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「悦びの種」その1 シアタースコラ 演劇の学校

2023年10月2日~4日
「シアタースコラ」の3ヶ月コースが始まった。演劇の学校だ。
 
「theatre」の語源・由来は、古代ギリシャ語「θέατρον(theatron)」であり、観客席や観劇、スペクタクルや演劇を鑑賞するための野外の場所を意味する。

その1
冷蔵庫に入れていたゴーヤ。タイミングを逃して食べないまま腐らせてしまった。なまこのように柔らかくなっている。申し訳なく、そのままゴミ箱へ捨てられず、ベランダの植木鉢、名付けて『植物のみなさん、ありがとうございます』のお墓に置いた。

「ありがとう。ゴーヤ」

置いてからどのくらい経っただろうか…。
置いたのは、おそらく8月の末か9月に入ったころ…
 
秋分の日辺り、ある日、ベランダに出ると、” 緑色のもの ” を感じる。視線を向けると、何か生えている。すかさず、お墓に駆け寄った。見ると、種がぱかっと割れて、芽が生えている。

「これは何…? 墓に何物かが生まれている」。
驚きの瞬きと共に、じっと観察する。

「種だ… 種のあるもの。

 何を置いた?… ゴーヤだ。」

臭いをかいでみる… 
「ゴーヤだ。」
ある日、ゴーヤは20cmほど一気に、再び生まれた。

『植物のみなさん、ありがとうございます』の墓には、季節を追ってさまざまな植物や花が置いてある。
桜、つつじ、菖蒲、ケール、バラ、黒大根、菊…
 
なぜゴーヤだけ、命が宿ったのか…。
種。種の力。
ゴーヤは太陽の陽と雨を存分に吸い込み、芽生えた。そこにじっと居つづけ。
凄まじく逞しいエネルギーを感じた。だれよりも地球を満喫している。
わたしは植木鉢のそばに横たわり、ゴーヤに寄り添い、太陽の陽を感じた。
地面にいるということ、太陽がじりじりと熱いこと、流れる風、汗がじわーと吹き出てくる。
上から下から横からと、太陽のエネルギーが強すぎて、数分で部屋に入った。その夜、わたしはめずらしく体調を崩した。どうやらわたしは、ゴーヤとは違うらしい。光合成ではないらしい。

ゴーヤは悦びを起こした。ゴーヤ自身に、そして、わたしに。
「ありがとう ゴーヤ。」

その2につづく‥