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ママとパパへ、子どもからのないしょのおねがい

フランスの詩人、ジャック・サロメが子どもの視点から書いた詩。

日本語翻訳は初!(きっと)


ママとパパへ、子どもからのないしょのおねがい



ママ、パパ、お願い。

私/ぼくのお願いに絶対的な力があるって信じこませないで。



ママ、パパ、お願い。

私/ぼくのお願いにダメと言ったり、

私/ぼくの期待を裏切ってつらい思いをさせたりしてもいいんだよ。


ママとパパは私/ぼくにとってのすべてで、

ママとパパにとって私/ぼくはすべてだっていうことを

信じこませないで。

ママとパパが私/ぼくに「ノー」と言えるということは、

私/ぼくにとって大事なことなんだ。


私/ぼくのお願いを聞いて。

でもすぐに応えないでいいんだよ。

もしすぐになんでも満足させようとしちゃったら…

願い事は一つ残らず失われてしまうよ。

まずそのお願いが受け入れてもらえるのか

そうでないのかを教えてね。

決して私/ぼくの代わりにそれを叶えようとしないでね。


ママ、パパ、お願い。

私/ぼくが自分の限界を知れるように、

そして目標をはっきりと持てるように、

すぐに否定しないで、

意見をコロコロ変えたりしないでね。


ママ、パパ、お願い。

もし私/ぼくが反発して泣いて、

ママに「いじわる、ひどい」と言っても

動じないでしっかりとしていてね。

それが私/ぼくに安心を与えて、

私/ぼくを形成していくことができるんだ。

もし私/ぼくがパパに「何もわかってくれない」と

責めたりしたときも、その反応を絶対だと思い込まないでね。


ママ、パパ、お願い。

もし私/ぼくがママ、パパのことを誘惑しようとしても、

どうか耐えてね。

もし私/ぼくがママ、パパのことを心配させるようなことがあったとしても、

負けないで。

もし私/ぼくがママ、パパに襲いかかったとしても、

私/ぼくを捨てないで。

そうやって大人になっていくことができるんだ。


ママ、パパ、それぞれに言っておきたいこと、

それは、私/ぼくは、あなたの息子であり、娘だ、ってことだよ。


・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

息子の通っている保育園の先生から教えてもらった詩を翻訳してみました。

子どもがいくつになっても学ぶことがある詩だと思います。


「親は子どもにとっての全てではない」

「子どもは親にとっての全てではない」

という考えは、なかなか日本では珍しい考え方ですね。ちょっと冷たいんじゃない?と感じるかもしれません。

(フランスでは当たり前ですが・・・)

でも実際、ママは母親という人格以外にも、女性であったり、誰かの娘であったり、誰かの友達であったり、働いている顔があったりと、いろんな顔があります。これに気づくだけで、ふと肩の荷が降りる思いがする人もいるのではないでしょうか。

ぜひ、何度も読み返してみて、子育てをふりかえる機会をつくってみてください。

子どもにも「これって本当?」「こんな風に感じてるの?」と聞いてみてもいいかもしれません。

原文

PRIÈRE SECRÈTE D'UN ENFANT À SON PÈRE ET À SA MÈRE
Poème de Jacques Salomé
Maman, Papa, je vous en supplie,

ne me laissez pas croire que mes désirs sont tout-puissants.

Maman, Papa, je vous en prie,

prenez le risque de me frustrer et de me faire de la peine,

en refusant certaines de mes demandes.

Maman, Papa, c’est important, pour moi,

que vous sachiez me dire non,

que vous ne me laissiez pas croire

que vous pouvez être tout pour moi,

que je peux être tout pour vous.

Maman, Papa, surtout entendez mes désirs,

mais n’y répondez pas tout de suite.

En les satisfaisant trop vite…

Vous risquez de les assassiner.

Confirmez-moi que j’en ai,

qu’ils sont recevables ou irrecevables,

mais ne les prenez pas en charge à ma place.

Maman, Papa, s’il vous plaît,

ne revenez pas trop souvent sur un refus,

ne vous déjugez pas.

Pour que je puisse ainsi découvrir

mes limites et avoir des repères clairs.

Maman, Papa,

même si je réagis, si je pleure,

si je te dis à toi, Maman, “méchante et sans cœur…”, reste ferme et stable.

Cela me rassure et me construit.

Si je t’accuse toi, Papa, “de ne rien comprendre”, ne m’enferme pas dans mes réactions.

Maman, Papa, par pitié, même si je tente de vous séduire, résistez.

Même si je vous inquiète, ne vous soumettez pas.

Même si je vous agresse parfois, ne me rejetez pas.

C’est comme cela que je pourrais grandir.

Maman, Papa,

vous dire aussi à chacun que

je ne suis que votre fils, votre fille.

Jacques Salomé

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