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お酒に強くない私がウィーンでワインを楽しんだ話

連休でウィーンへ行ってきました。

"White wine with soda,please. "

すぐにスプリッツァーを思い浮かべた方は、お酒にとても詳しいか、私のようにあまりお酒に強くない方ではないでしょうか。

スプリッツァーは白ワインのソーダ割り。日本でもイタリアン、スペインバルなどでは定番のドリンクメニューかと思います。ワインが好きだけどあまり強くない私は、わりとよく注文します。
とくに暑い時には、爽やかでとても好きです。

でも、どこかで思っているところがありました。
ワインを割るって、邪道だろうなぁ、と。
実際、「割るぐらいなら(ストレートのワインを)水と交互に飲む方が楽しめますよ?」とやんわりアドバイスされたこともありました。
そんな時は、もっと強かったらなぁ…と少ししょんぼり。

でも、今回のウィーン旅行で考えが変わりました。

今回の旅行、両親が一足先に渡航した後を、私が追いかけて合流する形でした。母はお酒が大好き。実家にはいつもワインボトルが数本あり、帰省時には私もほんの少しだけ飲む(もちろんストレートで)というのが習慣でした。
はっきり言われたことはないけれど、母も「邪道」って思うタイプだろうなぁと思っていました。

ところが、合流して最初に入ったお店で、母が言うのです。
「知ってる? 面白い飲み物があるの。あんた弱いからちょうどいいと思う。注文するから試してみて」

”White wine with soda,please. ”

「え、スプリッツァ?」
「ああ! その名前がなかなか覚えられない。知ってるの?」
「知ってるよ!よく飲むし!」
「日本にあるの?」
「あるよ! というかそういうの邪道やないの?」
「だって暑いし。ワインの香りはよいままよ」

しれっと言う母。
私が到着して少しましになったようなのですが、4月下旬のウィーンは30℃近い日もあったらしく、暑すぎてビールばかり飲んでいた、ワインも飲みたいけど暑くて……そんなときにふと、思い出したらしいのです。ウィーンのワインメーカーを訪ねるテレビ番組で、誰かがしていた頼み方を。

これがウィーンで最初に飲んだスプリッツァ。
夜は飲み屋になるらしい喫茶店で、庶民的なグラーシュ(ビーフシチュー風、ここのはソーセージ入り)と一緒に。
あまりにも美味しくて、なかなか大きいグラスなのにすべて飲んでしまいました。

そこからは、どのお店でも、部屋でも、私は(そしてわりと母も) 白ワインのソーダ割りを楽しみました。

どんな料理にも合う。そして爽やか。
元のワインが安くて美味しいからか、日本よりも美味しいものが多かったです。

そして不思議なことなのですが。
この注文をしたときのウェイターがみな、なぜかとても嬉しそうにされました。
「OK————!」と大げさに言う人、両手でワインとソーダを入れる仕草をしてみせる人も。その飲み方知ってるんだ、暑いもんね、美味しいよね、わかる、そんな意味なのかなと想像しました。

楽しみ方は自由、なんて言うと当たり前に聞こえますが、「邪道」という考えを、自分も自然としてしまっていたのはもったいなかったなぁ、と思いました。

そしてふと思い出したのが、若い頃、お酒弱いし…とバーに行くことに気後れしていたら、バーこそ、色々話すことができるから、弱くても楽しめるお酒が飲めるところだよ、と教えてもらったこと。
その通りで、今、行きつけのバーでは、だいたい二杯目は弱めに作ってもらっています。

弱いけどワインが飲みたい人、この夏、いかがですか。

White wine with soda
50:50 だそうです。

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