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『同じ星の下に』 虐待を受けていた女子中学生が誘拐された

女子中学生の沙耶は両親から虐待を受けていました。
殺害の危機を感じた彼女は児相に電話をかけるのですが、やって来た渡辺を名乗る男は誘拐犯でした。彼女を自宅に軟禁し、二千万円を要求します。
しかし、この誘拐犯はクリスチャンで毎朝聖書を読み、お祈りをかかしません。誘拐犯がクリスチャン?何を祈っているのか?

彼女は人間は不平等だと自分の境遇を呪っています。

「アンネの祈りは神様には通じなかった。神様は沈黙する。だから、わたしは神様には頼らないし、祈らない」

しかしエピローグで彼女は言うのです。

「もし自分が強いと考える人がいたら、それは傲慢か無知のどちらかだと思います。他人の苦しみや悲しみを理解せず、あるいは理解できていると勘違いして、苦しみに耐えられない人たちや、悲しみのなか何かに頼ってしまう人たちを嘲笑う。それこそが自分の弱さだとも気づかないで。けれど自分の弱さを知る人は、その弱さに向き合おうとするから祈るのでしょう?渡辺さんがそうだったように」

愛情とは?祈りとは?

クリスマスにプレゼントとを受け取った彼女は言う。

「本当に,頭がどうにかなりそうだった。
嬉しくって、嬉しくって。
高価なプレゼントをもらえたからではなく、そうではなくて、これほど誰かに大切にされたことが、なかったから。それが嬉しくて、仕方がなかった」

涙が溢れました。

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