カロリー計算より先にやるべきこと
「頑張っても結果が出ない。」
それ、あなたの頑張りが足りないからじゃありません。
頑張る順番を変えたら、同じ量の努力、もしくは今より少ない努力で結果が出るようになります。
コンビニで何か買う度に裏のカロリー表示チェックしたり、お菓子を食べる度に「あぁまた運動しなきゃ」と思ったり、カロリー計算しながら1日1200kcal内におさめようとしたり、少しでもカロリーを減らすために0kcalのお菓子を選んだり。
心当たりありませんか?
私もやってた時期がありました。
でも、やってても全然楽しくないんですよね。
気付けば制限ばっかりの食事管理をしてて、どことなくカロリー恐怖症で、誕生日にケーキを食べても幸福感の後に残るのは罪悪感。
後ろめたい気持ち無しに食事できなくなって、色々気を使ってる割に思うように結果が出なくて、気持ちは擦り減る一方で...。
今思えば、数字を追っかけることに必死になるあまり、頑張れば頑張るほど前に進めなくなる沼にズブズブはまっていっていました。
ジムでお仕事をしていても、こういう相談がすごく多い。
頑張る順番を変えてあげると、それだけでつっかえ棒が外れたようにスルスルっと前進できるようになります。
この記事では、カロリー計算経験者のみなさんが「なぜうまくいかないの?」を「気合が足りないからだ!」で終わらせないために、少し深く掘ってみようと思います。
◆身体は学ぶ
カロリー計算して
消費エネルギー>摂取エネルギー
にすると痩せる。
カロリー計算法の原理です。
これである程度の人が、最初は痩せます。
でもこれには落とし穴があります。
最初は痩せるんだけど、途中で痩せなくなる。
何が起こっているかというと、身体が供給が少なくなったことに気付いて代謝を減らし始めるんです。燃やさなくなってくる。
厄介なことに、身体は学ぶんです。
「来月、給料減るで」って言われたら、今月のショッピングの頻度落として、スーパーでも割引品を探したりしますよね。使う量が減るんです。
そのせいで数週間したら体重減少が止まるのですが、ここで「気合が足りないからだ!」ってさらに朝ごはん抜いたりすると、身体にとってはもう緊急事態。さらに燃やさないようになるし、蓄えられるものは蓄えるようになります。
「来月、給料減るし、税金もあがるわ」って言われたら床に落ちてる小銭でもかき集めたくなりますよね。ポッケに入ってた500円玉、大切にしまいますよね。
言われてみれば「そりゃそうか」と思う内容だと思います。でも残念ながら、カロリー計算さえすれば痩せるというメッセージの方が広まっています。
身体は学ぶ。
そのつもりで向き合わないといけません。
◆問題①:ライフスタイルに合わない
カロリー計算方法にはいくつか問題点があります。その1つが、一般人のライフスタイルに合わないこと。
食べる度にカロリー計算して、自分の代謝まで計算して、目に見えない調味料のカロリーまで考えて、金曜の夜に食べた焼き鳥あたりから計算が怪しくなって、友達と飲みに行ったら何カロリー摂ったか分かんなくなって...
私が大学生の時に参加したダイエット講座では、お茶碗に盛ったご飯の重さを計ってカロリー計算するとこから始まり、1日目の夕飯前に白目むいてリタイアしました(笑)
痩せることで給料が支払われる訳でもないあなたが、このまま20年も30年もそうやって計算しながら生きていくと考えると、生きづらさを感じませんか?
そう感じるのは、あなたが変だからでも怠け者だからでもなく、大半の人が感じることだからです。
カロリー計算する毎日が楽しい人は、その方向で活躍するのが向いてる人ですね。
私が高校生の頃、学校周辺のコンビニで商品を片っ端からひっくり返して「栄養表示見るの楽しい!」って言っていた友人は、大学卒業して栄養士になっていました。
向いてる人と向いてない人がいる。
向いてないと思ったら、別の方法を選んで大丈夫。
栄養表示がただの文字列でしかなく、カロリー計算も大して楽しんでいない一般人が、この方法にしがみつく意味はどれほどあるでしょうか?
あなたのライフスタイルに合わない方法を続けてもストレスは溜まる一方。続かないのは、気合が足りないからではなく方法が合ってないからです。
やってて息苦しくなる一方であるのであれば、離れて大丈夫です。別の方法を選びましょう。
カロリー計算法が唯一の体重コントロール法じゃないですからね!
◆問題②:ホルモンの影響が考慮されていない
本来、カロリー計算の話をするには代謝やホルモンの話が欠かせません。専門知識が必要になってくる分野です。
なのに、カロリー計算法を勧めている人やサービスには、代謝の話も女性ホルモン値の話も出てこないことが多いです。
生理不順の人と通常サイクルの人
妊娠経験者と妊娠未経験者
出産直後の人と出産2年後の人
ピル飲んでる人と飲んでない人
閉経前の人と閉経後の人
みんなにこの方法が同じように効くでしょうか?
アメリカで生まれ育った成人男性の実験結果は、日本で生まれ育ちオフィスで働くあなたにどれくらいあてはまる?
これは最新科学が抱える『研究と現場の隙間』で、別記事で詳しく触れています。
◆問題③:人間の身体はそんな単純に出来てない
カロリー計算だけでみんなが痩せられるなら、ダイエットで失敗する人なんていないんです。
そんなに人間の身体が単純なら、すでに科学技術で人間の身体と同等のロボットを作れるようになってるはず。
カロリー計算ダイエットがここまで有名になったのは、足し算と引き算だけで誰でもできちゃうし、短期的に効果が出るからです。
それが唯一の方法でもないし、継続しやすいからでもありません。リバウンド率の高さが証明してますよね。
人間の身体や代謝の仕組みまで考えると、栄養バランス、ホルモン、遺伝的要因、睡眠、ストレスなどを考えて、それからやっとカロリー計算の話。
本来、個人個人で異なる代謝やホルモンまで考えてやるべきボディメイクを、カロリーの足し算引き算だけで説明しようとしても、うまくいきません。
私が指導していても、1日1食で立ち仕事をしているのに痩せないと言っている人に「1日3食、補食もプラスしてください」と言ったら2ヶ月ほどで5kgストンと落ちたりします。
こういうことは、カロリー計算法に埋もれてあまり話題にならないけど、みなさんが思っている以上に頻繁に起きています。
◆カロリー計算の前に『質改善』
「カロリー気にしてるのにうまくいかないなあ」という人、順番を変えてみましょう。量の話は、質を確保してからの話。
カロリー(量)を優先して、栄養(質)を後回しにしていると、カロリー計算法は失敗します。
極端な話、パンだけで1000kcal食べるのと、定食で1000kcal食べるのでは、定食の方が身体に必要な栄養が摂れますよね。
2つ並んでいたら、「同じカロリーなら、質が良い方を食べた方がいい」と定食を選ぶはずです。
でも実際には「さっき300kcalのケーキを食べちゃったから300kcal分の夕飯を抜こう・減らそう」と考える人が多いです。
この場合にするべきは、ケーキの300kcalで摂れてない栄養を摂取できる夕飯を食べること。『総カロリー摂取が増えたとしても』です。
ケーキは食べてもいいです。おいしいもん。私もケーキ大好きです。ただ、ケーキのために夕飯は抜かない。優先順位が高いのは、栄養が摂れる夕飯だからです。
食事改善の原則:
『量の改善』よりも『質の改善』が先
◆質改善のためにできること
私はエクササイズを指導するのが主な仕事ですが、食事改善無しに結果は出せないので、普段のセッションでも栄養指導をしています。
今後の記事で栄養にも触れますが、noteにまとめるのも中途半端になってしまいそうで、発信方法を考え中です。
今年、セッションを受けられない人にも正しい食事改善方法を伝えたくて、ハンドブックにまとめました。
これは英語版ですが、日本語版もただいま準備中です。(頑張ってます...!応援されるとペースが準備のペースが上がるタイプの私です...!)
栄養の基本の知識と、その後、実践できるワークシートもついていて学んだら実践するまでセットでできる本になっています。日本語版待てないよ〜という方はチェックしてみてください。
無料でダウンロードできます。
色々やってるのに結果が出ないのは、頑張りが足りないんじゃなくて、努力の方向修正が必要なだけです。
カロリー計算をしているうちに数字に振り回されるようになっちゃって、食べ物を心から楽しめなくなっている人が、この記事を読んで前に進むための光が見えたら嬉しいです。
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