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【後編】 欧州スポーツ大学院 日本人受講者紹介 (2019-20年)

皆さん、こんにちは。

今回の記事では、前編で紹介したメンバーが、渡航して授業が始まってから実際にどういったことを感じたのか、それぞれの思いを紹介します。

今回は、
・入学してから感じたコースの魅力
・印象に残っている授業の内容
・来る前と来た後のギャップ
 について紹介します。

1. 内田 大三 (FIFA Master)

入学してから感じたコースの魅力

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30代になってからサッカーと旅行好きの仲間たちと勉強も遊びも寝る時間を惜しんで全力で取り組める環境。週末はクラスメイト達と旅行に行くか、グループ課題かテスト勉強など息つく暇もないほど充実している。また、FIMBAをはじめとした他校との定期戦やその後の飲み会を通じて親交を深めるなど多くの同志と出会えた。自分の意見を持っている者ばかりなので教室の外でも議論がヒートアップすることがあるが、その時間こそが最も学びが多く、人間関係が深まる。

印象に残っている授業の内容
1.イギリス
各自が自国のスポーツを紹介する授業において馴染みのない国々の歴史やスポーツについて知れてクラスメイトのことをより深く理解することができて嬉しかった。

2.ミラノ
マンチェスター・シティが抵触したとされているファイナンシャル・フェア・プレーの仕組みなどを学び、その複雑さから落第の危機にも陥った会計学(簿記3級の知識が最低限必要)。

3.スイス
新型コロナウイルス感染症の影響を受けたスポーツ界がこれからどのような制度変更を通じて対応するかという現在進行形の講義など、今最も注目されている話題について主に法律の専門家から学べる。

来る前と来た後のギャップ

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想像以上にヨーロッパは移動が楽なので週末に自費でバルセロナやアムステルダムなどの大都市の他にも、3,000人規模の小さなスタジアムなども訪れた。ヨーロッパ各地にサッカーがどれほど根付いているかを目の当たりにし、授業の理解が深まった(そのため平日は徹底して節約)。

当コースは卒業まで11ヶ月しかないので、あれこれ悩むよりもとりあえず何事も取り組んでみることで卒業後のキャリアプランなどの視野も広がる。

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不安もあった初めてのルームシェアも仲間に恵まれ、映画「スパニッシュ・アパートメント」の世界観そのまま、もしくはそれ以上に刺激的でした。

2. 濵地 淳平 (FIMBA)

入学してから感じたコースの魅力
一般MBAコースの人と約半数のモジュールを共にするため、フットボールやスポーツに偏らず、ビジネスパーソン一般としてのバランス感覚を養えた。また一般MBAコースには、フットボールMBAのコースの人よりも長く経験を積んでる方が多く、そういう点でも、様々なバックグラウンドを持つ人との授業は刺激となった。

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本コースではスポーツ業界には仕事は多くあれど、過半数以上は、協会等ではなくクラブやリーグ、またそれを支えるマーケティング企業などのコマーシャルサイドを希望している学生が多く、授業もどちらかと言えばそちらに寄っているため、個人的には希望に合っていたと感じている。

印象に残っている授業の内容
毎週のようにある、業界にいる人の話を聞けるゲストスピーカーセッションや各所の訪問がやはり最も刺激的な授業だったと思う。その中でも地元クラブであるEverton FCへの訪問は、フットボールとコミュニティの関わり方を深く実感する内容だった。特に貧困層と呼ばれる市民が多いリバプールに滞在していると、ここ10年の政策の変化から大きな社会的格差が起きていることを感じることが多く、フットボールクラブがコミュニティに果たす役割を聞けたのは非常に興味深かった。

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来る前と来た後のギャップ
キャリアに関するサポートが期待していたほどなかった点。授業等で必要なことを身に着ける傍ら、スポーツ業界への就業に向けて、自らが主体となって動ける必要がある。

3. 立川 翔 (FIMBA)

入学してから感じたコースの魅力
一般のMBA生も含めた国際色豊かなクラスメイトとの出会い、卒業生とのネットワーク。毎週のゲスト講義を通じて様々な形でスポーツやフットボールに関わっている人の仕事内容やキャリアについて話を聞けること。

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印象に残っている授業の内容
アーセナルの元副会長デイビッド・デイン氏がゲスト講義で語っていた大事にしている3つのこと(Hard work、Vision、Courage)。またチームとしてまとまることの重要性を説いた鉛筆を使った例え話。「いくら才能があっても未熟で独りよがりな選手は簡単に折れてしまう(1本の鉛筆)。だけど結束したチームは簡単に折れない(束になった11本の鉛筆)」

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来る前と来た後のギャップ
授業や課題、また今後のキャリアに向けてどう取り組むかは本当に人それぞれなので、そういう環境で自分はどうしたいのかを意識しておくことが大切だなと改めて感じている。

4. 船本 未来 (FIMBA)

入学してから感じたコースの魅力

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・世界中から来る色々なバックグラウンドを持った人たちと時間を過ごせること。
・プレミアリーグの熱量を実際に肌で感じられること。
知識や情報は独学オンラインで習得できるこの時代に、時間とお金を投資して来るメリットはこの2点にあると感じる。

印象に残っている授業の内容
Kieran Maguire氏に教わるフットボールファイナンスの授業はFIMBAに来てこそ学べる内容だと感じた。財務諸表分析のレポート課題はチャレンジングだったが、一般のファイナンス知識に加えてプレミアクラブ経営の実情を学ぶことができた。

来る前と来た後のギャップ
大学時代に住んだアメリカと比べてイギリス或いはヨーロッパ全体に文化の厚みがあり、この国で時間を過ごすことで色々な経験ができたと感じる。サッカーを通しても大学内の生徒、地元の社会人、FIFAマスター受講生など幅広い人と交流できた。(写真は大学フットサル部での活動時)

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それでも日本と比べると文化や生活習慣は大きく違うため、授業やその後の就活で試行錯誤しながら過ごす覚悟は必要(先生の言い回しが理解できなかったり、連絡しても返事がなかなか返ってこなかったりなど)。日本を離れて勉強することは、非効率さも含めて新しい経験を通し、自分の幅を広げるためにあるべき選択だと感じた。

5. 渡邉 宗季 (Barcelona)

入学してから感じたコースの魅力

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バルサだけでなくビルバオやアヤックスなど様々なクラブ関係者から講義を受けられる。また多様なバックグランド・国籍のクラスメイトとの共同プロジェクトを通し、自分の強み・弱みが確認できる。あとは、日本人がいない・前例がないこと。

印象に残っている授業の内容
マドリードでのWorld Football Summit。世界中のフットボール関係者と出会い、人脈を広げることができた。初回授業であったため、フットボール業界とはなんぞやをいきなり見せつけられた。

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来る前と来た後のギャップ
授業時間が他の大学に比べ圧倒的に少なく、強制的に知識を深掘りする環境はない。よって、余った時間でいかに自分を律しやるべきこと・やりたいことを見つけるか、クラスメイト以外に人脈を広げることができるかが重要。そのためのきっかけや機会は十分このコース、バルセロナ内にはある。

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6. 高野 佑 (AISTS)

入学してから感じたコースの魅力
多様なバックグラウンドを持つクラスメイトとの交流。課題への取り組み方、休み時間の過ごし方、雑談の内容といった日常生活の中で、育ってきた環境や教育が与える影響を実感している。

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国際競技連盟とのネットワーク。講師としてだけではなく、メンタープログラムやチームプロジェクトなどを通して接する機会も多い。

印象に残っている授業の内容
国際競技連盟の役職員による講義。サッカーやバスケットボールなどの超メジャースポーツ以外の連盟は非常に限られた人員/予算で運営されており、その実態と課題をリアリティを持って知ることができ、キャリアを考える上で貴重な材料となっている。

来る前と来た後のギャップ

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特に序盤(9〜12月)は課題が少なく、思っていた以上に自由な時間があったため、毎週末のように周辺国への旅行を楽しんでいた。
クラスメートの年齢層が幅広い(22〜45歳)。多様性というメリットの反面、プログラムに求めるものが異なる難しさも感じる。


以上、ヨーロッパ大学院でスポーツビジネスを学ぶ日本人の紹介でした。
現地での様子・イメージが伝われば嬉しいです。 

メンバーの紹介・SNS情報は前編に記載があるので、そちらを参照ください。

読んでいただき、ありがとうございました。


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