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イタリア・グリーンパス制度稼働中

イタリア国内で10月15日から就労者全員を対象にグリーンパス制度が実施されている。どんな職業かを問わず就業者は例外なく全員対象。感染・注射・検査のいずれかでグリーンパスが発行される。感染後どれくらいパスが有効なのか正確には知らない。注射後は6ヶ月有効と聞いている。

これまでは室内で密集する特定の場所と、特定の職種のみ適用されていたパスを就労者全員に枠を広げた。この強制期間は今のところ12月31日まで。あきらかに接種人口を増やすための作戦。

ロックダウン直前に体調を崩した時点で感染していたのかもしれないが、自力で自宅療養したので公には記録されていない。注射はしないと決めている。だから私がパスを取得できる方法はひとつだけ。薬局や検査機関での48時間ごとの検査のみ。

この検査は有料で自腹。完全に自己責任で動く必要がある。場所によって価格設定は異なる。10〜22ユーロ。私が利用している薬局では15ユーロ。利便性と費用のバランスでそこに決めた。状況が変わる可能性もあるので予約は1週間ごとに入れている。

通常の週5日全日勤務をカバーするには週3回の検査が必要。幸いにもパートタイム契約で1日5時間勤務なので、検査時間と就業時間をずらしながら週2回の検査でパスを確保している。

家族全員分の週3回の検査費用を賄いきれない人々が無料の注射へと流れる。とてもわかりやすい兵糧攻め。さすがにここまであからさまな作戦を決行された反動で、大きな都市では反対デモが行われている。主に運送業関係者とトリエステの港で大きく動いている。

打ちたいなら打てばいい。打ちたくない人を追い込むような制度には黙っていられない、と接種済の人もデモに参加している。

くだらない。そうつぶやきながらパスを手に入れて仕事場へ行くのは、制度に逆らえないからではない。本気でパス反対運動にのみ加担するなら12月まで仕事へ行かない。給料は払われないけれど職場の椅子は確保される。

単純に仕事仲間の負担を増やすのが嫌だし、いつも通りの勤務時間を確保していれば、検査代金を自腹で払っても生活に支障はない。だから、矛盾だらけの制度のグリーンパスを律儀に取得している。さらに馬鹿らしい罰金を払いたくもない。経営者に払わせたくもない。ウソがバレると両者に罰金が課せられる。

無理が通れば道理がひっこむ。まさにそんな世界の歪みを形にして現実化させた制度。いちど感染した人だって、接種済みの人だってかかる。ならばグリーンパスの意味なんて本来は皆無。理屈からすれば逆に危険を増やす。「パスさえあれば安心」と無防備になるから。なのに堂々とまかり通る、この世の不思議。

両極端にふりきる生き方をするつもりはないので、パス制度に賛成も反対もしない。どちらかといえば反対寄り。娯楽施設や飲食店のみ適用ならば、どちらも行かなければ済む。やむを得ず公共機関を使うときは検査でパスを取得すればいい。

なぜ無意味な制度を導入するのか。人の世のカラクリはこうなっている。生命維持と種の保存には必要ないものを作って、ストーリーと共に提供し、なびく人々を集める。そこでエネルギーを集める。そんな輩がはびこっている世界。だからこんな矛盾だらけのパスを強制的に導入しても今更驚きではない。

ただしグリーンパス制度が穏やかで平和な暮らしを再構築しくれると盲信できるおバカさん達が結構いることには驚く。なにかを盲目的に信じることができるヒトはある意味幸せだ。迷わないから。ただし信じていた相手や制度や組織に裏切られた!と大騒ぎするのもこういう部類の人々。

現在、私自身はひょうひょうと検査を受けて淡々とパスコントロール時に提示している。理由はシンプル。うっとおしい出来事を引き起こさないため。そして身近な仲間との活動を滞らさないため。

馬鹿らしい制度を導入して、くだらない洗脳と扇動作戦を実行している輩達が手を出せない生き方をこれからもしていく決意をさせてくれてありがとう、と言おう。今回のグリーンパス制度導入で完全に吹っ切れた。

ちなみに職場で48時間ごとに検査を受けて仕事をしているのは3〜4人にひとり。日本の両親は献体自覚で接種済み。イタリア暮らしの息子達は彼らの環境下で疑問を抱かない暮らしをしているので接種済み。

もちろん機会がある度に個人的な見解は息子達にまっすぐ伝えている。アレルギー体質の長男は2度接種で2回ともアナフィラキシーショックを起こして気絶した。それを注射と無関係だと言い張る関係者達の意識を変えようと無駄な時間を費やすつもりはない。長男には自分の命は自分で守れ、と繰り返し伝えている。例え私が動き回って彼を3度目の気絶から救っても、ずっと守り続けることはできないのだから。

自分が触れたり見ることのできる事象はすべて自分自身の欠片の鏡。私達はみんな深いところでつながっているから。それは過去の残像かもしれないし未来の姿かもしれない。

注射を打つ気はまったくないけれど、打った人達ときっぱり境界線を引く気もない。自分以外の人間の人生選択にアレコレ言う権利はないし、過度のお節介をされるのも嫌だからしない。意見は言う。くだらないと思えばくだらないと言葉にする。矛盾は矛盾だと言う。

12月末まで48時間ごとに検査をして通常の就業をするためにかかる費用は日本円で3〜4万円。これを算出した時点で「通常勤務ゲーム」への参加費だと、いい意味で割りきった。すでに別枠扱いしている。途中で中断されたらラッキー。極上のスパークリングワインでも買って乾杯しよう。

イタリアのグリーンパスに関する情報と私見のごちゃ混ぜ文章にお付き合いありがとうございました。

Grazie 🎶