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サッカー産業MBA 修士論文について

2020/9/18

皆さん、こんにちは。Mikiです。

今回はサッカー産業MBA(FIMBA)関連の最後の投稿として、この夏取り組んできた修士論文を振り返ってみたいと思います。

論文テーマ決定までの経緯

FIMBAでは1人で取り組む通常の論文に加えてWork-based project(WBP)があり、企業に協力依頼しコンサルタントとして資料を提出すると同時に、そこでリサーチした内容をもとに大学へ提出する論文に取り組むことができます。

進め方は人それぞれですが、WBPの場合、論文のテーマと取り組む企業を決めるまでには大きく分けて二通りあるように感じました。

①まずは自分が取り組みたい論文のテーマを決定する→それを軸に企業へアプローチする
②まずは企業へアプローチし、ニーズを聞く→課題解決提案や市場調査を優先し、それに関連したテーマで論文を完成させる

企業に協力してもらうためには、先方にとってもメリットのある内容でないと受け入れられにくいため、テーマをこちらがガッチリ固めてしまうと、企業の求めている内容とズレが生じてしまうように感じました。しかし逆に何もないまま企業と接点を持とうすると、中身のない交渉になり得るため、ある程度のビジョンを持ってアプローチすることも必要で、両方のバランスをとる難しさを感じました。

また、WBPのプロジェクトを完成させるには大学へ提出する論文の条件も存在し、構成や研究手法などで学術的な要点を満たす必要があります。企業と合意したWBPの内容を優先しすぎると、論文作成の際に壁にぶつかる可能性があることも実感しました。

このように、企業が求めているものと大学が求めているものが違い、両方を補完する必要性を感じました。通常の論文と比べるとハードルが高いように思いますが、このWBPは就職に繋がる可能性があったり、インターンを通した海外職務経験が得られたりというメリットがあり、WBPにチャレンジするクラスメートは多かったです。

また、WBPで取り組んでもらう企業の見つけ方は3種類あったように思います。

①学校から斡旋される企業にアプライする(先生からメールでリストが送られてきて、自分の取り組みたいテーマの概要を送付し先生に一任する)
②ゲストスピーカー、卒業生、先生の個人的なコネクションを辿って紹介してもらう
③LinkedInや個人的なネットーワークを活用する

今年はイレギュラーでWBPの際も全てリモートで活動することを強いられました。クラブや企業もコロナ対応で論文協力をする余裕がなく、今年は例年よりも通常の論文(Dissertation)に切り替えた人が多かったように感じます。私も途中まではWBPの予定でしたが、コロナの影響もありDissertationに切り替えることとなりました。

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論文完成までの道のり

5月中旬に全ての授業と課題が終わり、9月中旬の論文提出期限まで約4ヶ月の期間が与えられました。私にとって論文を書くのは人生初めてで、この4ヶ月という長い期間をどのように使うべきか、見当のつかないままスタートすることになりました。

論文執筆にあたり担当の先生が割り振られるのですが、学校の制度で自動的にサポートをもらえるというよりは、全て自分の行動次第でビデオ通話のアポを取ったりメールで質問したりする必要があり、親密な距離感でアドバイスをもらうことが難しかったように感じます。

自分の興味本位でテーマを決めたとしても、論文執筆の条件が満たせるとは限らず、しっかりと取り組めるテーマを決めるまでにかなり時間を要しました。なかなか進まず苦しい期間があり、最終的なテーマと構成を決めた時には提出期限まで残り約1ヶ月となっていましたが、書き始めると後戻りできない気がしたため、我慢しながらも構成に時間を使って良かったと思っています。

アカデミックな知識・経験の乏しい私では難しいテーマや研究手法で取り組むことにリスクを感じ、よりチャレンジングな内容で取り組むことができませんでしたが、それでも完成した時には達成感に包まれていました。


論文完成後の進路

論文執筆と並行して卒業後の進路を考える必要もありました。夏の過ごし方を含め、次の進路へ向けての取り組み方は人によってそれぞれでした。

WBPで取り組んだ企業にそのまま就職できるケースは思ったより少なく、論文を書きながら別途就職活動をする人も多かったと思います。クラスメートの中には、今年の頭から就職活動を始め、夏からの仕事を決めた上で別途WBPあるいはDissertationに取り組もうとするタフな人もいました。

それでも割合としては、就職可能性を探りながらも、まずは論文を完成させることを優先していた人の方が多かったと思います。学生ビザでは、翌年の3月までイギリスにいることができるので、自分で期間を決めてイギリスやヨーロッパ圏内で就活をし、見つからなければ自国に帰国して就職する、というスタンスで過ごしている人もいます。

FIMBAで1年間勉強したことで、フットボール業界で働くことがより鮮明にイメージでき、来る前に思い描いていたものと実際の世界にギャップを感じることが出てくることもあったと思います。例えばプレミアリーグのクラブで働くことを第一目標としてFIMBAに入った人がいたとしても、実際にはハードルが高かったり、空きができたとしてもそれが自分の求めるポジションでなかったりすることが起こってくると思います。

FIMBAでの経験だけでなくそれ以前の経歴も生かして次のステップを選ぶことになるため、譲れない部分や妥協したくない部分は人それぞれあると思いますが、自分の中での条件に固執しすぎると選択肢がどんどん狭くなっていくため、あらかじめ「自分が譲れないものは何か」「自分は何のためにFIMBAに行くのか」を整理しておくことは大切だなと思いました。

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今後に関して

私自身も、「イギリスに行けば自然と道がひらけてくる」と漠然としたイメージを胸に渡英した部分がありましたが、1年間を終えて思うのは、結局は何をするか、どこに行くかを決めるのは自分次第であり、FIMBAはそのために新たな経験と知識を与えて手助けしてくれる環境である、ということでした。自分の進路を環境に一任するのではなく、あくまで補佐的なものとして捉え、自分で自分の人生の舵を切っていくスタンスを取ることが重要であると、改めて感じた部分がありました。

この1年間、FIMBAに関する記事投稿を続けてきました。これからヨーロッパでフットボールビジネスを勉強したいと思われている方にとって、少しでも参考になれば嬉しいです。

改めてこの1年間、FIMBAでの経験を通して出会った方々、助けていただいた方々に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

1からスタートする気持ちで、これからの新たな環境と出会いにワクワクしながら、過ごしていきたいと思います。

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読んでいただき、ありがとうございました。



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