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主人公への試練は枷として書く/作家の僕がやっている文章術044

『ONE PIECE』のような、『ハリーポッター』のような、『鬼滅の刃』のような、壮大な物語を書きたい。

そう考える人が陥りやすいのは、いきなり壮大なストーリーを書こうとして、キャラクターをたくさん登場させて、エピソードをふんだんにちりばめて、書き進めるうちに収拾がつかなくなる事態です。

まず設定するべきことは、次の3つです。

1/主人公(メインキャラクター)の成長
2/主人公の動機(モチベーション)
3/主人公への試練

これまで『主人公の成長』について、

『主人公の動機』について、お話ししました。

今回は『主人公への試練』についてお話します。

ONE PIECEでも、ハリーポッターでも、鬼滅の刃でも、敵を倒して主人公が成長するわけですから、あたかも敵を倒すときの困難が試練であるかのように読み取りがちです。

試練とは、ずばり枷(かせ)です。

手枷、足枷の枷です。

主人公をじゃまするもの=枷です。

主人公の動機をじゃまするもの=枷です。

宿命=逃れられない運命
邪魔者=敵、ライバル、ストラッグル
係累=出生、家族、非理解者

主人公が枷を外したときに、主人公は成長し、物語は進展します。

『ロミオとジュリエット』は、敵対する家同士の男女の恋愛です。

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敵対するから、会うことすら許されない。

会うすら許されない枷があるからこそ、ロミオもジュリエットも深い恋愛に落ちるのです。

その枷を読者(観客)は理解しているから、2人の恋愛の試練に共感を覚えます。

共感を多く呼び込む作品は、傑作と呼ばれます。

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