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私の下り階段トラウマ
トラウマについてNLPコーチングで、ワークをする機会がありました。トラウマには心理的なものと、身体的なものがあります。ワークをするのにあまり重すぎないトラウマ、って言われて思い出したのが、下り階段を普通に降りれなくなったという私の身体的トラウマです。
もう何年か前の話ですが、お世話になった先輩のお通夜の帰り、若くして亡くなったことをなかなか受け入れられず、とても感傷的な気持ちのまま、待ち合わせまでの時間潰しに一杯呑んでいました。心情的に弱っていたからか、お酒がいつもより廻って、駅の改札の待ち合わせ場所まで降りて行く時、両手にお香典返しを5人分くらい持ったまま、両手がふさがった状態で足を滑らしました。
とっさに両手の荷物を守らないと、と思った私は両手をつくどころか持ち上げて荷物を守りながら、正座している体制のまま7−8mの距離下り階段を、ガンガンガンガン、って足を何度も打ち付けながら落ちていったんです。
しばらく立ち上がれなかったですが、怪我もなく、守りたかったみんなのお香典返しを傷つけることもなく、なんとかその日は痛かった〜って言って帰ったのですが…次の朝起きたら、膝から足首にかけて縞縞模様のアザがたくさん出来ていて、見るからに恐ろしい状態でした。
意識していたわけではないのに、その頃から、下り階段が前のように軽快に降りれなくなりました。足元をじっと見ながらでないと、また足を滑らすのではないかと不安になり、一歩一歩見ながら降りるようになりました。じっと見ながら降りると、今度は逆に必要以上に踏み外しそうになるんです。
これをあとでミルトン・エリクソンさんの氷の上は目を瞑って歩いた方が滑らずに歩けた話と同じだね、と先生に言われましたが、本当に気をつけなきゃという心理が働き、下り階段に差し掛かると緊張して、強張ってしまって余計に足が絡みそうになったりしているんです。考えれば考えるほど、身体が固まって動けないってやつですね。
結果、私はそれ以来、下り階段に来ると人より急にゆっくりとなりみんなから遅れだします。歳を取った方がゆっくりゆっくり手すりを持って降りるような、そんなスピードで下を見ながらしか降りれなくなってしまっているんです。
真っ直ぐ前を向いて感覚だけで、タッタッタッてもう一度階段を降りれるようになりたい。私の心に恐怖心だけが残ってしまった、このトラウマ(傷)を治癒するのを促進してもらうため「トラウマ・プロセス」を昨日体験しました。
第1フェーズでは、強化ガラスやもう一人の自分を通して、そのトラウマとなった出来事を思い出して見てみました。その後、その出来事のブックエンド、始まりと終わりを決めて、逆再生するんです。言葉で説明はしにくいのですが、そのワークをやった前と後では、同じ出来事を話す時の緊迫具合にものすごい変化が起きます。
恐怖を思い出して話をしていたのに、ワークの後は、淡々と他人事のように話せるようになっている私がいました。恐怖感もほとんど無くなっています。
次の第2フェーズのワークでは、何度もなりたい自分(この場合、昔のように下を見ずに軽快に階段を降りていく自分)をイメージしてやってみるんですね。いわゆるイメージトレーニングに近いことだとは思うのですが、この二つのプロセスを終えて、なんとなく恐怖感が拭えた気がしている私は、早く明日駅の下り階段を試してみたい、くらいの気持ちになっています。
実際に下り階段のトラウマから、もとの自分が取り戻せたかどうかは、後日ここに書き足してみたいと思います。
乞うご期待!
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