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今宵もまた見惚れて嫉妬する

昼と夜の狭間の時間に
空と大地の境界線のあたりを
うっとりと眺める。

稜線や家や木々が描く線と
山の向こうに姿を消した太陽の
残り火が作り出す色彩。

今宵も見惚れて
少しだけ嫉妬する。

絵の具を扱って
伸びやかなグラデーションを
真似てみたいと思っても
その色使いの端くれしか
表現できないもどかしさに
気持ちがのたうちまわる。

空にはかなわない。

その計算のない純粋さと
打算のない無防備さの
せめてかけらだけでも
この身にしみ込ませたい。

手足と頭を動かすのをやめて
じっと眺めて居れば
ほんの少しだけでも
空と大地の粋な心意気を
おすそ分けしてもらえるだろうか。

はあ、とため息をついて
あたたかい飲み物を含む。

この肉体を離れるとき
あの色彩に溶け込むことが
できるのだからこわくない。

今の身体を使っている間に
空と大地からの学びを
少しでも表現できるだろうか。

おやすみなさい。
夢の世界へ行ってきます。

(はてなブログ「アレコレ楽書きessay」2023.12.20 転載)

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