【まとめ】食べ物で心を埋めようとしてる人にする栄養の話

暴食・むくみが起こる身体のメカニズムは栄養指導で説明できる。教科書の知識の通りにやれば解決できる。 でもそれは論理上の話。実際現場では、悩みの蓋を開けてみたら「満たされない心を食べ物で埋めようとしている」のが原因の根本にあって、栄養では解決できなかったりするんです。

栄養どうのこうのの前に「何してる時に幸せを感じる?」「趣味は?」と食べ物以外で心を満たす何かを探さないといけない 「やらなきゃいけない・やった方がいい」ばかり優先で「やりたい・生産的ではないけど楽しい」を後回しにしてきたタイプに多い。優等生・真面目・母親・いい子タイプとか。

いくら教科書の上では正しい論理だって、自分の気持ちや今の幸せを押し殺して「やるべきこと」ばかりやってきた人には通用しない。 というか、今までそれでどうにかなってきたんだけど、限界を感じていたり、コップの水が溢れてしまって、もうこの先同じやり方では通用しない状態。

そんな人たちに必要なのは、世界一有名なダイエットの先生の助言でもなく、気合で乗り切るためのプレッシャーでもなく、痩せるスムージーでもなく、効果・効能・生産性・義務・自分の役割を全部無視して「私はこれをやってる時間が心から楽しい」という時間です。

それは絵を描くことかもしれない。推し活かもしれない。読書かもしれない。カフェ巡りして感想をノートにまとめてみることかもしれない。旅行かもしれない。世界中の国の人と話すための語学勉強かもしれない。 心の隙間が埋まる。心を満たす。心の火が燃える。必要なのはダイエットよりもそんな時間。

だから私も栄養指導をしていて「待って、必要なの栄養指導じゃなくない?」と思ったら、そこでノートは閉じて本人が好きなこととか趣味の話をします。トレーナーとしてじゃなくて、一人の観客として話を聞く。その人が「生きがい」を思い出す時間。私も「私が知らない趣味の世界」を知る時間。

私はこの時間が結構好きで、話そうと思ってた栄養の話は全然できないんだけど、次に会った時にね、目の色が変わってるんです。楽しそうに「そういえば前は好きだったけど最近やってなかったこと」の話をしてくれる。 私も新しいことを教えてもらって気付きがあったりするので、それをシェアしたりする。

そしたら、心もだんだん埋まっていくし、意識が他のことに行っているうちに、食べ物中心の世界も少しずつ忘れ去られていく。 栄養指導はその後でも全然遅くない。むしろ、生きがいのない生活に栄養指導しても何も解決しないから、それが正しい順番だと思ってます。

ダイエット・フィットネスで使われる科学的根拠には「その人の人生の背景」や「その人の心」が欠落しているなぁ、と感じてます。だから現場で使えなかったり、教科書通りにやっても失敗する人がたくさんいる。 栄養は、栄養のことを学べば完結するわけではないんだよ、というお話でした。

すべての記事は無料ですが、もし「これ気に入ったよ!」という記事がありましたら、投げ銭してサポートいただけると嬉しいです。私がカフェで記事を書く時に、スモールじゃなくて少し贅沢にミディアムのラテを頼むことができるようになります。