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No.071 若き友よ!(3)永澤くん / Bob Dylan & Classical Music

No.071 若き友よ!(3)永澤くん /  Bob Dylan & Classical Music

僕の大事な友人、永澤くんはお孫さんもいます。出会いの時を考えると信じられないよね。僕より3歳年下、だから「若き友よ!」なのです。まだまだ気持ちも若いしね、お互いに。キミが、僕のシャーない言動に「オノさ〜ん、まったく〜」と言ってくれる気持ちが好きだよ。こっちも、ちゃかせるしね。キミの秘密もいろいろ晒しちゃうよ。だって面白いんだもん、素敵なんだもん、大好きだな、キミの生き方って。

1978年、Bob Dylanボブ・ディランの初来日公演があったね。チケットぴあもなかったなあ。都内数カ所の売り場に並んでのチケット購入、しかもひとり2枚までの制限があってね。チケット販売前日夜から、僕は友人4人と銀座ソニービル前に並んだんだ。

公演前年12月中旬、毛布数枚と電気も取れないのにコタツ机も持って行き、銀座の路上で徹夜麻雀、卓を囲みながら、寒〜、ローンと朝を待ったなあ。バカだね。途中お巡りさんが来て、静かにやれよと苦笑いしてね。後ろに並んでいたキミもキミの友人も同じように、まったく〜、アホな奴らいるなと思ったかな。Dylanに感謝かな?キミに最初に声をかけた中学生以来の友人ヒロシに感謝かな?キミとの出会いは1977年の冬になるのか〜、知り合って結構な時が流れたなあ。

キミとは、その後、Dylanが製作監督をした失敗作「レナルド&クララ」ーー日本ではたった一日だけの公開ーーの会場で会ったり、うんと贅沢して赤坂の料亭に、僕の連れ合いの由理くんと、キミとキミの奥さんと行ったりして、どんどん親しくなっていったよね。

Dylanの三回目の来日公演、浦和(現・さいたま市の一部)での「時代は変わる」は凄く良かったよね。コンサートの後、二人とも興奮して語り合ったね。時間と空間を共有する喜びって格別だなあと思ったよ。「女の子とだったらもっと良かったかなあ」「オノさ〜ん、まったく〜」

そのあと、僕はDylanの海賊版収集にのめり込んだんだ。だってDylanって歌うたびに全然アレンジ違うし、セットリストも日替わりなんだ。海賊版の方がオフィシャル版より臨場感があって凄いんだ。僕のCDラックには500枚近いDylanの海賊版もあるよ。

キミと感激を共にしたいから、海賊版を送って、キミは全てコピーしてね。電話でマニアックな会話「永澤くん、サパークラブでのクイーンジェーン、初日より二日目の方がいいよなあ」「ええ、Dylanの歌い方、全然違いますよね」。こんな会話ができるのは、永澤くん、キミとだけだよ。

キミはクラシック音楽にも造詣が深いよなー。我孫子市の自宅の一室は防音設備が施され、アンプ他オーディオは、1000万円を超えるシロモノだね。秘密話してしまったぞ。一緒に行ったクラシックコンサート終了後の一言「今日は第二バイオリンの連中、イマイチでしたね」には唖然としたぞー。楽器も弾かないのにね。

「オノさんが聞いているDylanやクラシックと、自分の聞いているのは全然違うモノですよ」まあ、言わせておきましょう。こういう事実を話すと、みなさん、永澤くんはさぞやお金持ちと思われるかもしれませんね。彼は某美術大学の事務局に勤務、自宅から大学まで片道2時間かけているおツトめの人です。決して、大金持ちではありません。言わせてもらいました、秘密をバラしてあげました。「オノさ〜ん、まったく〜」

クライバーの指揮するオペラをいい席で観たいがために、スカラ座の引越し公演全チケットを買った話も面白かったなあ。奥さんの分と合わせて、ん百万円にはビックリだよ。まあ、そんなこんなで、クライバーのチケットがこちらに回ってきたんだから、ありがとう。

「食うもの食わず、質素にしないといけなかったですけど、いい席でいい音楽聴いたら、本当に感激です。そんなもの、吹っ飛びます。今までにコンサートに使ったお金で、まあ、ベンツ買えましたね。それと、コンサート会場のVIP席で、隣に座った檀ふみさんに、足を踏まれて謝られたのは、いい思い出です。オノさん、そのシャーないブログにこれは書いてくださいね」

先日、永澤くんと電話で話したら、僕のnoteは全然見ていないそうだ。「永澤くん、まったく〜」。檀ふみさんに足を踏まれた話の方が、もっとシャーない思い出だけど、書いてあげたぞー。クライバーの話と、永澤くんとの話と、次に書くチェリビダッケの話くらいは読んどけー!若き友よ! 

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