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サッカー産業MBA 後期を終えて

2020/5/16

皆さん、こんにちは。Mikiです。

2019年9月から始まったサッカー産業MBAの授業が先日、全て終了しました。

今回の記事では、2020年1月から5月までの、後期を振り返ってみたいと思います。

授業

後期のクラスは以下の6つでした。

・Sports and the Law
・Football and Finance
・Becoming a Football Executive
・International Business and Global Environment
・Innovation and Entrepreneurship
・Advanced Analytics for Business

フットボールに特化したクラスと一般ビジネスのクラスが半分ずつでした。
この中から2つピックアップして紹介します。

Sports and the Law
スポーツ業界で働くにあたり知っておくべき法律に触れました。
リーグ内や国際機関により定められたルールだけでなく、法律が関与することで選手やチームを含めたスポーツ界にどのような影響が出るのか、とっつきにくい内容でしたが、複数のトピックを通して少し身近に感じることができたと思います。

課題は以下5つのトピックから1つ選び、法的な視点で議論するもの。

1. スポンサーシップ契約締結の際に留意すべきこと
2. FIFA Regulation on Working with Intermediaries (RWI) で表記されているルールの効果性に関して
3. ヨーロッパ内で国際的なリーグを設置する際に留意すべきこと
4. FIFAの移籍に関する制度の合法性と実用性に関して
5. 平等性に関する法律の、実際にサッカー界で平等をプロモーションする際の効果性に関して

私は1番のスポンサーシップ締結の際、テクノロジーの導入によって今までのスポンサー形態とこれからがどのように変わっていくのかを述べました。
現在はスタジアム内でのPRに加えSNSでPRできる権利を持っていることにスポンサーの価値が移行してきていると思います。
個人情報保護法などに触れながら、データの管理や運用方法に関して細かく事前に契約内容を交渉する必要があると述べました。

Football and FInance
前期に受講したファイナンスから、今期はフットボールにフォーカスした授業となりました。
選手にかける人件費がコストの大部分を占めていることや移籍金が償却としてみなされることなど、フットボール界特有の経営事情を知ることができました。

取り組んだ課題は2点。
1つ目は以下のテーマで取り組みました。

「クラブ買収を検討している投資家に事前調査資料として経営状況、規模や負債を考慮した上での業界位置、今後の財務的な見通しについてレポート作成せよ」
私はトッテナムを選び、選手コストを抑えながらチャンピオンズリーグに出場し続けている最近の好成績からリーグ内最大の利益を出し、経営状況が良好である一方で、昨年建設した新スタジアムの借金返済が今後の大きな課題となり、収益をあげ続けるためにはチャンピオンズリーグに出場し続ける必要性があることを述べました。

この課題が終わった後にトッテナムの最新財務状況が発表されましたが、ビッグ6の中でも選手の人件費が圧倒的に低いことが下記リンク内に示されています。


2つ目の課題は選択肢が8つあったのですが、私はその中から以下を選択しました。

「選手育成と移籍実績の分析を踏まえ、現在のクラブ財務状況や規定変更の可能性を考慮した上で今後の選手リクルーティング戦略を提案せよ」

クラブは鹿島アントラーズを選び、最近変更があった外国人枠数やホームグロウン制度、またJリーグで起こっている移籍トレンドを述べながら複数の提案をしました。

印象として感じたのは移籍=ビジネスと捉えているヨーロッパリーグとのギャップにより、良い日本人選手が低コストで引き抜かれることによりJクラブがダメージを受け始めているという点でした。
文化や背景が違うため一概には言えませんが、環境の変化に合わせて色々な対策を打ったり対応したりしていくことの重要性を感じました。

ゲストスピーカーセッション

前期に続き後期も外部からゲストスピーカーが来校しました。
個人的に印象に残っているのはドイツブンデスリーガのボルシアMGからのゲスト。

クラブのグローバル化に向けてどういったマーケティング活動を行っているかなどの話を聞きました。
特にサッカークラブはまずホームタウンの人たちにスタジアムに来てもらうためにマーケティングを始めるはずなので、そこから全く違った手法での海外マーケットへのアプローチは大きなミッションであることを実感しました。

また、エバートンのオフィスに訪問し、現地でのコミュニティ活動と新しいスタジアム計画について話を聞いたことも、とても印象に残っています。

実際はUEFA、マンチェスターシティ、セルティックFCへも訪問する予定でしたが、残念ながらコロナの影響で中止となりました。

論文

授業が終わり、これから9月中旬まで修士論文に取り組む期間に入ります。
論文には2つ種類があり、個人でリサーチをして仕上げるパターンと、企業と取り組むワークベースプロジェクト(WBP)があります。

例年は大学側はWBPを通してインターンやそのまま就職できるような道を推奨していますが、コロナの影響により今年は逆の姿勢で、全てリモートで企業とやりとりできない限りは個人論文を選ぶように指示されています。

私は幸い企業の方にリモートで取り組むことにOKを出していただいたので、WBPで進めていきます。
先日Supervisorの担当教授が割り当てられたところなので、まずは教授と、お世話になる企業の方と相談しながら何について書くか論文のテーマを決めることと、卒業生の論文をいくつか読んで参考にしながら、具体的なイメージを膨らませていければと思います。

進路

進路に関して元々の受講者の思いとしては、ほとんどがイギリスさらにヨーロッパ以外の国から来ているため、自国に帰れば比較的安心した就活が行えることから、まずはヨーロッパで経験を積んでから帰りたいといった意見を持った人が多いと思っています。

例年であればそれぞれ希望の企業・クラブにアプローチして模索をするタイミングだと思うのですが、今年はとても厳しい状況になっています。

それぞれオンラインで活動できる範囲で企業と連絡を取っているとは思いますが、情報交換があまりできていないので周りの進捗も把握できていません。

ただ、進路に関してはアプローチする企業・進捗などは本当に人それぞれだと思います。大学はあくまでも勉強をする場所で、その後のキャリアは個人に任されているような気がしました。

私は今回の授業が終わったタイミングで日本に帰国することにしました。進路に関して何も決まっていない状況なので、まずは論文のプロジェクトに集中して、そこから少しずつ可能性を模索していけたらと思っています。


以上、サッカー産業MBAでの後期を振り返りました。

リバプールでの生活を振り返った記事は後日改めて投稿します。

読んでいただき、ありがとうございました。


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