローイングの応用

【課題】服を着た人物のジェスチャードローイングを行う

【評価】 C 67点
理解力:B 表現力:C 造形力:C

30秒では印象をビッグシェイプで捉えられてるが、60秒や120秒では少し線が固くなっている。全体を捉え、リズムを生み出そう。

「クロッキーI(ヌード)」の続きで、今度は服を着たモデルを見ながらジェスチャードローイングを行いました。服を着ているというだけで難易度が急に上がったように感じ、すごく難しかったです。

ジェスドロは授業以外で取り組む余裕がなく、正直ぜんぜん手応えを感じられないままの課題提出でした。とりあえず単位が取れてよかったです。

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最後まで見ていただき、ありがとうございました!

自分が描いたイラストを公開するのは、特に最初は恥ずかしくて勇気がいることでした。でも、公開したら反応をくれる方もちらほらいて、とても励みになっています。

ちなみに、X(Twitter)では同じコースに所属している方々が「#KUA課題評価」というタグで課題作品を投稿しており、それを見るのも勉強になります。同じ課題でも人によってモチーフや表現が全然違うのが面白いです。

2年目も成績が出たらまた作品を紹介したいと思います。

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