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腹筋バキバキ女子が「自分に自信がない」って泣いてた

これは、私が「いくら『身体』が変わったって『心』がゾンビじゃ、成功でも健康でも幸せでもなんでもないな」と考えるきっかけになった出来事。

たった数十分の出来事でしたが、いま振り返ってみれば、私のその後の考え方をひっくり返した経験となりました。

◆泣いていた

ある20代の女性がいました。

もともと筋トレ好きで、毎日ジムでトレーニングしていた人です。私はあまり近しい人ではなかったのですが、初めてボディビルに挑戦していることだけは知っていて、大会に向けて身体をキレッキレにしていくのを遠くから見届けていました。

大会を2週間後に控えたある日、その人が一人で泣いてたんです。「どうしたの?」って聞いたら「私、こんな身体じゃ、大会出るどころじゃない...。こんな酷い身体じゃ人前に出すほどのものでもない...。」って

ボディビルに出る人たちは、体脂肪を極限まで減らし、身体の水分の量まで減らして、”皮が筋肉に張り付くような状態”にしていきます(実際には張り付かないけど、そんな感覚があるそうです)

女性の場合、生理が一時的に止まってしまうことだってある。そうやって限界を超えてまで絞りきった身体は、ジムの広告で見るような腹筋バキバキの身体なわけです。

そんな身体をした女性が「自分の身体は醜い」と泣いていたんです。

「そんなことないよ、十分頑張ってるし、身体が変わってきてるの私は見てきたよ〜」ってなぐさめて、本人も泣き止んで、とりあえずその場は終わりました。でも、本人はあまり元気にはなってない様子。

帰り道、私はぐるぐる考えていました。
「みんなが羨むような身体になっても、本人は満足できないんだ...」という衝撃と、その人の綺麗に割れた腹筋が交互に頭に浮かんできます。

その人ね、2週間後の大会で優勝してたんですよ。

人に認められてやっと自信がついたらしく、大会後の少し緩んだ身体でも見違えるようなオーラを身にまとって歩いていたのが印象的でした。


◆身体が問題じゃない

これ、もちろんレベルは違うけど、ボディビルだけの話じゃなくて一般人にも同じことが言えると思うんですね。

人からの評価を糧に自分の容姿を評価していると、いくら身体が変わったって満足できない。評価されるまで自分で自分を卑下し続ける。

自分のために始めたダイエット・エクササイズだったはずが、いつからか人から評価をもらうことが目的の努力になってませんか?

「痩せたね」
「似合ってる」
「羨ましい」
「変わったね」
そういう言葉で喜ぶのはもちろんいいと思います。でも、そういう言葉に頼って自己評価をするのは別の話。人の言葉に左右されずに、自分の価値は自分で知っているべきだと思うんです。

みんなが羨むような身体になったところで、満足できない人は満足できない。お金と一緒。いくら金持ちになったところで、心の埋め方を知っていないと満たされないんです。

「痩せたい!」が止まらなくて万年ダイエッターになってる人は、今の自分じゃ無い自分になれば、今よりもっと自信が持てると思っています。

そうやって未来に期待ばかりしていると、理想と現実の差はいつまで経っても埋まりません。だから人からの評価に頼って今の自分を肯定してもらうとする。

自分の容姿に自信が持てない理由って、身体じゃなくて、そういう考え方にあるんじゃないかな。


◆自分との向い方を変える

未来の自分を今より良くするために、今の自分を悲観的に見る必要はありません。今の自分のこんな素敵な部分を磨いたら、もって楽しくなりそう。

そんな考え方ができないのは、自分で自分に優しく接する方法を知らないからです。嫌いなところ探し、嫌なところ潰しばかりしている。

ちょっとした拍子に「あぁ、太い脚だなあ」とか「お腹の肉たるんでるなぁ」とか、自分に声がけしてませんか?

そうやって自分に語りかけている嫌な言葉、そのまま大好きな友達に言うことできますか?言えたとしても、言われた相手は喜ぶと思うでしょうか?

人に言うこともないような酷いことを、自分には毎日のように言い聞かせていたら、健全な思考環境ではありませんよね。人からの評価に頼るようになるのも、こういう険悪な思考環境から抜け出すためなのではないでしょうか。

まずは、自分にかける言葉を変えること。エクササイズしたり、ダイエットしたり、エステに通ったり、大好きなお菓子を我慢して身体が変わったところで、他人から評価を得られるまで自分をいじめる習慣が治らない限り、心は満たせません。

「身体が変化したら、自分はもっと自信が持てるようになる」は勘違いです。

まずは言葉を変える。

自分で自分の心を埋める方法を学びましょう。カロリー計算や嫌いなランニングなんて、後回しでいい。自分改革を始めるモチベーションがそもそも見当違いな方向を向いていたら、元も子もないもん。


◆身体を変えるだけのフィットネスを辞める

私はパーソナルトレーナーでありながら、「痩せたい!」という要望に対して「こういう方法があるよ!」の前に「痩せることで本当にこの人は幸せになるのかな?」という角度から話を始めます。

本来、フィットネスは、痩せるため、身体を変えるためのものではないからです。痩せたって変わらないものはたくさんある。

フィットネスは
「自分には何が合う?」
「自分に必要なものは何?」
「何してる時が幸せ?」
「何したら身体も心も喜ぶ?」
「こういうことしたら身体も心もどう反応する?」
という問いを通して自分の身体や心について学ぶためのプロセスです。
身体の変化は、自分に合う方法を選んでいたら必ず起こります。

躍起になって減量を追い回しても心は満たされないから、1番効果的な方法や、最新科学で証明された方法の前に、自分との向き合い方考えるのが先なんじゃないかな。


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